13 / 16
13.
しおりを挟む王太子殿下は奥でイクことを覚えた私の体を責め立てることが楽しいようだ。
「ああ……あ…あ…もうダメ…またイクっ!」
ビクビクして快感を得た私を殿下は嬉しそうに見つめるのが日常。
閨事って男性が楽しむものだと思っていたのに。
女性の体にこんなに気持ちいい場所がいろいろあるなんて知らなかった。
指南書にも女性の感度がいい場所がいくつか書いてあったけど、これって女性も読んでおく方がいいんじゃないの?
じゃないと、何が起こってるのか戸惑ってしまうわ。
……男性はそれが見たいのかもしれないけど。
体位もいろいろ試した。一度でやめてしまったものも多いけど女性が動く体位もあって驚いた。
私たちが好む体位は向き合って座る体位かな。
距離が近くて、思わず自分からもキスしたり動いたりしてしまうから。
今日もそう。
上を向いて先端から汁を出している殿下のモノを握って、少しずつ腰を落としていく。
私が自分で入れるところが、自分から求めてくれているのだと嬉しくなるそうだ。
奥近くまで入ると、殿下の首に手を回してキスが始まる。
舌を絡めて夢中になっていると、殿下が下から突き上げてくる。
やがて二人で動きを合わせて快感を高めていく。
「ルーチェ、あぁ、気持ちいいよ。」
「ん…ん…私も。」
もう、ドロドロでグチョグチョで結合部分からは恥ずかしい音がしている。
それでも動きを止められない。
すっかり閨事に嵌まってしまった自分に驚きもあるけれど、求められる幸せもあった。
たとえ、それが公に認められない形であったとしても。
やがて、私をベッドに押し倒して、激しく中を突かれて、二人で果てた。
ある日、またまた予期せぬ来客があった。
「久しぶりね。ルーチェ様。」
「ハイネ妃殿下。ご無沙汰しております。」
「妃殿下はやめて。昔みたいに呼んで?」
「はい。ハイネ様。」
「ここに来てくれてありがとう。あなたのお陰で殿下が毎日ご機嫌だそうよ?」
「え?そうなのですか?」
「時々ボーっと無気力に外を見ることが無くなったって聞いたわ。
外を見てもあなたが見えるわけでもないのにね。」
別に私を探そうとしていたわけではないでしょうけど。
「3年越しのあなたと毎日会えることで仕事が捗るそうよ。」
「……なぜ私なのかが謎ですけれども。」
「多分、一目惚れなのよ。10歳の頃にあった子供向けのパーティーがキッカケね。」
「10歳ですか?」
「ええ。本人は気持ちに鈍かったけれど。
だから、いなくならないでね?この国の未来のためにも。」
重い……重すぎる。
「というのは少し冗談でほとんど本気だけれども、別のお話もあるの。
ルーチェ様、刺繍・裁縫・翻訳・手紙の清書の中でならどれがお得意?」
冗談は少しなのね……
「その中でしたら、刺繍と裁縫でしょうか?」
「よかった。慈善事業のお手伝いをしてくださる?」
どうやら子供用のハンカチや袋に名前の頭文字を刺繍するのが喜ばれるそうだ。
自分の物ってわかるからかしら?
綺麗でオシャレなハンカチなんて、平民はもったいなくて使えないしね。
貴族に購入してもらう凝った物は専属の職人さんが頑張っているらしい。
あとは産着やオムツ、簡単な子供服。
孤児院や教会に無償で配られるもの。
生地と道具を準備するので、よろしくね。とハイネ様は帰っていかれた。
……そりゃ、暇なのは見透かされているよね。部屋で軟禁に近いものね。
有難く、お仕事させていただきます。
282
あなたにおすすめの小説
売られた先は潔癖侯爵とその弟でした
しゃーりん
恋愛
貧乏伯爵令嬢ルビーナの元に縁談が来た。
潔癖で有名な25歳の侯爵である。
多額の援助と引き換えに嫁ぐことになった。
お飾りの嫁になる覚悟のもと、嫁いだ先でのありえない生活に流されて順応するお話です。
誤解されて1年間妻と会うことを禁止された。
しゃーりん
恋愛
3か月前、ようやく愛する人アイリーンと結婚できたジョルジュ。
幸せ真っただ中だったが、ある理由により友人に唆されて高級娼館に行くことになる。
その現場を妻アイリーンに見られていることを知らずに。
実家に帰ったまま戻ってこない妻を迎えに行くと、会わせてもらえない。
やがて、娼館に行ったことがアイリーンにバレていることを知った。
妻の家族には娼館に行った経緯と理由を纏めてこいと言われ、それを見てアイリーンがどう判断するかは1年後に決まると言われた。つまり1年間会えないということ。
絶望しながらも思い出しながら経緯を書き記すと疑問点が浮かぶ。
なんでこんなことになったのかと原因を調べていくうちに自分たち夫婦に対する嫌がらせと離婚させることが目的だったとわかるお話です。
【完結】初恋の彼に 身代わりの妻に選ばれました
ユユ
恋愛
婚姻4年。夫が他界した。
夫は婚約前から病弱だった。
王妃様は、愛する息子である第三王子の婚約者に
私を指名した。
本当は私にはお慕いする人がいた。
だけど平凡な子爵家の令嬢の私にとって
彼は高嶺の花。
しかも王家からの打診を断る自由などなかった。
実家に戻ると、高嶺の花の彼の妻にと縁談が…。
* 作り話です。
* 完結保証つき。
* R18
真面目な王子様と私の話
谷絵 ちぐり
恋愛
婚約者として王子と顔合わせをした時に自分が小説の世界に転生したと気づいたエレーナ。
小説の中での自分の役どころは、婚約解消されてしまう台詞がたった一言の令嬢だった。
真面目で堅物と評される王子に小説通り婚約解消されることを信じて可もなく不可もなくな関係をエレーナは築こうとするが…。
※Rシーンはあっさりです。
※別サイトにも掲載しています。
大人になったオフェーリア。
ぽんぽこ狸
恋愛
婚約者のジラルドのそばには王女であるベアトリーチェがおり、彼女は慈愛に満ちた表情で下腹部を撫でている。
生まれてくる子供の為にも婚約解消をとオフェーリアは言われるが、納得がいかない。
けれどもそれどころではないだろう、こうなってしまった以上は、婚約解消はやむなしだ。
それ以上に重要なことは、ジラルドの実家であるレピード公爵家とオフェーリアの実家はたくさんの共同事業を行っていて、今それがおじゃんになれば、オフェーリアには補えないほどの損失を生むことになる。
その点についてすぐに確認すると、そういう所がジラルドに見離される原因になったのだとベアトリーチェは怒鳴りだしてオフェーリアに掴みかかってきた。
その尋常では無い様子に泣き寝入りすることになったオフェーリアだったが、父と母が設定したお見合いで彼女の騎士をしていたヴァレントと出会い、とある復讐の方法を思いついたのだった。
【4話完結】 君を愛することはないと、こっちから言ってみた
紬あおい
恋愛
皇女にべったりな護衛騎士の夫。
流行りの「君を愛することはない」と先に言ってやった。
ザマアミロ!はあ、スッキリした。
と思っていたら、夫が溺愛されたがってる…何で!?
唯一の味方だった婚約者に裏切られ失意の底で顔も知らぬ相手に身を任せた結果溺愛されました
ララ
恋愛
侯爵家の嫡女として生まれた私は恵まれていた。優しい両親や信頼できる使用人、領民たちに囲まれて。
けれどその幸せは唐突に終わる。
両親が死んでから何もかもが変わってしまった。
叔父を名乗る家族に騙され、奪われた。
今では使用人以下の生活を強いられている。そんな中で唯一の味方だった婚約者にまで裏切られる。
どうして?ーーどうしてこんなことに‥‥??
もう嫌ーー
代理で子を産む彼女の願いごと
しゃーりん
恋愛
クロードの婚約者は公爵令嬢セラフィーネである。
この結婚は王命のようなものであったが、なかなかセラフィーネと会う機会がないまま結婚した。
初夜、彼女のことを知りたいと会話を試みるが欲望に負けてしまう。
翌朝知った事実は取り返しがつかず、クロードの頭を悩ませるがもう遅い。
クロードが抱いたのは妻のセラフィーネではなくフィリーナという女性だった。
フィリーナは自分の願いごとを叶えるために代理で子を産むことになったそうだ。
願いごとが叶う時期を待つフィリーナとその願いごとが知りたいクロードのお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる