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ディアンヌが産んだ子供は男の子だった。
後にルドルフと名付けた我が子が産まれ出た瞬間、まず髪色に焦った。私の色じゃない!
そして、体を綺麗にされた子供を腕に抱いて顔を見て、もっと焦った。私の顔に似てない!
思わず凝視して、微かに開いた目の色を見て、もっともっと焦った。どうしてこの色なの?
そして半ば放心しているディアンヌに、フランクが声をかけた。
「ディアンヌ、お疲れさま。安産だったようだが、よく頑張ったな。
男の子だって?お前に似ているか?」
赤子の顔を覗き込んだフランクは、目を丸くした後に顔を引き攣らせながら言った。
「えーっと、確かこの色はお前の爺さん、いやひい爺さんの色だったか?
前に肖像画を見せてくれたよな。な?」
「え、ええ。これが隔世遺伝ってやつね?」
まだ部屋に医師と助産師がいたため、フランクは話を作ったようだ。
だけど後から気づいた。
ディアンヌとフランクの父方のひい爺さんは同一人物だ。遠縁なのだから。
爺さん同士が兄弟。ディアンヌの爺さんは婿入りしたのだ。
なので、ディアンヌの爺さんの嫁の父親にあたるひい爺さんと覚えていなければならない。
……非常にどうでもいいし、髪色も絶対違うだろうけれど。
部屋に2人きりになると、フランクは頭を抱えた。
「殿下にそっくりじゃないか!このまま俺の子だと突き通せるか?」
「私、なんでか自分そっくりになると思い込んでいたの。まさか殿下に似るなんて。
でも大丈夫よ。成長すれば、顔も色も変わるかもしれない。……多分。」
「……まぁ、うちは伯爵家だし、この子が殿下の近くに行く機会なんてあまりないな。
他人の空似、で誤魔化そう。
もし、万が一にも気づかれることがあっても、殿下に正式な子が産まれれば問題ない。」
「そうよね!もうすぐ殿下の結婚式ですもの。すぐに子供が授かるはずよ。」
殿下の子種で私がすぐ授かったように……
そして、ディアンヌの期待通り、結婚1年半後に王女が誕生した。それがオリアナ王女。
「よかった。王女様だったけれど、この国は女王にもなれるし。
それに今後、王子様が誕生する可能性はまだまだあるものね。」
「そうだな。」
ディアンヌとフランクは、一先ず安心してあと数か月で2歳になるルドルフを見た。
…………まだまだ王太子殿下そっくりだ。
それから1年が過ぎ、2年が過ぎ…………7年が過ぎても王家に次の子供は誕生しなかった。
聞こえ始めた噂では、王太子妃殿下はもう子供が産めないだとか、王子誕生を望む者たちが側妃を進言しているだとか、側妃になりたくない令嬢が急いで婚約しているだとか。
隣国の王女様だった妃殿下が産んだオリアナ王女ではなく、側妃の誰かが産んだ子供を後の王太子にするとなると野心のない貴族にとっては自分の娘に命の危険が及ぶかもしれないと側妃にしたがらないのだ。
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「もう、オリアナ王女殿下でいいじゃない。今7歳でしょ?教育を始めれば十分だわ。」
「だが、キャサリン妃殿下は女王にするよりも、兄の子に嫁がせたいらしいよ。」
「…………どこ情報?兄の子?従兄妹同士じゃない。結局は王妃よ?」
「女王と王妃。王族だからこそ重圧が違うことを知っているんだろうな。」
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