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ミアーナが既にコーネル侯爵と結婚していることは、徐々に広まっていった。
ネヴィル殿下との婚約解消後すぐ、コーネル侯爵が求婚し、意気投合して先に入籍だけ済ませていたこと。
婚約解消から間もなかったため、時期を見て公表するつもりだったが、甥ブラッドが亡くなったことで喪に服すことになったこと。
跡継ぎが必要なこともあり、結婚式前に屋敷に迎え入れることになったのだと、コーネル侯爵は上手く情報操作をして広めたのだ。
そしてコーネル侯爵家の方も準備が整ったと連絡が入り、ミアーナは正式に嫁ぐことになった。
「お兄様、お義姉様、いろいろとお世話になりました。最後にご迷惑をおかけして申し訳ございませんでした。」
兄夫婦と母には、妊娠したことを隠すことにした。
あの四人に襲われたミアーナをコーネル侯爵が妻にと望んでくれたと伝えていた。
その後、あの四人が火事で亡くなったことになっているが、兄夫婦は彼らに処された罰の内容を知っている。
『当然の報いだ』
兄はそう言った。
ネヴィルが服毒により亡くなったことは不満だったようだが、局部を切断された後であったため、まだ許せるといったところのようだ。
国王陛下は先に服毒させたかっただろうけれど、アベル王太子殿下が止めたのかもしれない。
楽に死なせては被害者たちに申し訳ないと思ったのか、あるいは、苦しめようと思ったのか。
服役させる前に死なせたのは、やはり王族ということで顔を知られている可能性が高く、恥を晒させないためだったのかもしれない。
「あまり力になってやれなくて悪かったな。コーネル侯爵と幸せになってくれ。」
「ありがとうございます。お兄様がピアスを用意してくれたから乗り切ることができたのですから感謝しています。」
記録水晶のピアスがなければ、ミアーナは死んだことになっただけかもしれない。
美愛がミアーナに転生したのは、あの四人を野放しにさせないためだったのではないだろうか。
満足するSEXライフを望む美愛なら、おとなしく修道院に向かわずに戦うだろう、と。
「お母様、容姿端麗に生んでくださったことだけは感謝しております。お元気で。」
母との思い出はミアーナの中にはない。
なので、美愛としてはミアーナを美人で恵まれた体形に生んでくれたことを感謝するだけだ。
この顔と体でコーネル侯爵を捕まえるのだから。
「なっ!それが母親に対する挨拶だなんてっ!!失礼な子だわ!!!」
失礼で構わない。
今後も話しかけてきてほしくないのだから。
「お父様、味方になってくださって、ありがとうございました。嬉しかったです。」
「……ああ。幸せになれ。」
ミアーナは馬車に乗り込み、ロングストン公爵家を後にした。
「……ギルバート、あの子は誰だったのだろうな。」
「ミアーナの代わりに、彼らを罰するために遣わされたのかもしれませんね。」
この世界では、女神が魂を救い上げてくれることがある。
その魂が無くなった体に、別の魂が入り込むことがあるということも記録にある。
「ミアーナが新たな生を得て、今度は幸せになれるといいな。」
「ええ。」
彼らはミアーナが別人になっていることに気づいていたが、誰にも言うつもりはなかった。
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