身近にいた最愛に気づくまで

しゃーりん

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ジュディに求婚してくると部屋を出た息子ヴェントスを見送った公爵夫人リンベルはようやくか、とため息をついた。

ヴェントスが自分の感情に鈍くてよかったのかもしれない。
早くにジュディが好きだと気づいても、ジュディとの結婚は無理だった。
侯爵である兄の養女になっていたとしても、認めてもらえなかっただろう。

王女との結婚は避けられなかった。でないとジュディも傷つけられていたはず。
でもセレスティーナが亡くなった今、ヴェントスは再婚相手が必要になる。
そして王女の子供と思われているルーベンスがいることで、再婚相手の格は下げられるのだ。

先妻が普通の貴族であれば後妻の子供にも跡継ぎになれる可能性はあるが、王女の子供を押しのける貴族などいない。
しかも、世間はヴェントスが王女を愛していたと思っているはずで、厚かましく自分が愛されると自信を持つのは滑稽になる。

その点、ジュディとは幼馴染で侍女でルーベンスが懐いているから再婚相手に選んだと主張できるのだ。

ようやく、その形にもっていくことができる。





昔から何事に対してもあまり興味を示さず淡々としているヴェントスは、ジュディ以外の者には人当たりのいい顔しか見せない。

他の使用人の子供に合わせても、子供の頃からジュディだけは別だった。

ジュディの両親が亡くなり親戚に引き取られる時も、ジュディに関することだから相手のよくない感情を察知して自分の侍女にすると言い出した。

侍女という歳ではなかったので、一緒に教育を受けさせたらヴェントスのやる気も上がった。

一緒に眠るのは困ったが、そのうちやめるだろうと思っていた。

ヴェントスにアネモナという婚約者ができた。
ジュディ以外の女の子にも興味を示すのではないかと思ったが、恋愛的な意味での興味は持たなかったようだ。

結婚すれば仲も深まるかもしれないし、深まらなくても子供ができればいい。政略結婚なんてそんなものだとヴェントスも思っているのだろうと感じた。

閨教育を受け、初体験も無事に済ませたと聞いた。
女性の体に興味を持ち閨事に嵌まる男もいるが、ヴェントスにそんな感じはなかった。

ただ、侍女長からジュディが性処理を手伝っているようだと聞いた。
まだ13歳のジュディと体を繋げたかと思ったが、そうではないようだった。
さすがに子供ができては問題だ。ヴェントスもわかっているだろう。
でも、外で処理をされるよりもジュディの方が安心かもしれない。そう思った。
子種をバラまかれたらややこしくなる。
ジュディを愛人にした方が、面倒にならないと思ったのだ。

ジュディは自分のことをわきまえている。
私にとっては娘のようなものだが利用されないように養女にはしなかった。
愛人になってもヴェントスは大切にするだろう。あの子がジュディを傷つけるはずがないから。


ヴェントスの婚約者アネモナが傷つけられ婚約解消となった。
 
王家からセレスティーナ王女との婚約を打診され、何か変だと気づいた。
夫の調べで、セレスティーナ王女が多くの令息令嬢を排除に動いていたことを知った。

王家は溺愛する王女を幽閉などできない。
セレスティーナ王女が望むヴェントスと婚約させれば事態は落ち着くと判断した。

ヴェントスは絶対に王女を愛することはないだろう。
あの子のジュディへの依存は深くなるに違いない。


 




 
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