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ルティアが話してくれた本来の物語を聞いて、ミアーナは”強制力”という異世界あるあるも思い出した。
「名前がルティアというのは同じなのね。微妙にショックだわ。」
決定したのはフェルナンドだったが、ミアーナも一緒に考えた名前の一つだった。
「ミアーナは修道院で出産後に死ぬはずだったのね。」
物語では、襲われた際に女神の救済はなかったということになる。
「ミアーナが黙って修道院に行ってしまったことで、ネヴィルたちが嘘を言いふらしたのね。でも、それなら記録水晶を使って反論すればミアーナが阿婆擦れだなんて言われなかったんじゃないの?」
「物語では、記録水晶のピアスはつけていないの。だから何の証拠もなくて、ロングストン公爵家は孤立してしまうみたい。」
「つまり、物語と違ってあなたが記録水晶のピアスを身に着けるところから、女神の干渉はあったってことね。それなのに助けてくれないなんてひどくない?」
むしろ、襲われないように干渉してくれればよかったんじゃないかと思ってしまう。
「ミアーナが女神様に救済を求めないとどうすることもできなかったみたいで。もしあの日を逃れられたとしても、いずれ、何らかの形でネヴィル殿下はミアーナを陥れたはずだから。」
「強制力、ね。」
ミアーナを死なせないために、別の世界の魂を入れることを女神は思いついたということか。
「物語では、ネヴィルはレイチェルと結婚して公爵になったの?」
「そう。狙い通りに。取り巻き三人はあの後すぐに結婚して、それぞれ息子ができるの。ルティアはその息子たちを翻弄してそれぞれを罠にかけるような悪女なの。」
「なるほどね。息子たちが自滅して、親である取り巻きたちも処罰を受けるってことかしら。」
「それもあるけれど、彼らは結婚してからも何度か女性を襲って、その証拠を公開されるの。
兄のギルバートが、ミアーナが彼らに襲われていたことも公表して、ルティアは四人の誰かの子だって訴えたの。」
無事に復讐は成されたってことか。
「ん?なら、物語を変える必要ってある?確かにミアーナは死んでしまうけれど、ルティアもロングストン公爵家も最後には復讐を終えて幸せになるって話じゃないの?」
ミアーナや襲われた女性たちは不幸である。
時間がかかったが、悪い奴らは罰せられて、その後は幸せに暮らしましたっていう物語なのでは?
「実は、その後にルティアは王族の婚約者になるの。そこで物語が終われば幸せになった話だと思うでしょ?でもね、女神様がおっしゃるには、ある女性が王宮に忍び込んだ後、人が刺されて倒れるような描写だけが続いて、最後に一文、『こうして国は滅びた』って終わる物語なんですって。」
「……国が滅びる?」
「この世界は女神様が造ったもので、この国の直系王族がいなくなると女神様も存在が消えてしまうそうなの。だから、ルティアの復讐物語を変える必要があったみたい。」
……そんなバッドエンドな小説、売れそうにもないけど。
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