私の結婚相手は姉の婚約者任せです。

しゃーりん

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学園の2年生を終えるのはあと2か月。つまり、自由が2か月……

今でも自由とは言い難いけれど、住むところが別という自由がある。

でもまあ、品行方正に生活していれば監禁はないだろう。…と思う。

ちょっと、大分?愛情の深い粘着性のある人物だけど、友人たちに羨ましがられると『そうなのかな?』とも前向きに捉えられるようにもなってきた。逃げられないしね。



そんな時、こっそりとブルーム様が教えてくれた。
王太子妃が妊娠したと。
産まれてくるまで何があるかわからないので、誕生までは基本的には秘密。
だけど、安定期から王宮内や王城で姿を見る場合もあり、暗黙の了解で知られていくことが多い。
たまに、産まれるまで全く姿を現さない王太子妃もいるそうだけど。

ちなみに、そろそろ安定期だそうなのでほぼ安心できるそうだ。
ということは、お姉様とアンドレ殿下も子作り解禁となるのだろうか。
それとも産まれるまで待ってからなのだろうか。
一応、王太子妃様より先に妊娠するのは気が引けるということで、2年は様子を見ると言っていた。

狙ってすぐ妊娠できるわけでもないけど、お姉様にも早く妊娠してもらいたい。
でないと、私が先に妊娠しそう。
なぜか予感がある。ブルーム様との子供はすぐにできると。
粘着性のある子種がしがみついて、必ず実を結ぶであろうことを。

お姉様より先に妊娠してはいけないことはないのだけれど、出産後だといつ会えるかわからないから。
妊娠中から確実に家から出られない気がする。
でも、甥か姪が先に産まれてくれたら、初顔合わせが一年後とかにはならない気がして。

いや、王子の子供だから、産まれたてでは結局は会えないか。
王家のしきたりってよく知らないからわからないけど。




公爵邸にはすでに自分の私室も出来上がっている。
そこでお茶をすることも増えた。
なぜなら、ブルーム様はすぐに人払いをしてイチャイチャしたがるから。

テラスや庭園の東屋、サンルームでは肩や腰を抱くか、膝枕、軽いキスまでが精一杯。

部屋では通常は二人きりはダメなのよ?結婚前なのよ?
だけど、お茶とお菓子を用意すると、スーっと去っていく。扉も閉めちゃう。なんで?

つまり、もう私はブルーム様以外には嫁げないのよ。

あとたった2か月よ?もう少し自制しましょ?

そう思う私と違って、今日もブルーム様は暴走気味。


「リュゼット、好きだよ。可愛い。愛してる。」


そう言いながら、あちこちにキスをする。
最近は……胸の先、つまり乳首にまで魔の手が忍び寄ってしまった。

いつの間にか、胸がペローンと露出されて揉まれて吸われて遊ばれる。



この先は絶対に結婚してからだからね!胸まで許したのが甘い?そうよね。

何のために一年の自由を捨てたのかしら……

 


  
  
 

 
 
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