結婚後、訳もわからないまま閉じ込められていました。

しゃーりん

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ハリエットは、姉のアイリスに機会があれば聞こうと思っていたことを思い出した。


「コンラッド様の妻はお姉様お一人になったそうだけど、そうなるように何か仕向けたの?」 


コンラッドはアイリスの夫で、ベック侯爵家の跡継ぎ。ハリエットの義兄である。

第二夫人だったアイリスが、第一夫人だったフェリーチェに何かして追い出したのかと聞いてみた。


「私は確かに何もしなかったわけじゃないわ。でもね、フェリーチェ様が離縁される前提で私はコンラッド様に嫁ぐことになっていたそうなの。お父様からは秘密にされていたけれど。」
 
 
コンラッドは妻フェリーチェとの間に四年が過ぎても子供がいなかった。
第二夫人の話はそれまでにもあったが、立ち消えていた。

恋愛結婚で、結婚当初は仲睦まじい夫婦として有名だったことは間違いない。
しかし、月日が経つにつれ、フェリーチェは何もしない女だとわかった。

ベック侯爵家のためにフェリーチェは何もしない。
自分を着飾って明るく笑顔を振りまくだけの女。しかも礼儀作法はイマイチ。

コンラッドの負担も増え、口喧嘩が増えていった。

お茶会でも、馬鹿丸出しのフェリーチェの言動が苦笑の的となり、ベック侯爵夫人は我慢できなくなった。


「コンラッド、子供がいないことを理由に早く別れなさい。」


コンラッドも、領地領民のために何もしようとしないフェリーチェに彼らが汗水流して働いた金が使われている現状に違和感しかなく、離縁を切り出したが彼女は拒否した。

だから、第二夫人を娶ることは彼女が反対でも強行することになった。

その相手が、アイリスである。卒業後、嫁ぐことになった。
アイリスは次期伯爵としての教育を受けており、着飾って満足するだけの女ではない。
そのことが一番、ベック侯爵家にとって魅力的だった。 

よほど、フェリーチェに嫌気がさしていたらしい。

アイリスはコンラッドとの初夜の後、その話を聞かされたのだという。


「もちろん、まずは子作りが当面の仕事だと思ってくれ。」


コンラッドはそうアイリスに言ったが、アイリスはなるべく早く自分が唯一の妻になれるよう、侯爵夫妻や使用人たちを味方につけたという。

ほどなくして妊娠したアイリスはフェリーチェと顔を合わすことがないよう、配慮された。
コンラッドはアイリスを守るように、毎夜アイリスと共に眠った。

そうして月日は経ち、アイリスは男の子を出産した。

ベック侯爵家は笑顔に溢れた。
面白くないのはフェリーチェだけ。

悔しがったフェリーチェが何度誘っても、コンラッドは彼女と閨を共にすることはもうなかった。 

 
 
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