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40.
王城で、王太子殿下の第二王子の誕生日パーティーがあり、それが侯爵夫人としての社交デビューとなった。
一歳になった王子殿下を祝った後は夜会と同じである。
ミアーナはフェルナンドと共に、目上への挨拶が済むと、今度は受ける側になっていた。
『ご結婚おめでとうございます。』
『ミアーナ様はより美しくなられて。』
『お幸せに。』
次から次にと表面上は祝福する声ばかりを聞いていた。
しかし、中には年齢差や婚前交渉を揶揄していると思われる者もいた。
その者たちは命知らずなのだろうか。
ミアーナが若いせいで勘違いしていそうだが、フェルナンドは侯爵であり、ミアーナは侯爵夫人である。
王族の誕生パーティーであるため、その場では軽く流したが、彼らはいずれ痛い目を見るに違いない。
ミアーナはこうした夜会などで楽しみにしていることがある。
それは、異世界あるあるである、令嬢あるいは夫人方の嫌味を聞いてみたいということ。
夫や婚約者が離れた隙に、現れる女性陣を待ってみたかった。
そのため、とある夜会でミアーナにべったりのフェルナンドに飲み物を取りに行かせて、一人でテラスに出てみたのだ。
すると、令嬢が二人やってきた。
「ミアーナ様、どんな気分ですか?ナンシーから奪ったコーネル侯爵夫人の座は。」
棘のある言葉でミアーナを非難してきたのは、伯爵令嬢のコリンナだった。
その隣にはブラッドの婚約者だったナンシーがいた。
意味不明な罵りは、やはり異世界あるあるだと少し嬉しくなった。
「ごきげんよう、コリンナ様、ナンシー様。挨拶をお忘れでは?」
ミアーナがそう言うと、二人は顔を真っ赤にして怒っていた。
「そして、私が侯爵夫人の座をナンシー様から奪った?どういう了見でそんなことを?」
ブラッドは火事という不慮の事故で亡くなったことになっているため、確かにナンシーはコーネル侯爵夫人にはなれなかったが、ミアーナが奪ったというのは変だろう。
「ミアーナ様がコーネル侯爵様を誘惑しなければ、ナンシーが妻になっていたはずです。侯爵様はナンシーのことをとても気にかけてくれていて好意を抱いてくれていたみたいで。
それなのに、ミアーナ様は公爵令嬢という立場を利用してコーネル侯爵様に結婚を迫ったのです。
だからその地位、ナンシーに返すべきだと思うんです。」
本気でそう思っているなら、かなり問題だと思う。
彼女たちは妄想と現実を理解できていないのだから。
しかし、おそらくこれは単なる言いがかりなのだろう。
おとなしいミアーナなら身を引くとでも思ったのだろうか。
以前のミアーナは王族に嫁ぐ身であるため、いろいろと我慢していただけで、本来はおとなしいわけではないというのに。
そして今のミアーナは我慢などしない。
こういう陰で弱いものいじめをしていそうな令嬢たちこそ、修道院に行くべきだと思う。
もちろん、厳しい労働条件付きの修道院の方へ。
侯爵夫人であるミアーナを弱い者と見下している目の前の愚かな伯爵令嬢たちをどう処理しようか。
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