お見合いパーティーとは結婚したい人が参加するものでは?

しゃーりん

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16.

 
 
男女各15名ずつのお見合いパーティーは毎月開催された。

お見合いは名ばかりで、交流の場として今までとは違う友人や恋人探しに来る人も多く、毎回、カップルが成立している。
カップルになった人はリストから外れることになるため、徐々にリストの人数は減っていた。
 
お見合いは5分×15人、その後、少しフリータイムを設け、相手を決めてもらう形になっている。

アンリエッタはそのフリータイムで一人の女性を見ていた。


「どうした?」


ゼクランがアンリエッタに聞いてきた。


「あの女性とその少し離れたところにいる男性、お互いを意識しているのに毎回フリータイムであの距離なんですよね。」

「そうなのか?」

「はい。一度目と三度目に男性が女性の番号を書いていましたが女性は白紙、二度目と四度目に女性が男性の番号を書いていましたが男性は白紙、今回で五度目なんですけど。」
 

お互いに意識しているのに毎回ずれているといった感じでもどかしい。


「なるほど。……ちょっと煽るか。」

「え……?」


ゼクランが見回りのように彼らの元に向かうので、アンリエッタもついて行った。

ゼクランはこっそりと彼らの後方に立ち、アンリエッタに話しかけた。

 
「実は、このお見合いパーティーもそろそろ開催を止めようという話が上がっているんだ。」

「そうなんですか!?」


アンリエッタは素で驚いた。
そんな話は聞いていなかったから。

 
「一年近くが経って、成立したカップルも多いだろう?」

「そうですね。」

「終わる前に、何度も参加している者同士を強引にカップルにしてしまおうという試みもあるんだ。」

「強引に?」

「例えば、今回なら五度以上参加している者が男女各3名ずついる。彼らが今回カップルにならなければ、そうだな、残ってもらった後、くじ引きでもしてデートの相手を決めてもらうのはどうだ?」
 

本気で言ってるの?
アンリエッタが困惑していると、斜め左前にいた男性と斜め右前にいた女性がこちらを向いた。 


「あの、それって僕も対象ですよね?」

「私も……」


彼らにもちゃんと聞こえていたらしい。


「あぁ、失礼。聞こえてしまいましたか。そうですね。あなた方も対象になります。後は、あちらの男性と女性、向こうの男性と女性ですね。」 


あの四人は少しクセの強い方々だとアンリエッタは思っていた。

前の二人もそう思ったのか顔を引きつらせた後、二人は向き合って真剣な顔をしていた。


「あの、僕とカップルになりませんか?」

「はい!あなたともっと話したいと思っていました。」 
 

どうやら今回は無事にカップルになりそうだとアンリエッタはホッとした。

まさか、ゼクランがこんなお節介な茶番をするなんて驚いたわ。 
 

 

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