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しおりを挟むヴィオラは王太子殿下が自分以外の女性に触れているのを気持ち悪く思っているが、閨教育があるのだからヴィオラが最初の女性になれないことは最初からわかっていたはずだ。
(わかっているわ。殿下はエレノアの性格じゃなくて豊満な胸に夢中になっていたんだってことは。彼女は婚約者もいなかったし、殿下の愛人を狙って誘惑してきたんだもの。)
(閨教育を受けた後にあんな胸で擦り寄って来られたら触りたくなっちゃうのよ。)
初夜まで触れられないヴィオラと、触っていいと言ってくれるエレノア。
愛人にしてくれるなら純潔を捧げるとでも言われたのだろう。
王太子殿下はエレノアが純潔だったと信じ、責任を取って愛人にするつもりでいたようだが、実際は幼馴染のエバンとも関係を持っていたため、エバンが責任を取るように仕向けたのだ。
王族も基本的には妃は一人である。
しかし、愛人、というか愛妾のいる王族の男はわりといる。
現国王陛下は、侍女を孕ませたために側妃がいる国王であり、王妃と仲が悪くなった。
このことは、妻は一人に限らないのだと王太子殿下の性格形成にも多少の影響を及ぼし、浮気も堂々としていいのだと思ったようだ。
しかし、エレノアが純潔だと偽ったことは王太子殿下にとって許せないことだったようだ。
(王太子の最初の女にはなれないとわかっていたでしょう?)
(……そうですね。わかっていましたけど、まさか、結婚前から浮気するとは思っていませんでした。)
あぁ、そういうことか。プライドの問題なのだ。
自分の前か後か。
子供を産んだ後の浮気なら、また違ったのだ。
(このまま浮気せず、愛人もつくらず、最後の女になれるのなら昔のことは許してあげられない?)
(最後の女に……なれるかしら。)
ヴィオラを蔑ろにしてエレノアといちゃついていた王太子殿下のせいで、ヴィオラは周りから同情と嘲笑を受けていた。
屈辱だっただろう。
簡単に許す気にはなれないのもわかるし、浮気現場を見てしまった衝撃も大きかっただろう。
だが今は、王太子夫婦は仲がいい。
そう思われている。
(子供三人目を作るなら、私が殿下とってことですよね?)
(ええ。閨事を経験するのも悪くないわよ?彼も上達したし。)
さりげなく指導した結果、ちゃんとヴィオラの体を満足させてくれるようになったから。
ヴィオラの胸も本人は気づいていないが、大きくなっているので王太子殿下も気に入っている。
ヴィオラも少し閨事に興味をひかれ始めたか、悩んでいる。
(今の王太子ならもう浮気しないと思うわ。)
精神干渉しているから。
ヴィオラが王太子殿下を許せるのであれば、リリスティーナは今すぐにでもヴィオラの体から出て行くと伝えた。
(もう少し、考えさせてください。)
意外と臆病なのよね。ヴィオラは。
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