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しおりを挟むレイフォードからレーゲン公爵家での話を落ち着いて聞けたのは翌日だった。
「公爵様がね、お祖父様と呼んでほしいと言ったから、そう呼ぶことにしたんだ。そしたら、あのおじさんも父上と呼んでほしいって言うから呼ぶことにした。よかったかな?」
おじさん……エドモンドがおじさん……まぁ、28歳は子供から見たら微妙な歳よね?
「いいんじゃないかしら?お祖父様が3人、父親が2人いる。母親は……今のところ1人?」
帰り際の出来事をどう解釈すればいいのか、まだわからないから。
「あと、もうすぐ8歳だからプレゼントも貰った。」
「あら。よかったわね。……楽しくお話はできた?」
「うーん。楽しかったかと言われたら思い浮かぶような楽しさはなかったけど。難しいお話だった。」
おそらく、子供の扱いがわからずに部下に話すような口調で公爵家のことについて語ったのだろう。
レイフォードに公爵家で暮らしたいと思わせるような何かを企むようなこともなかったらしい。
「帰る時に、エドモンド様の奥様にお会いしたの?」
「会ったというか……いきなり現れて何か叫んでた。顔色が悪かったのに真っ赤になって怒ってた。」
レイフォードがエドモンドそっくりで驚いて青ざめたけど、隠し子を養子にすると思って腹が立った?
エドモンドは妻にどういう説明をしていたのだろうか。よくわからない。
まぁ、でも、公爵との面会が問題なかったのであればそれでいい。
それから年1回、レイフォードの誕生日前に公爵に呼ばれてプレゼントを貰って帰ってくることになるのだが、それは孫との接し方に悩む公爵の愛情表現の一種だとわかるのはそんなに先のことではなかった。
エドモンドがバーナー伯爵家を訪れた。
先日の、奥様のことを話に来たのだろうとわかった。
「レイフォードは、妻に会った後、怯えなかっただろうか?」
「大丈夫そうだったわ。やっぱり帰り際にお会いしたのは奥様だったのね。」
「ああ。……妻とは離婚することになるだろう。」
「え……?離婚?どうして?」
「彼女は私の妻でいる条件を破ったんだ。」
「条件って?」
リゼルはエドモンドから、レイフォードのことを実子と言わず養子とした経緯を聞いた。
「……つまり、初めにレイフォードのことを奥様に話した時は、妊娠可能な奥様を気遣って、というか、正直に話すと怒り出して私にまで八つ当たりしそうな感じだから、ひとまず養子ってことにしたのね。
でも、その後、奥様は妊娠できない体になってしまった。そして、そのまま結婚を続けるための条件の一つに養子になるレイフォードを疎ましく思わない、関わりは最小限という条件を付けたということね。」
「ああ。父がレイフォードに会うのが初めての日だったし、妻と会わせるのはもっと先にしようと思っていたんだ。体調も悪かったし部屋で寝ているものだと思っていたんだが、油断した。」
養子になるのがどんな子か興味がわいたのか、こっそり覗きに来たらエドモンドそっくりの子供だったので驚いたということだろう。
でも、それで離婚するのはどうなの?
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