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しおりを挟むフェリシアはカーテシーをして声がかかるのを待つ。
「失礼するわ。あぁ。顔をあげて。私が王妃のアンバーよ。」
「フェリシアと申します。わざわざこちらまでお越しいただきありがとうございます。
よろしくお願いいたします。」
アンバーはフェリシアを上から下まで見た後、顔をじっくり観察した。
「聞いていた以上に美人だわ~!あ、座りましょ。あなたに言いたいことがたくさんあるの。」
向かい合ってソファに座り、フェリシアの侍女サナが紅茶を用意した。
「この部屋の内装どう思う?」
「とても気に入りました。
派手なのはあまり好みではないので、こういった落ち着きのある空間が好きです。」
「よかった。好みに合って。
あなたの髪色や瞳の色、服装や今までの部屋の好みを調べさせて、私が指示した内装なの。」
「まぁ。王妃様が?とても嬉しいです。」
「公の場以外は王妃様ではなく名前で呼んで。堅苦しいのは好きじゃないのよ。」
「かしこまりました。アンバー様。」
「陛下から一週間後の話は聞いたかしら?」
「はい。先程、ご説明いただきました。
ただ、側妃にそこまでしていただいてもよいのかと…」
「あぁ。それは私が陛下にお願いしたのよ。
だって話をしたこともないって聞いて。
知らない男と会ったその日に初夜って嫌でしょ?
昼食会もご家族が少しでも安心できるのではないかしらと思って。
側妃に望まれて光栄だって思う家柄じゃなさそうよね。野心がなくて安心よ。」
フェリシアはアンバーの心遣いに涙が出そうなくらい嬉しかった。
「ありがとうございます。アンバー様。」
「いいのよ。私の方にもいろいろと事情があるのよ。
その辺りのことは、またゆっくりと話をしていくわね。
あなたには側妃として、いろいろ手伝ってもらうわ。
もちろん、あなたの一番の仕事は子供を産むこと。
だけど、その他にも妃の一人として公にも出てもらう。
近隣諸国などの外交や接待は主に私が王妃として対応する。
あなたは国内での必ずしも王妃である必要がない行事などをお願いするわ。
でもそれはまだ先の話よ。
ひとまず、王妃・王太子妃教育を一年間、受けてもらうわ。
それからになるわね。
いろいろ言ったけど、一週間後に結婚して初夜がある。
できれば、陛下を愛してほしいわ。もちろん、陛下もあなたを愛してほしい。
私のことは全く気にしなくていいのよ。
私は陛下と閨を共にしないわ。あなたの独り占め。安心して。
私は王妃という職に就いている。そう思ってくれたらいいわ。
このことは、このフロアにいる侍女や侍従、護衛の限られた者だけが知ってる。
ここ以外では、私がお飾り王妃ってことは内緒よ?」
びっくりして言葉が出てこない。そんなフェリシアを見て、
「陛下が陛下を辞めるまで、子供が成長して次の国王になるまでは私は王妃、あなたは側妃。
最短でもあと20年くらいはありそうだけど、友人か姉妹みたいに思って仲良くしましょう!」
「はい。よろしくお願いします。」
フェリシアはガチガチの緊張がようやく解け、笑顔で応えることができた。
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