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本物のミアーナは、娘のルティアに生まれ変わったらしい。
「どうしてミアーナだった時の記憶があるの?」
「女神様が残してくれたの。」
「どうして?あんな記憶、忘れた方がいいのに。」
女神に救済されるまでのミアーナは不幸な令嬢と言えたはず。
両親は無関心で、婚約者のネヴィルは婚約を解消するために襲うような男だったのだから。
「私の代わりにミアーナになったお母様が不幸になっていないか心配だったの。それに、伝えたいこともあったから。」
「伝えたいこと?」
「うん。女神様から。『同意も得ないでミアーナになってもらってごめんなさい』だって。」
「本来なら同意があるってこと?」
「そうみたい。お母様、元の世界で死にそうだったんでしょう?慌てて魂を引っ張ったから勢い余ってミアーナの体にお母様の魂がそのまま入っちゃったらしいの。」
女神様っておっちょこちょい?
だから、異世界あるあるの『転生を望みますか?』みたいなのがなかったのか。
「この世界では肉体に魂は残らないみたいだけど、私にミアーナの記憶があったのはどうして?」
「記憶があった方がお母様が動きやすいだろうって女神様が。貴族の女性と考え方が違う世界から来たことで修道院に行かずに済む方法を選びそうだからと言っていたわ。」
「それって、女神様が私を修道院に行かせたくなかったってこと?」
「そうみたい。話の流れを変えたかったらしいわ。」
話の流れ?
まさか……
いや、どうして今まで思いつかなかったのだろう。
異世界転生あるあるって、小説かゲームの中に入り込むって内容がほとんどなのに。
「……ここって、小説の世界?それともゲーム?」
「物語って言ってたわ。」
物語なら小説ってこと?それか、漫画?
一体、誰が主役なのかな。
女神様はミアーナが修道院に行くのを止めたかった。
修道院に行っていれば、ミアーナは一生そこで過ごしたはず。
なので少なくとも、ミアーナは主役じゃない。
「誰の物語なの?」
「私の、ルティアの復讐物語らしいわ。」
「ルティアが主役?」
ルティアは女神から聞いた、本来の物語を教えてくれた。
* * *
男四人に襲われたミアーナは、次の日には修道院に向けて出発した。
死にたいと思いながら過ごしていたある日、妊娠に気づく。
四人の誰が父親なのかもわからない。
しかし、堕胎は許されず、ミアーナは修道院で出産した後、亡くなる。
ルティアと名付けられた女の子は、ロングストン公爵家に引き取られることになった。
ロングストン公爵の庶子として。
ミアーナの父の浮気相手の子だということにしたのだ。
ミアーナが修道院に行ってから、ロングストン公爵家は社交界から遠巻きにされるようになっていた。
ネヴィルの婚約者であったにも関わらず、ミアーナは男を誘うような阿婆擦れということになったのだ。
王家を敵に回したロングストン公爵家との取引は徐々に切られていった。
父は、ミアーナを襲った四人の男たちに復讐するためにルティアを引き取ったのだ。
成長したルティアの美しさを利用して、四人の男たちの家を陥れた。
* * *
と、まぁ、こんな物語だったらしい。
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