売られた先は潔癖侯爵とその弟でした

しゃーりん

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ルーカスが侯爵になっているため、仕事に混乱はない。
ただ、エドワードに会えることがなくなっただけだ。
死は誰にでも平等に訪れる。早いか遅いかの差である。

いろんなことがどんどん思い出となり、寂しさはあるがエドワードがいない半年が過ぎた。
この国では半年間、喪に服す。
なるほど。半年というのは気持ちの切り替えを必要とする期間というわけだ。

喪があけて、これからのことを考える。
私はどうするべきであるのか。
このままここにいる?領地か王都で一人で暮らす?
前侯爵未亡人という立場での過ごし方がわからない。


「ルビーナ、話があるんだけど。今いいかい?」

「ええ。」

ニコラスが庭に連れ出してくれた。風が気持ちいい。

「ルビーナ、最近考えてることが増えたね。理由は想像がつきそうだけど。
 でも、今から俺が言うことも考えの中に入れてほしい。」

ニコラスがルビーナに向き合って目を見て言った。

「ルビーナ、愛してる。結婚してほしい。」

ルビーナは目を見開いた。

「ルビーナが俺の恋人になってからすぐに気づいた。
 君が、兄上の妻であろうとすることに。君は俺の気持ちに言葉で答えることはなかったね。
 でも、だからこそ、好きだよって言ってきた。
 愛してるとは言わなかった。…言えなかった代わりに…大好きだよって。
 愛の意味を軽く取られたくなかった。でも重すぎても負担になるから。
 『恋人』だから、いつか俺が離れていくことも考えてたよね?
 ずっと、夫と恋人の差って大きいと思った。
 だから、俺はこの言葉を伝えるために兄上よりも少しでも長く生きたかったんだ。」
 
…そう。ルビーナはニコラスの『好き』という言葉に言葉で答えたことはない。
エドワードの妻である。それをルビーナの矜持とした。
それがなければ、エドワードとニコラスと共に過ごせない。
ニコラスに溺れるわけにはいかなかったのだ。…みんなのために。
ニコラスの気持ちを疑っているわけではなかったが、未来は誰にもわからない。
漠然とした不安がずっとあった。言葉にすると、堕ちる。そう思った。
何年経っても弱い自分が情けなかった。

「兄の妻のままでいたいのならそれでもいい。でも、どこに行こうと付いていくよ。噂になってもね。
 別れる気はない。君は俺の最初で最後の恋人だ。身も心もね。君以外いらない。」

身も心も?!…意外な言葉が返ってきた。ニコラスの愛は想像以上に重いようだ。
抱きしめられて、唇に軽く口づけをされる。…逃がす気がないね?

「一応、『愛してる』『結婚してほしい』それぞれに答えをくれないか?」

今の気持ちでいいよ?って軽くない?

 
私の答えは……「           」




 
<終わり>




 
…ハッピーエンド? 
 
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