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しおりを挟むエスメラルダの13歳の誕生日には多くの人が訪れていた。
お祝いの言葉を言われ、プレゼントを受け取り、お礼を言い、忙しく過ごしていた。
招待客の挨拶が済み、一息ついた頃、エスメラルダの姿がないことに気づいた。
公爵夫人は使用人に聞いた。
「エスメラルダはどこに行ったのかしら?」
「テラスでご友人方と歓談されておりました。」
「そう。ならいいわ。」
時折、姿を見せては姿が見えなくなったが、気にしなかった。
まだまだ子供。ジッと挨拶ばかりするよりも友人たちとのおしゃべりが楽しい頃なのだ。
しかし、そろそろパーティーも終わりという頃にエスメラルダの姿は見つけられなかった。
テラスや広い庭園、友人たちともおらず、侍女がエスメラルダの部屋を探しに行くと寝ていたという。
「お疲れなのか、起きる様子がないのです。」
「まぁ。仕方がないわね。」
パーティーは本人不在でお開きとなった。
エスメラルダは朝まで眠り続けたのだ。
翌朝目覚めたエスメラルダは、自分がいつ部屋に戻ったのか覚えていなかった。
「ごめんなさい、お父様、お母様。」
「探し回ったのよ?疲れて部屋に戻るなら誰かに伝えてくれないと。」
「はい。でも誰が連れて行ってくれたのかしら?」
「覚えていないのか?ひょっとして間違って酒を飲んだのかもしれないな。」
公爵の言葉に、その可能性が高そうだということになった。
13歳で飲酒は少し早い。
全く酒を飲んだことがなかったエスメラルダは、酔ってしまったのではないかと笑われた。
部屋に戻ったエスメラルダは、侍女に『下腹部が痛いので月のものになるかもしれない』と言った。
だが少し前に終わったばかり。
少しの出血で終わり、パーティーの緊張からくる不正出血だろうと思われた。
あの誕生日パーティーでは、専属侍女もエスメラルダから離れて違う仕事をしていた。
パーティー会場にいなかったのだ。
「……お酒を飲んでしまって、部屋に戻って眠ったのかと思っていたけれど違うかもしれないわ。
エスメラルダは朝まで眠り続けた。あなたが起こそうとしても起きなかったのよね?
眠り薬を盛られたのかもしれないわ。あの子を部屋に連れて行ったのは誰?パーティーに来ていた人が多すぎてわからないわ。」
公爵夫人は、エスメラルダが眠っている時に襲われたのかもしれないと思い始めていた。
「奥様、お嬢様が眠ってしまう前に最後に会ったのは誰か確認してみます。」
「ええ。それと……医師に連絡を。」
「かしこまりました。」
専属侍女はエスメラルダに誕生日パーティーのことを最初から思い出しながら聞き出した。
「お祝いを受け取って挨拶を終えた後は、テラスで友人たちと食事しながら話をして、伯父様に呼ばれて挨拶に行って、従兄たちとも話をして、ラルゴ殿下と一緒にラルゴ殿下の友人にも挨拶して、それから……どうだったかしら。あ、庭園の東屋に向かったけど……その辺りから覚えていないわ。」
「お嬢様がいっしょにおられたのは、ラルゴ殿下?」
「ええ。プレゼントをいただいたの。ほら、あの髪飾りを。」
確かに翌朝、テーブルに置かれた髪飾りはラルゴ殿下からのプレゼントだとエスメラルダは言っていた。
その後、医師の診察によってエスメラルダの妊娠は確実なものとなった。
本人にはまだ伝えず、そのとき聞いたのは公爵夫妻とエスメラルダの専属侍女だけだった。
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