終わっていた恋、始まっていた愛

しゃーりん

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ソフィアナとルキウスが夫婦の寝室を使うようになったことで、陰で心配していた使用人たちがホッとしたということを知った。

結婚前は仲睦まじかった二人が結婚・妊娠をきっかけに距離が空いた。
傷心のところを慰められて愛が芽生えたと思っていたが、勘違いだったと気づいたのだろうか。
そんな声もあった。

ライリーを出産後、また少しずつ距離が縮まり、使用人の前でもイチャイチャし出したが、まだベッドは別々だった。

一体、どういうことなのか。

やはり実情は政略結婚のようなもので、ライリーがいるのでもうベッドは共にする必要がなくなったからなのか。

事情を知らない使用人たちは、二人が長い喧嘩中の可能性もあるとか、婚約時代をやり直しているのだとか、やはり入籍前の妊娠が事実で侯爵から罰を与えらえていたのだとか、いろいろ想像していたという。

それがようやく夫婦の寝室を使うことになった。

ライリーに弟妹ができるかもしれない。そんな声まで聞こえてきた。


「ソフィはどう?ライリーの弟妹を産む気はある?」

「そうね。授かったら嬉しいわ。ルキウス様は?」

「僕も欲しいかな。ライリーも欲しいよな。」


よくわからないのにライリーは笑顔で頷いていて笑ってしまった。

両親も、記憶を思い出したソフィアナとルキウスの幸せそうな姿を、とても喜んでくれた。







次に参加した夜会は、まだディオン殿下の帰国前だった。

しかし、ディオン殿下が帰国することが噂になっているため、またまた噂話をする男性たちの近くに立ってしまったのだが。


「ディオン殿下、デビューしたばかりの令嬢に手を出さないだろうな。」

「大丈夫じゃないか?変わってなければ高級娼婦か未亡人しか相手にしないだろ。」

「でもさぁ、前は婿入りの予定だったから下手に令嬢に手を出すのはヤバいって慣れた女しか相手にしてなかったけど、向こうの国に帰るならヤリ逃げするんじゃないか?同意だったとか言って。」

「他国の王配の子供ができたなんて産んでもどうしようもないから産まないだろ。」

「なんで妊娠前提なんだよ。この前は種無しじゃないかって疑っていたのに。でも、あの顔に釣られてフラフラと寄ってきた令嬢を食いそうだな。」

「あぁ、王女を別の夫に取られて溜まってるかもな。ここで性欲発散させる可能性もあるよな。」
 
「会わせないように気をつけないとな。人妻でも食いそうだ。
しかも殿下、社交界では品行方正だと思われているからなぁ。前も婚約者に一途だと思われていながら、毎晩のように娼婦や未亡人を呼び出していたのにな。そんなこと誰も知らねぇし。」

「猫被りで外面がいい。本性は腹黒で野心家で女好き。なぁ、俺達って弱み握ってないか?」

「知ってるだけで証拠がないから弱みにもならないな。独身時代の遊びは時効だって鼻で笑われるぞ。」

「……だな。っていうかさぁ、俺、前から気になってたんだけど、殿下の元婚約者の子供って旦那の子供なのか?結婚が急だったから、まさか殿下の子供ってことないよな?」

「今、2歳ちょっとくらいか?……まさかあり得るのか?」

「あぁ、それは違う違う。嫁は絶対違うって言ってた。妊娠月齢と産まれ月から言って、絶対にあり得ないらしい。それは間違いないって。」

「そっか。なら良かった。あんな鬼畜の子供を産んでいたら可哀想だと思って。」

「お前、鬼畜って。ひょっとして何か恨みでもあったのか?」

「いやぁ、恨みじゃないけど。何も知らない令嬢側からしてみれば、知らないのが幸せなのかどうかってな。仮面パーティーの乱交とか、借金のある平民女性の純潔強姦ショーとか、何が楽しいんだか。」

「……お前、誘われたのか?」

「知らずに行って、途中で帰った。」


会話の内容が最悪だった。

  






 

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