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レティシアは妹ルチアが亡くなったことは悲しかったが、一年以上も距離を置いていたこともあり、意外と冷静な自分を冷たい姉だと自嘲した。
心のどこかで、ルチアのせいで自分の人生が台無しになったと思っていたから。
でも本当はそうではないとわかっている。
リオンに渡された薬を飲んだのはレティシア自身。
確かに、子種を絶ったリオンにレティシアができる償いとして、彼の望むことをするべきだと思った。
しかし、冷静に考えてみると、自分がそこまでしなければならない理由がわからなかった。
完全に早まったと後悔したのは、ジョエル様がとても愛してくれるから。
ジョエル様の子を産みたいのに、産めない。
産めたであろう体を傷つけたのは自分。
恨むのは、愚かな自分であるべきだから。
それなのに、原因を作ったルチアが亡くなったと、償いを強いたリオンが遠くに行ったことにホッとする。
顔を合わせずに済むということに。
醜い感情を見せずに済むということに。
ジョエル様に知られずに済むということに。
ジョエル様との結婚生活を、幸せに過ごしたいから。
もう、自分のことしか考えたくなかった。
「レティシア、ルチアのことは本当に残念だった。久しぶりに会う前にこんなことになってしまって。」
ジョエル様は、ちょうど侯爵位を継ぐ準備で忙しく、姉妹の再会を後伸ばしにさせてしまったことを後悔しているらしい。
しかし、それはジョエル様が悪いわけではない。
「いえ、ルチアの話が何だったのかはわかりませんが、ジョエル様はここに呼べばいいと言って下さったのに、姪のルネットに会うためにトレッド伯爵家を訪れたいと言ったのは私なのですから。」
トレッド伯爵家にはリオンがいる。
そのために、ジョエル様は自分も一緒に行くと言って下さり、それならば義両親が領地に向かった後にしようかという話になったので、ひと月後に約束をしたのだ。
なので、ジョエル様のせいではない。
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「……そうですね。ルネットも連れてだなんて。可愛がってくれているのでしょうか。」
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そんな気がする。
リオンは、トレッド伯爵領で待っているから離婚したら来いと言っているのだ。
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リオンのその考えにも辟易する。
レティシアは、リオンと再婚する気はないのだから。
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