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15.作戦会議
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この日は門の近くまで案内してもらって位置取りを見学させてもらうことにした。
遠目から見て門の形状。素材、大きさ等をチェックする。
それを目に焼き付けて戻ると紙を出してもらって『図』を書く。
前日にみせてもらった周辺の様子を頭に浮かべながら今見てきた門の様子を合わせる。
手が勝手に動き、この街の全体図を紙に表した。
「おぉー。すごい。これがこの街の全容なんですか!?」
「えぇ。そうです。これを元に作戦を考えるとやりやすいんじゃないですか?」
「そうですな! いやー。こんなこともできるなんて、何者なんですか?」
眉をひそめてこちらを見るゴッコさん。
なんだか照れるなぁ。
「いやいや、ただの字兵ですよ」
「あっ、『粋』領は兵士を字兵と呼んでいるんですか?」
「そうです。意味はそのまま字を使う兵なので」
ゴッコさんはウンウンと感心するように頷くとキリッとした目でこちらを凝視した。
「そちらの領はどのように領をまわしているんですか?」
「ウチはギルドという字兵が所属する場所があります。そこに領民から色んな依頼が来るんです。それを字兵が解決してお金を貰います」
目を輝かせてこちらを見つめるゴッコさん。
「そんなシステムが? 素晴らしい!」
「庶民は育てた野菜や作った料理、物を売ったりして領からお金を貰うんです。それで、困った時はギルドにお金を払って依頼を出す。依頼を字兵が受けて報酬を貰う。字兵が領民のものを買う。そうやって回ります」
「うむ。いい領なんですな。これはますますこの領を一度壊したいです」
羨望の眼差しをこちらに向ける。
領のシステムに関してはボクたちというよりはタイガさんの功績なんだよね。
「共にこの領を変えましょう。まずは領主を打つことから初め、そこから代わりの領主として名乗り出るんです。革命軍が文句のある人は制圧すればいいと思います」
「最初は仕方ありませんな」
「えぇ。ですが、そこからはあまり人は殺さない方がいいと思います。イメージが悪くなります」
腕を組み少し考える素振りを見せるゴッコさん。殺さず制圧が難しいと考えているのだろう。そして、また解き放ってから命を狙われかねない。
命の危機を常に感じながらこの領を変えていかなければならない。これは、かなり過酷な任務になる。
「そうですな。罰則を与えて徐々に収めていくしかないですね」
「そのほうがいいかもしれないですね。この領独自のギルドの制御でもいいともいます。我々の領より抵抗が大きいし悪人が多いでしょう。多少手荒でも仕方がない」
目を瞑り思慮を巡らしているようだ。
こういったしっかりと考えてくれる領主がいい領主なのではないかとボクは思う。
言うこと聞かないから殺す。気に入らないから殺す。自分以外はどうでもいい。そんな領主はいる意味がない。
この領の領主はそうなっているそうだ。
だから好きなように自分の運営の施設を作り、その他は放置して、どんな酷いことが起きても我関せず。そんなの領主とは言えない。
だからこそゴッコさんたちが立ち上がったんだ。この人たちと一緒に『魔』の領を落とし、再建していこうと思う。
「そうですね。なんとか考えをまとめてみます。それで、攻めるに至ってですが、正面の門から来ますか?」
「えぇ。我々は正面切って攻めます。それで、門を内側から開けて欲しいんです。はいってしまえばこっちのものです」
「わかりました。開けましょう。合図が必要ですね」
ボクが合図に使えるのは幾つかある。
あれがいいかなと当たりをつけた。
「炎の球を門の上に投げます。それを合図に門を開けて貰えますか?」
「わかりました。私達は他には?」
「ここの女性と子供が収容されている施設を制圧。あとは、領主のいる屋敷の周りを囲むんです。これも正面から行きます。逃げられた時のために裏にも人を配置してください」
「はい。そこに人員を掛けましょう」
全体図に書き込んでいく。
女性と子供が収容されている施設に丸を付け、屋敷にも丸をつけ。
自分たちが侵入してくるルートを考える。
屋敷までは何通りかの道筋があるが、あまり妨害がない方がいい。
「妨害の少ないようなルートってありますか?」
ボクはゴッコさんに逆に聞いてみる。
「そうですなぁ。こことここは、いつもグループが屯しています。邪魔になるでしょう」
全体図にそれも書き込んでいく。バツを書いてここは通らないと記す。
そうなると必然的にルートが見えてきた。
「であれば、このルートですね」
「ルートがわかるなら簡単ね?」
今まで黙っていたミレイさんが声を上げた。
簡単だろうけど、問題は領主がどれ程強いかによる。強敵はことは間違いない。
「油断は禁物だよ? 特にミレイさん、捕まりそうになったことあるんだから……」
「わかってるって! 大丈夫よ!」
腕を組んで胸を持ち上げ自信満々にそう言い放った。
ゴッコさん、あまりミレイさんを凝視しないで。惚れられても困る。
「ウッウン! では、その作戦で」
「はっ! はい! では、そのように! 決行はいつですか?」
「ウチも準備があります。三日後にしましょう」
「お願いします!」
ガッチリ握手をしてその場を去った。
地下通路を通って戻る。
ゴッコさんにお願いしてあっち側は塞いでもらった。
通った後にこっち側も塞ぐようして地下通路は通れなくした。
さぁ、ここからタイガさんに作戦を伝えていよいよ戦う!
遠目から見て門の形状。素材、大きさ等をチェックする。
それを目に焼き付けて戻ると紙を出してもらって『図』を書く。
前日にみせてもらった周辺の様子を頭に浮かべながら今見てきた門の様子を合わせる。
手が勝手に動き、この街の全体図を紙に表した。
「おぉー。すごい。これがこの街の全容なんですか!?」
「えぇ。そうです。これを元に作戦を考えるとやりやすいんじゃないですか?」
「そうですな! いやー。こんなこともできるなんて、何者なんですか?」
眉をひそめてこちらを見るゴッコさん。
なんだか照れるなぁ。
「いやいや、ただの字兵ですよ」
「あっ、『粋』領は兵士を字兵と呼んでいるんですか?」
「そうです。意味はそのまま字を使う兵なので」
ゴッコさんはウンウンと感心するように頷くとキリッとした目でこちらを凝視した。
「そちらの領はどのように領をまわしているんですか?」
「ウチはギルドという字兵が所属する場所があります。そこに領民から色んな依頼が来るんです。それを字兵が解決してお金を貰います」
目を輝かせてこちらを見つめるゴッコさん。
「そんなシステムが? 素晴らしい!」
「庶民は育てた野菜や作った料理、物を売ったりして領からお金を貰うんです。それで、困った時はギルドにお金を払って依頼を出す。依頼を字兵が受けて報酬を貰う。字兵が領民のものを買う。そうやって回ります」
「うむ。いい領なんですな。これはますますこの領を一度壊したいです」
羨望の眼差しをこちらに向ける。
領のシステムに関してはボクたちというよりはタイガさんの功績なんだよね。
「共にこの領を変えましょう。まずは領主を打つことから初め、そこから代わりの領主として名乗り出るんです。革命軍が文句のある人は制圧すればいいと思います」
「最初は仕方ありませんな」
「えぇ。ですが、そこからはあまり人は殺さない方がいいと思います。イメージが悪くなります」
腕を組み少し考える素振りを見せるゴッコさん。殺さず制圧が難しいと考えているのだろう。そして、また解き放ってから命を狙われかねない。
命の危機を常に感じながらこの領を変えていかなければならない。これは、かなり過酷な任務になる。
「そうですな。罰則を与えて徐々に収めていくしかないですね」
「そのほうがいいかもしれないですね。この領独自のギルドの制御でもいいともいます。我々の領より抵抗が大きいし悪人が多いでしょう。多少手荒でも仕方がない」
目を瞑り思慮を巡らしているようだ。
こういったしっかりと考えてくれる領主がいい領主なのではないかとボクは思う。
言うこと聞かないから殺す。気に入らないから殺す。自分以外はどうでもいい。そんな領主はいる意味がない。
この領の領主はそうなっているそうだ。
だから好きなように自分の運営の施設を作り、その他は放置して、どんな酷いことが起きても我関せず。そんなの領主とは言えない。
だからこそゴッコさんたちが立ち上がったんだ。この人たちと一緒に『魔』の領を落とし、再建していこうと思う。
「そうですね。なんとか考えをまとめてみます。それで、攻めるに至ってですが、正面の門から来ますか?」
「えぇ。我々は正面切って攻めます。それで、門を内側から開けて欲しいんです。はいってしまえばこっちのものです」
「わかりました。開けましょう。合図が必要ですね」
ボクが合図に使えるのは幾つかある。
あれがいいかなと当たりをつけた。
「炎の球を門の上に投げます。それを合図に門を開けて貰えますか?」
「わかりました。私達は他には?」
「ここの女性と子供が収容されている施設を制圧。あとは、領主のいる屋敷の周りを囲むんです。これも正面から行きます。逃げられた時のために裏にも人を配置してください」
「はい。そこに人員を掛けましょう」
全体図に書き込んでいく。
女性と子供が収容されている施設に丸を付け、屋敷にも丸をつけ。
自分たちが侵入してくるルートを考える。
屋敷までは何通りかの道筋があるが、あまり妨害がない方がいい。
「妨害の少ないようなルートってありますか?」
ボクはゴッコさんに逆に聞いてみる。
「そうですなぁ。こことここは、いつもグループが屯しています。邪魔になるでしょう」
全体図にそれも書き込んでいく。バツを書いてここは通らないと記す。
そうなると必然的にルートが見えてきた。
「であれば、このルートですね」
「ルートがわかるなら簡単ね?」
今まで黙っていたミレイさんが声を上げた。
簡単だろうけど、問題は領主がどれ程強いかによる。強敵はことは間違いない。
「油断は禁物だよ? 特にミレイさん、捕まりそうになったことあるんだから……」
「わかってるって! 大丈夫よ!」
腕を組んで胸を持ち上げ自信満々にそう言い放った。
ゴッコさん、あまりミレイさんを凝視しないで。惚れられても困る。
「ウッウン! では、その作戦で」
「はっ! はい! では、そのように! 決行はいつですか?」
「ウチも準備があります。三日後にしましょう」
「お願いします!」
ガッチリ握手をしてその場を去った。
地下通路を通って戻る。
ゴッコさんにお願いしてあっち側は塞いでもらった。
通った後にこっち側も塞ぐようして地下通路は通れなくした。
さぁ、ここからタイガさんに作戦を伝えていよいよ戦う!
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