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しおりを挟むルーセントが生後半年を過ぎ、王都に連れて行くことになった。
小さな赤子が一人増えただけなのに、こんなに荷物と同行者が増えるとは思いもせず、フェルナンドは次回からは宿を貸切にすべきかと思った。
ルーセントは大声で泣く。主張が激しい。
お腹が空いたのか、粗相したのか、抱いてほしいのか、眠たいのか、構ってほしいのか。
しかし、目的が達成されるとすぐにご機嫌になるので楽なのだそうだ。
母に言わせると、フェルナンドも同様だったとか。
ミュリエル自身はあまり大声で泣かない子だったと聞いているらしく、やはりルーセントは顔だけでなく気質までフェルナンドに似ているようだ。
途中一泊し王都についた時、意外にも早く感じた。
ミュリエルとルーセントが一緒なら、時間は早く過ぎるらしい。寝顔も見飽きないほどに。
「おじちゃま、あかちゃん、みせて?」
今日は体調がいいらしいルフィーアが玄関で待ち伏せていた。
「まあ、ルフィーア。ご挨拶が先でしょう?ごめんなさいね、この子ったら待ち遠しくて。」
「構いませんよ。僕たちは着替えてきますので、ルーセントをお願いできますか?」
フェルナンドがそう言うと、ミュリエルはルーセントを義姉アグネスの手に渡した。
「ルフィーアちゃん、この子はルーセントというの。仲良くしてあげてね。」
「うん!」
ルフィーアはもっと近くでルーセントを見たいようで、早く部屋に入ろうと急かしていた。
「興奮してるな。」
「ええ。楽しみにしてくれていたのね。」
前よりも遥かに元気そうなルフィーアの姿を見ることができて、嬉しかった。
今後、二、三か月に一度、ルーセントを連れて王都に来ることになった。
ルフィーアはたとえ一泊という距離でも、まだ領地へ向かうほどの体力はない。
そのため、ルーセントに会いたいと言われれば、連れて向かった。
そして、ルーセントが1歳半のとき、ミュリエルが妊娠した。
馬車の旅は妊婦の体によくないため、ミュリエルは一緒に王都に行けなくなった。
そうなるとフェルナンドとルーセントで王都に向かうことになる。
もちろん、護衛や侍従、侍女や乳母も一緒だが。
しかし、ミュリエルという母親の存在が一緒ではないことに、ルーセントの機嫌は最悪だった。
いつもの何倍も疲れた。
ミュリエルが一緒ではなくて寂しいのはフェルナンドもだった。
それでもルーセントは王都の屋敷で両親や兄夫婦、ルフィーアに構ってもらえばご機嫌になった。
子供とはわずか1歳半でも順応力があるものだと感心した。
フェルナンドとミュリエルの二人目の子供は女の子だった。
髪色と目の色はフェルナンドで、顔はミュリエルに似ている、とても可愛い子。
名前はレイチェル。
2歳を過ぎたルーセントは言葉数も増え、賑やかな家族となった。
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