両親のような契約結婚がしたい!

しゃーりん

文字の大きさ
15 / 16

15.

しおりを挟む
 
 
ルチェリアが3年生になる少し前、レンフォードとルチェリアの婚約が発表された。

親世代はともかく、子供たちは大騒動だった。
誰もが2人が実の兄妹であると思っていたのだから。

最後まで反対していた伯父様も、とうとう諦めた。
ルチェリアが結婚に望む条件を伯父にも見せたのだ。
伯父はこれで何故求婚者がいないのか不思議に思ったが、契約が破棄された時の条件を見ると顔を引きつらせた。
愛人や浮気くらい大目に見ろと言われたが、公爵令嬢だった妻を蔑ろにするのは実家を軽んじているようなものだと説得した。愛人に馬鹿にされるのは屈辱だと。
自分も高位貴族の令嬢を妻にしているのに愛人が途切れない伯父はそれがたしなみのように思っている。
それでも血の繋がった姪が蔑ろにされると思うと我慢ならない程度にルチェリアに愛情を持っている。
結局、折れた。

それでも、まだブツブツ文句を言っているけれど。
伯父様にとっては家同士の繋がりが大事で、幸せなんて二の次なんだと思う。

はぁ、1年間、伯父様と暮らすのは大変そう。 

伯父様の家では、息子夫婦が領地に行っている。
その間に私がお世話になるという形になった。
追い出したみたいで申し訳なく思ったけど、元々その予定だったらしいので安心した。

伯父様と伯母様の仲は良くも悪くもない。
昔からよくある政略結婚の夫婦、つまり、外では繕っている。
3歳の私はこの家に引き取られなくてよかったと心から思っている。

伯父様の家から学園に通うことになった。





「ルチェリア様がレンフォード様と兄妹じゃなかったなんて知らなかったわ。」

「そうよ。どうして黙っていたの?」

「どうしてって……わざわざ言うようなことでもないから?」

「まぁ、そう言われればそうかも。本当の兄弟です。とかも、誰も言わないわね。」

「庶子を引き取りましたっていうなら目立つかもしれないけど。3歳じゃあね。」

「大人たちも、そう言えば従兄妹だった。みたいな感じよね。」

「でも、契約結婚してくれる人を探してなかった?」

「あぁ、あれは伯父が従兄妹同士の結婚はもったいないだの旨みがないだのうるさかったの。
 他の令息にも目を向けるべきだってね。
 だから、こういう人ならいいかなっていう条件を考えたの。
 大した条件じゃないのに、みんな躊躇したでしょ?そんな人はお断りよ。
 で、結局お兄様じゃないと幸せになれないって結論になったの。
 伯父様がどんなに反対しても2年半も頑張ったんだから押し切ったわ。」


ルチェリアは自分がレンフォード以上に愛する人ができるとは思えなかった。
それにレンフォード以上にルチェリアを愛してくれる人もいないだろう、と。

それでも確かめることにした。
契約の条件を受ける人がいたとしても、すぐに婚約するつもりもなかった。
相手を隅々まで確かめるつもりだったから。
ルチェリアを望んでくれるのか、公爵令嬢であるルチェリアを期待しているのか。
エドガーは後者。
それに、契約の前に私のことが知りたいと言ってくれる人も誰もいなかったの。
結局、エドガー以外に求婚する者はいなかったので、ルチェリアが望む両親のような契約結婚は無理ということ。
母の言う通り、レンフォードへの気持ちが心にある状態では上手くいくはずもない計画だったの。


2年半もの間、お兄様のお姫様抱っこも我慢してたんだから。
ハグも頬や額へのキスも全部我慢してた。
お兄様の部屋に行くことも我慢した。

婚約が決まってから、久しぶりにハグをしてお姫様抱っこもしてもらったわ。
2年半の間に、私はメリハリのある体になったし身長も伸びて重くもなった。
だけど、同じようにお兄様もがっしりした体に成長したから軽々抱っこしてもらえたわ。

婚約してからは、唇にもキスしてくれるようになったの。きゃっ!
私たちを信用してくれている両親は、家に行く度に2人きりになれる時間もとってくれる。
前よりも親密に過ごすのは当然よね?




学園で一緒にいる友人たちもそれぞれ婚約が決まった。
お昼を一緒に過ごしていたお兄様の友人と婚約した友人もおり、恋愛だなぁと思ったりする。


 






 
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

白い結婚は無理でした(涙)

詩森さよ(さよ吉)
恋愛
わたくし、フィリシアは没落しかけの伯爵家の娘でございます。 明らかに邪な結婚話しかない中で、公爵令息の愛人から契約結婚の話を持ち掛けられました。 白い結婚が認められるまでの3年間、お世話になるのでよい妻であろうと頑張ります。 小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しております。 現在、筆者は時間的かつ体力的にコメントなどの返信ができないため受け付けない設定にしています。 どうぞよろしくお願いいたします。

『白い結婚』が好条件だったから即断即決するしかないよね!

三谷朱花
恋愛
私、エヴァはずっともう親がいないものだと思っていた。亡くなった母方の祖父母に育てられていたからだ。だけど、年頃になった私を迎えに来たのは、ピョルリング伯爵だった。どうやら私はピョルリング伯爵の庶子らしい。そしてどうやら、政治の道具になるために、王都に連れていかれるらしい。そして、連れていかれた先には、年若いタッペル公爵がいた。どうやら、タッペル公爵は結婚したい理由があるらしい。タッペル公爵の出した条件に、私はすぐに飛びついた。だって、とてもいい条件だったから!

【完結】遅いのですなにもかも

砂礫レキ
恋愛
昔森の奥でやさしい魔女は一人の王子さまを助けました。 王子さまは魔女に恋をして自分の城につれかえりました。 数年後、王子さまは隣国のお姫さまを好きになってしまいました。

貧乏子爵令嬢ですが、愛人にならないなら家を潰すと脅されました。それは困る!

よーこ
恋愛
図書室での読書が大好きな子爵令嬢。 ところが最近、図書室で騒ぐ令嬢が現れた。 その令嬢の目的は一人の見目の良い伯爵令息で……。 短編です。

契約書にサインをどうぞ、旦那様 ~お飾り妻の再雇用は永年契約でした~

有沢楓花
恋愛
――お飾り妻、平穏な離婚のため、契約書を用意する。  子爵家令嬢グラディス・シャムロックは、結婚式を目前にしてバセット子爵家嫡男の婚約者・アーロンが出奔したため、捨てられ令嬢として社交界の評判になっていた。  しかも婚約はアーロンの未婚の兄弟のうち「一番出来の悪い」弟・ヴィンセントにスライドして、たった数日で結婚する羽目になったのだから尚更だ。 「いいか、お前はお飾りの花嫁だ。これは政略結婚で、両家の都合に過ぎず……」 「状況認識に齟齬がなくて幸いです。それでは次に、建設的なお話をいたしましょう」  哀れなお飾り妻――そんな世間の噂を裏付けるように、初夜に面倒くさそうに告げるヴィンセントの言葉を、グラディスは微笑んで受けた。  そして代わりに差し出したのは、いつか来る離婚の日のため、お互いが日常を取り戻すための条件を書き連ねた、長い長い契約書。 「こちらの契約書にサインをどうぞ、旦那様」  勧められるままサインしてしまったヴィンセントは、後からその条件を満たすことに苦労――する前に、理解していなかった。  契約書の内容も。  そして、グラディスの真意も。  この話は他サイトにも掲載しています。 ※全4話+おまけ1話です。

【完結】好きになったら命懸けです。どうか私をお嫁さんにして下さいませ〜!

金峯蓮華
恋愛
 公爵令嬢のシャーロットはデビュタントの日に一目惚れをしてしまった。  あの方は誰なんだろう? 私、あの方と結婚したい!   理想ドンピシャのあの方と結婚したい。    無鉄砲な天然美少女シャーロットの恋のお話。

悪役令嬢と誤解され冷遇されていたのに、目覚めたら夫が豹変して求愛してくるのですが?

いりん
恋愛
初恋の人と結婚できたーー これから幸せに2人で暮らしていける…そう思ったのに。 「私は夫としての務めを果たすつもりはない。」 「君を好きになることはない。必要以上に話し掛けないでくれ」 冷たく拒絶され、離婚届けを取り寄せた。 あと2週間で届くーーそうしたら、解放してあげよう。 ショックで熱をだし寝込むこと1週間。 目覚めると夫がなぜか豹変していて…!? 「君から話し掛けてくれないのか?」 「もう君が隣にいないのは考えられない」 無口不器用夫×優しい鈍感妻 すれ違いから始まる両片思いストーリー

愛されないはずの契約花嫁は、なぜか今宵も溺愛されています!

香取鞠里
恋愛
マリアは子爵家の長女。 ある日、父親から 「すまないが、二人のどちらかにウインド公爵家に嫁いでもらう必要がある」 と告げられる。 伯爵家でありながら家は貧しく、父親が事業に失敗してしまった。 その借金返済をウインド公爵家に伯爵家の借金返済を肩代わりしてもらったことから、 伯爵家の姉妹のうちどちらかを公爵家の一人息子、ライアンの嫁にほしいと要求されたのだそうだ。 親に溺愛されるワガママな妹、デイジーが心底嫌がったことから、姉のマリアは必然的に自分が嫁ぐことに決まってしまう。 ライアンは、冷酷と噂されている。 さらには、借金返済の肩代わりをしてもらったことから決まった契約結婚だ。 決して愛されることはないと思っていたのに、なぜか溺愛されて──!? そして、ライアンのマリアへの待遇が羨ましくなった妹のデイジーがライアンに突如アプローチをはじめて──!?

処理中です...