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しおりを挟む「子供をつくれない?」
「そう。12歳の頃、大人がかかると子種が死滅する恐れがあるという病にかかった。
微妙な歳だった。
早めに気づくと薬が効くけど気づくのが遅かった。
大丈夫だろうと楽観視していたけど、数年後に調べたんだ。
何回かに分けて子種を調べた。結果、子種は生きていなかった。
回復することはない。だから、結婚する気はないんだ。」
「…辛いことを聞いてしまってごめんなさい。」
「いいんだよ。疑問は最もなことだからね。だから、兄の子種が必要なんだ。
だけど、昨日の形に辿り着くまでが大変だったんだ。」
苦労を思い出すようにニコラスがその経緯を語った。
「まず、兄に射精してもらえばなんとかなると思ったが勃起しなかった。
射精ってわかる?精を出すことね。
勃起というのは昨日の俺のコレ見たでしょ?あの状態。
兄は性的なことを避けてたからね。
薬に詳しい兄の友人にお願いして媚薬を用意してもらった。
弱いものから試して、兄に合うものを探した。
同時に、兄は女性には触れられないからあの張り形を加工した。
でも、勃起してもなかなか射精できなかった。
いろいろ状況も変えて試した。
媚薬だからやっぱり興奮が必要じゃないか?って。心と体は別と割り切って。
娼館に協力してもらったんだ。他人の行為を覗けないか。顔は隠してね。
そうしたら覗かれたい客が一定数いるらしく、専門の部屋があった。
そうして、媚薬を飲んだ上で音や声、淫靡な雰囲気の中で射精できることがわかったんだ。」
というわけで昨日の状況になったそうだ。確かに大変だったようだ。
しかし、その説明を聞き、新たな疑問を私は感じた。
「では、別の方の行為を覗いて出された子種を私に入れればよかったのでは?」
「…もう気づいちゃった?やっぱり頭がいいね?」
渋々、ニコラスは言い訳?を語り始めた。
エドワードは侯爵家の後継のために、結婚しなければならない。
しかし、潔癖であることは知れ渡っているために候補の釣書さえ来ない。
褒められた手段ではないが、金と引き換えが一番有効であろう。
伯爵・子爵家の中で金に困っていて年齢的につり合う令嬢がいるところを探した。
その中で、親がギャンブルや酒に溺れているところを省いた。
そういう貴族は金を渡しても領民のために使わない。娯楽に金をやる気はない。
そして、候補が3貴族になった。
一方で、妻となる令嬢には、この子作り方法を了承してもらわなければならない。
契約の時に伝えてしまえば断られると面倒なことになる。
迂闊に酒に酔った勢いなどで言いふらされては困るから。
だから、婚姻届を出してしまってから説明することになった。
養子を取るのではないかと思われている侯爵家に嫁ぐのだ。
潔癖な侯爵との夫婦生活はないだろうと思っているはずだ。
だから、子種が入った張り形を入れて懐妊を願っても従うのでは?と思った。
しかし、令嬢の人柄も調査が必要だった。
婚姻後に浪費が激しくなるのは多少は仕方ないだろう。今まで不自由な生活だっただろうから。
おしゃべりや噂好きも困る。黙っていられないだろうから。
浮気や愛人は認められない。侯爵家の子供を産んでから発覚した場合は離婚だ。
実は、金に困っている貴族や令嬢の年齢を調べたのもギャンブル癖などを調べたのもエドワードの友人たちである。
王太子、宰相の息子、調査部門にいる友人たちが手伝ってくれていた。
薬に詳しい医師兼薬師の友人は媚薬でお世話になったが、調査に関しては見物していた。
そして、令嬢の調査を始める時、王宮侍女の面接に来ている中に対象者が一人いると聞いた。
調査している兄の友人と覗きに行くとルビーナを指さされた。
一目見て『この子がいい』と思った。俺の嫁じゃなくて兄の嫁なんだけど。
そう伝えても全員調査すると言われた。当たり前だけど。
他の候補の令嬢も見に行った。でもやっぱりルビーナが良かった。
ニコラスも一緒に暮らすんだ。苦手なタイプと生活を共にして疲れるのは嫌だった。
調査結果、ルビーナが有力候補になった。一番若かったし。
宰相の息子が父に経緯を説明し、由緒正しい侯爵家の後継のためにひと肌ぬいでくれた。
こうして宰相から伯爵家に援助とルビーナとエドワードの縁組が伝えられた。
宰相からだったのは、エドワードが直接言うより圧力と信用を感じるであろうから。
というのがルビーナが選ばれた経緯だとニコラスは語った。
…なるほど。ん?論点がずれていない?
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