不幸な令嬢に転生しましたが修道院には行きません。

しゃーりん

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国が滅ぶと女神も存在しなくなるなんて、とてもファンタジーな世界である。

そもそも、異世界転生自体がファンタジーで、元の世界で誰かの創作した物語の世界が実際にあるはずもないのに、こうして自分が転生したことは事実であるような気もしていて。

現実だろうがファンタジーであろうが、自分の都合のいいような暮らしがしたいことは変わりない。 
 

「つまり、この国が滅びないような行動を私はできたってことよね?あの四人はもうこの世にいないし、ロングストン公爵家も落ちぶれていないし、ルティアは私たちの子として育って復讐なんて考えていない。もう問題はないわよね?」
 
「多分。でも、念のために王族には嫁ぎたくないわ。」

「物語のルティアはどの王子殿下の婚約者になったの?」


今の国王陛下はネヴィルの兄のアベルである。
アベルには三人の王子がいるのだ。


「ディオル第二王子殿下よ。」
 

ミアーナがコーネル侯爵夫人として社交デビューしたのは第二王子の一歳の誕生日パーティーだった。

何やらそれが微妙に嫌な繋がりに思えてくるのは”強制力”が働いているせいなのかもしれない。


「ディオル殿下には婚約者がいるわね。」

「……物語でもいたの。」

「婚約者がいたのに、ルティアが婚約者になったの?」
 

どういうこと?


「物語のルティアは、ディオル殿下から好意を寄せられていて、そのことを復讐にも利用していたの。
あの取り巻き三人の息子を罠にかけることができたのも、ディオル殿下の助けがあったから。
復讐を終えて、ディオル殿下に求婚されて、それをルティアは受けたから、ディオル殿下は元々の婚約者と婚約解消したわ。」


婚約したまま別の令嬢に求婚するなんて、駄目でしょう。


「ディオル殿下の元々の婚約者って誰だったの?」

「ブランシュ・ブース侯爵令嬢よ。」

「……今と一緒ね。」


ルティアが小さい頃、王家から婚約の打診はあった。

王家は、ルティアがネヴィルの子である可能性を考えて、血筋を把握しておきたかったのだろう。
しかし、ルティアの婚約者は自分で選ばせたいからと言って断った。 

その後、ディオルの婚約者がブランシュに決まったのだ。 


「まさか、ディオル殿下と会ったりしていないわよね?」

「……教室に何度か来たわ。」


ヤバいヤバいヤバい……
  
強制力が働いているのかも。
 

「滅びる前、王宮に忍び込んだのは女性、なのよね?」

「うん。誰かは描かれていないらしいけど。……ブランシュ様だってお母様も思ってる?」


ルティアもそう思っているらしい。


「だって、ブース侯爵家って、武力に長けた貴族家よ?暗殺とかもできそう……」


ブランシュだけでなく、騎士はもちろん、侍女らも鍛えられていそうな気がする。

ルティアに心を移したディオルに婚約を解消されて、ブース侯爵家は許せなかった?
物語では、ネヴィルたちの非道な行いが公表され、王家への信頼も落ちた直後の婚約解消である。 

王族を排除しようと暗殺し、その結果、国が滅びることになったのでは。 


ディオルにブランシュとの婚約を解消させてはいけない。

今までよりもむしろ、これからのために転生したような気がした。

 

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