不幸な令嬢に転生しましたが修道院には行きません。

しゃーりん

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好きな相手と結婚できるのであれば、コリンナではなくエリッサと結婚したい。

婚約者のネイサンにそう言われたコリンナは絶句して顔を青くしていた。
 

「コリンナ、君は言っていたよね。ナンシー嬢と”侯爵夫人”という同じ立場でいられることが嬉しいと。
ブラッドが亡くなってナンシー嬢が侯爵夫人になれなくなったから、コーネル侯爵夫人にこんな無茶な言いがかりをつけているんだろう?
仲がいい君たちは同じ立場でいたい。大丈夫だ。同じになれるよ。……婚約を解消しよう。そうすれば、君たちは『婚約者のいない”伯爵令嬢”同士』だからね。」
 

わーお。
穏やかにグサッと婚約解消って言った。
このネイサンは優しそうに見えてなかなか辛辣らしい。
 
というか、コリンナにうんざりしていたように思える。
これまでにも我慢してきたことがあったのかもしれない。 


「婚約を解消……?そんなの、お母様たちが認めないわっ!」


お母様たち、ということは二人は母親同士の希望で結ばれた婚約なのかもしれない。


「いや、許しは得ている。僕は今までに何度も婚約の解消を頼んできた。その度に、母に泣かれた父が僕に我慢を強いた。だが結婚までにあと一度でも我慢ならないことがあれば、婚約解消を認めると父の了承は得ている。」

「我慢ならないこと?……これが?」
 

今の状況がネイサンの我慢ならないことであるというのが納得がいかないのか、コリンナは眉をひそめている。


「本気でわかっていないのか?君は単なる伯爵令嬢だぞ?コーネル侯爵夫人と大きく立場が違うということがわからないのか?」
 
「あなたと結婚すれば、いずれ私も侯爵夫人になるのよ?」

「だがまだ違う。それに、僕と結婚しても確定ではない。僕が跡継ぎに相応しくないと見做される可能性もある。そして君が妻になればその可能性は高くなる。だから、婚約は解消する。」


解消したい、ではなくて、解消するとネイサンは言った。


「ど、どうして?わからないわ。なぜそんなことになるの?」


ミアーナとコリンナは一歳しか違わない。
親世代の侯爵夫人にだったら絶対に言えないようなことをミアーナに言っていたということをわかっていないのだ。


「それは、私がお前の伯爵家に謝罪を要求するからだ。」


ここで、フェルナンドが登場した。

随分と時間が経っているので聞いているとは思っていた。
おそらく、ネイサンとさほど違わない時から話を聞いていたのではないだろうか。
 

「私の妻を侮辱する発言、許せるものではない。それに、私が放火犯かのような発言も聞き逃すことができるものではない。」

「あっ…………」


コリンナはガクガクと震えてしゃがみ込んだ。

次に、フェルナンドはナンシーに向かって言った。


「ミアは私が惚れて求婚したんだ。お前に好意を示した覚えなど一度もない。不快な虚言を言うな。」
 
「も、申し訳ございませんでした。」
 

ナンシーは膝をついて謝罪の言葉を述べた。……失禁したのか、ドレスが濡れていくように見えた。
 


 

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