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しおりを挟む母から話を聞いた俺と父上は、誰から聞き出すべきであるかを考えた。
フィリーナ、セラフィーネ、ショコルテ公爵。知っているのはこの三人か。
いや、セラフィーネの兄フランツも知ってるか?
おそらく、詮索してはいけなかった内容。
誰かから聞き出す前に父上が知っている情報を教えてくれた。
「カシュー伯爵は8年か9年ほど前だと思うが、前伯爵が夫人と共に事故で亡くなった。
現伯爵は弟だったはずだ。姪と言ったということはフィリーナは前伯爵の娘か?
アリシアという子もそうか?」
「そういうことになるかもしれませんね。母上は前伯爵の子供に覚えはないですか?」
「今、聞いて思い出したのだけど、前伯爵夫人は結婚後、実家から絶縁されたのではなかったかしら?
あ…亡くなったショコルテ公爵夫人の妹さん?」
「え?じゃあ、フィリーナとセラフィーネは従姉妹か?」
二人が似ている理由はそういうことか。
「現伯爵が養育するはずの兄の子が逃げた。それをショコルテ公爵が匿ったということか?」
「逃げる理由はあったが証拠がなかったか?伯爵家に戻されるのを嫌がった?
フィーが10歳か11歳頃か。11歳にはショコルテ公爵家にいたと思われるから時期は合う。」
「どうして11歳にはいたとわかるの?」
母に、前に父と話したセラフィーネとの婚約から結婚の話をした。
フィリーナが16歳になるのを待つからセラフィーネが18歳で結婚することに決まったと。
「13歳のセラさんの側に11歳のフィーちゃんがいたから結婚が5年後になったということね。」
「今、フィーはどういう状況にあるんだ?失踪人扱いか?」
「11歳で失踪したとしたら5年後の16歳には死亡届が出せる。
フィリーナのカシュー伯爵家相続権は現伯爵に移ってるか。
18歳までは相続できないからな。現伯爵はそれまでの養育者になるはずだった。」
「フィーは19歳になったぞ?なのになんで名乗り出なかったんだ?」
「わからん。今の話はほとんどが推測だ。」
その時、扉がノックされてセラフィーネからの伝言が侍女から伝えられた。
「フィリーナは本日はセラフィーネ様の部屋でお休みになります。
ショコルテ公爵様が明日お見えになります。」
…フィリーナに避けられた。そりゃそうか。聞きたがる男が側にいたら逃げるよな。
そして、その夜は普段は静かなアラモンド公爵邸の周りには人影が見えた。
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