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しおりを挟むフィリーナは公爵家の侍女であったためか、マナーは完璧だった。
頭も要領もいいらしく、母はとても気に入っている。
セラフィーネも母と気が合うのか、週に何度か三人でお茶を飲んだりするそうだ。
部屋にいるばかりではないことはよかったが、俺には会いに来ない…一応、夫だよな?
フィリーナは毎日一度はセラフィーネの部屋に顔を出しているそうだ。報告か?
フィリーナは…閨事に関しても要領がいいというか覚えがいいというか上達が早い?
誘うと必ず応じてくれる。
そして、感度がいいのか体の相性もいいのか、彼女の喘ぎ声と体の虜になりそうだった。
フィリーナとの閨の目的を忘れそうになっていたある日、彼女の妊娠が発覚した。
「フィーちゃん、おめでとう!嬉しいわ。どっちかしらね?あぁ楽しみだわ!」
母が一番興奮していた。母は俺一人しか産めなかったことが父に申し訳ないと思っているようだが、父は別に養子をとっても構わないと思うほど母一筋だ。少し羨ましい。
なんせ、俺の妻①は数回しかあっていないし、妻②は…まるで専属閨担当?と思ってしまう。
ああ、俺が父親になるのか。そうだよな。孕ませるために抱いていたんだよな。
毎晩飽きることなくたっぷり注ぎ込んでるんだから、いつ孕んでもおかしくなかったんだ。
でも、喜んでいるはずなのに全面的に喜んでいない。
…母の一言でその理由に気づいてしまった。
「クロード、あなた拗ねてるの?フィーちゃんをとられるって思ってるのね。」
…ああ、そうか。あの体は俺だけのものだと思ってたんだ。バカだな。
「別に拗ねてないよ。母上は女の子が欲しかったんだったかなって考えてたんだ。」
「そうね。でも今はフィーちゃんもセラさんもいるから、どちらでも嬉しいわ。」
二人の妻が母を明るく元気にしているようだ。女同士のおしゃべりって大事なんだな。
「クロード様、安定期までは閨事は禁止だそうです。別の部屋で寝ましょうか?」
フィリーナはセラフィーネとして医師の診察を受けた。
セラフィーネの子となるから。
フィリーナの腹にいるのに…これでいいのか?国王と王弟が決めたことに意見もできない。
別人が産んだと知れたら、愛人が産んだことになってセラフィーネにも公爵家にも傷がつくか。
「クロード様?」
え?ああ、別の部屋?いやいや。
「ここで一緒に寝たらいい。フィーがいるとよく眠れるんだ。」
これは事実だ。フィリーナを抱いてスッキリして眠れるのもあるが、抱かない日でも温もりと匂いに安心する。
「おいで。」
後ろから抱きこみ、腹を撫でてみる。…ここにいるのか。
「クロード様は、やはり男の子がいいですか?」
「んー。どちらでもいいかなぁ。もし女の子で一人っ子になった場合、うちを継ぐだろ?
そうしたら嫁に出さず、ずっとここにいるのもいいなぁと。
友人たちがうるさいんだよ。娘は嫁に出さんって。そんなに可愛いんだなぁって。
フィーは兄弟は?っあ、ごめん。詮索じゃない。つい。」
「わかってます。聞きたくなりますよね。」
「…いつか話してくれるか?」
「そうですね。時期が来たら…」
時期か。それはいつなんだ?
「願いごとは?私に協力できることがあれば手助けするぞ?」
「それも…時期が来るまでは叶わないかな…」
また時期か。前に5年が目安とか言ってたな。関係あるか?
今、フィリーナは16歳。5年後は21歳。…さっぱりわからん。
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