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ラヴェンナが朝の祈りを終えてジュリエッタと東屋でお茶を飲んでいると、聖女候補の一人がやってきた。
彼女は初日に聖人に質問をした、イボンヌ・ソフトスという伯爵令嬢である。
ちなみに18歳。
「ラヴェンナ様、あなた、不真面目過ぎると思いますわ。」
イボンヌは腕を組み、ラヴェンナを睨みつけるようにしてそう言った。
「何がでしょうか?」
ラヴェンナはイボンヌ様に迷惑をかけた覚えはないので首を傾げた。
「初日から、祈りを僅か数分で終えたり、婚約者とイチャイチャしたり。他の候補者の迷惑も考えてほしいわ。」
どこが悪いの?
「ですが、祈りの時間は短くても長くても本人の自由ですし、婚約者を呼んでいいと言われましたし、他に呼んでいる方もおられますし?」
祈りの時間が短いのはジュリエッタ様も同じだし、ラヴェンナ以外にも婚約者をここに呼んだ令嬢は三人いる。
不真面目だの迷惑だの言われても、ラヴェンナは悪いことをした覚えはない。
「他の方は、あなたの悪影響を受けてしまったのよ?前ほど長く祈らなくなっているわ。だからあなたが悪いの。」
「そう言われても……長さは自由と聞いていますので、今後も好きにさせていただきます。」
再びイボンヌ様が何か言おうとしたのを、ジュリエッタ様が遮った。
「イボンヌ様、勘違いなさっていない?別に団体戦ではなくてよ?いわば個人戦なの。だから、ご自分がなされたいようにご自分のことだけを考えていればいいのではないかしら?」
そうよ。別にどちらが正しくてどちらが間違っているというわけでもないのに、こっちが不真面目だと決めつけることは失礼だわ。
自分が正しいと思っているのであれば、そのまま一人で突き進めばいいだけじゃない?
イボンヌ様が聖女になりたいのなら、みんなと違うことをする方がいいと思うけれど。
「……ジュリエッタ様が真剣ではないことにも私はショックですわ。失礼いたします。」
公爵令嬢であり、第二王子殿下の婚約者であるジュリエッタ様に口を挟まれると、引き下がるしかないと思ったようだけれど、それでも一言申すあたり、納得していないことがよくわかった。
「彼女、卒業の数日前に婚約がなくなったそうなの。」
「あー……呼べる婚約者がいないから、目障りだったのかしら。」
「おそらくね。だから、聖女になれば見返せると思っているんじゃないかしら。」
「見返すって、婚約者を?」
「ええ。それに、両親や兄弟を。」
婚約解消の理由はわからないけれど、彼女はそのことにも納得できなかったみたい。
そんなに聖女になりたいのであれば、聖女様、彼女を選んであげて?
私はどうぞどうぞとお勧めします。
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