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しおりを挟むフィリーナが妊娠中はセラフィーネはもちろん外出できない。…する気もないだろうが。
夫婦揃っての社交もしなくていいわけだ。というかまだしてもいない。
『王弟公爵の令嬢は社交をしない・茶会にも出ない』
いるはずの令嬢は忘れ去られた令嬢になりつつあったが、俺と結婚したことで社交界の話題に上がった。
実在が疑われた噂もあったくらいだ。実際、セラフィーネの顔を知る者は少ない。
『公爵夫人になっても社交をしない・茶会にも出ない』
社交界では、そうだろうなって思われているらしい。…それで正解だ。
安定期に入った。閨事の許可も出た。
奥をガンガン突くな?…まぁ、そうだろうな。
中に出すな?…わかったよ。
過ぎる快感を与えすぎるな?…フィリーナは感度がいいからなぁ。達する前に止めるか?
初夜よりも様子を伺いながら抱くことになったが、ゆっくりとじっくりと抱き合えた気がした。
その後も中に入れることもあれば、フィリーナの胸や股、手や口を使って出すことも増えた。
…正直、こんなに性欲は強くはなかったはずなのに。
順調に育ち、産み月に入った。
ゆったりとした部屋着を着ているから、大きさもよくわかる。
たまに形が変わるほど子が動くのがわかる。
「…それ、痛くないのか?」
「手か足を伸ばしたのかしら?少し痛い時もあるけど大丈夫。元気な子ね。もうすぐ会えるわ。」
少し破水し陣痛がきたらしい。
間隔が長い間は普通に過ごしていたが、短くなって部屋を追い出された。
まだ時間がかかると言われフィリーナの私室とも違う部屋なので、ひとまず自分の部屋に戻ろうとした時、父に会った。
「そろそろらしいな。どっちが産まれるか楽しみだ。」
「ええ。…父上、お聞きしたいことがあります。」
「わかった。」
クロードの私室へ行き話をすることにした。
「父上、フィリーナの素性はご存知なのですか?」
「いいや?聞いてない。」
「セラフィーネが何故あまり人と関わらない生活をしているのかは?」
「いいや。聞いていない。だが、推測はしている。」
「心当たりが?」
「…他言無用だ。セラフィーネの母親は11年前に亡くなった。彼女が8歳の時だな。
事故だと公表されているが、密かな噂があがった。…夫人は拉致されたと。
すぐに、王弟の夫人の不名誉な噂話をすると侮辱罪に問われると噂が回り誰も口にしなくなった。
一部の者しか知らないし、事実かもわからない。
しかし、子供が一緒だったという話もあった。
もし、夫人とセラフィーネが一緒に拉致されていたとすれば?
そこで何があったかはわからない。
だが、夫人は亡くなり、セラフィーネは部屋に閉じこもって過ごしてきた。これは事実だ。」
「国王と王弟がセラフィーネを結婚させたのは、何故なんだと思いますか?」
「娘の将来を案じたか、身体を穢されてはいないと知らしめるためか。
近隣国からの縁談の打診もあっただろう。国王の姪だからな。
身分を考えると欲しがる国があってもおかしくない。
暴力や過度の我儘なら対応に困るが、引きこもりくらいなら問題にしないだろう。
…お前の婚約破棄もこの結婚に繋がっているかもしれない。」
「…は?まさか、あの女の不貞が仕組まれたと?」
「不貞が発覚するように仕組んだのではないかということだ。
あの女はその時が初めてではなかった。それは調べがついている。
王弟がセラフィーネの婚姻に相応しい相手を探していたとすれば?
あの女の不貞を知り、お前が婚約破棄すればセラフィーネの婚約者にできる。
婚約破棄からセラフィーネとの婚約の打診が早かっただろう?」
…なるほど。
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