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アメリアは、両親に報告して婚約破棄の手続きを進めると言って、エドワードとサミアに帰ってもらった。
頭の悪い二人はアメリアの言葉を勘違いして、サミアのお腹の子はクレックス伯爵家の跡継ぎであるエドワードの妹に認知してもらえばいいのかと訳のわからないことを言いながら出て行った。
噛み合わない会話はこれほど苦痛なのだとアメリアは知った。
疲労困憊ではあるが、両親に報告しなければならないため、アメリアは両親の元へと向かった。
エドワードがサミアと来たことも、話の内容も、既に両親には伝わっているのだと二人の顔を見ただけでアメリアは悟った。
「……エドワードとの婚約破棄をお願いします。嬉しそうですね?前から知っていました?」
「妊娠までは耳に入っていなかったけれど、浮気していることはね。」
「なぜ教えてくれなかったのですか?」
「アメリアも何となく気づいていたのでしょう?それなのに、まだその覚悟がなかった。違う?」
確かに、嘘が苦手なエドワードを問い質すことは簡単だとアメリアは知っている。
それでも見て見ぬ振りをしていたのは、両親の忠告を無視してまでエドワードを選んだ自分の甘さが情けなく、浮気を許せるかどうか、葛藤し続けていたからである。
反省するなら一度だけ許そうか、いや、一度したなら二度も三度もあるかもしれない。
そう思いながら、実は浮気を許すことはできないと最初からわかっているのに。
「実はね、エドワードが浮気を始める前から、この婚約には問題があると判明したの。
エドワードって家族の誰に似ていると思う?」
クレックス伯爵には全く似ていない。
どちらかと言えば夫人なのだけど、夫人とエドワードは血が繋がっていない。
妹のリリアンは夫人に似ている。
……改めて考えてみると、わけがわからない。
「あそこの家は少しややこしいでしょう?エドワードは伯爵と前妻の子であるはず。前妻はエドワードを出産後に精神的におかしくなって離縁した。今の夫人は後妻よね。
でもね、本当はエドワードは今の夫人が産んだ子みたいなの。前妻が産んだ子は女の子だったそうよ。」
「え、どういうこと?今の夫人は伯爵の元愛人でエドワードを産んだってこと?女の子は?」
「女の子の行方はわからないの。前妻は女の子を産んだはずなのに男の子を産んだことになっていて、顔も違うのに信じてもらえなくて、精神的におかしくなってしまったらしいの。」
産んだはずの我が子は消え、見知らぬ赤子がエドワードと名付けられてお前の子だと言われたらパニックになるかもしれない。
妻と愛人、二人が妊娠したことで伯爵がすり替えることを思いついたのだろう。
当時は『男子継承優先』だったから。
「病気の妻と離縁し、愛人と再婚。エドワードは庶子なのに嫡子。当時、それを悟られることなくやってのけたの。悪質よね。気の毒だけど、今の私たちに関係あるのは違う問題よ。」
「違う問題?」
「ええ。エドワードは、クレックス伯爵の子ではない可能性が高いわ。」
クレックス伯爵の子ではない?
母が、この婚約に問題があると言ったのは、そういうことだった。
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