転生したら最強種の竜人かよ~目立ちたくないので種族隠して学院へ通います~

ゆる弥

文字の大きさ
26 / 88

26.大規模魔法の威力

しおりを挟む
 しばらく草むらの中へと隠れていた。
 来るならそろそろ来てもいい頃だと思うんだけどなぁ。

 木々が揺れている。
 その揺れがだんだんと近づいてきた。

「あれー? この辺だったんだけどなぁ?」

 現れたのはエリスさんだ。
 僕が行くより先にバアルくんが飛び出した。

「僕の合図に気が付いてくれたんだね!」

「あっ! バアルくん! リオンくんは?」

「そこに──」
 ──ドドドドドドドドォォォォォ

 僕とバアルくんの間に岩の壁がせり上がってきた。
 分断されてしまった。

「はっはっはぁー! ようやくお前と戦えるぜ黒襟!」

 序盤に雷魔法を放ってきた生徒が現れた。
 別の生徒と協力して壁を作り、僕を叩こうといったところか。

「学年主席のアイツがいないと何もできないだろう!?」

 今まで決闘とかもしてきたけど、そんなに目立ってないのに何でこんな絡まれるの!?
 僕が何したっていうのさ!?

「おまえばっかり可愛い子にチヤホラされてハラワタが煮えくり返るわ!」

「いや、僕は別にチヤホラされているわけでは……」

「ええい! 問答無用! 敵に鉄槌を! サンダーボルト!」

 僕はカーラさんを抱きかかえながら下がって避けた。

「あー! 今度は綺麗な人族の子を連れてる! 隠してたなコノヤロー!」

 なんだかよくわからないが、嫉妬されているみたい。
 自分も話とかしたいってことなのかな?
 だったら友好的にすれば話すこともできるかもしれないのに、こんな攻撃されてたんじゃ無理だよね。

「なんだか面倒だ……」

「ウチがやる! なんかあの人、気に入らない!」

 おぉ。なんかカーラさんが怒っている。
 僕の横へと並ぶと詠唱を始めた。

「我は汝を使役するもの也《なり》。我の魔力を糧とし、極限まで火力を高めよ。敵に地獄の業火を! すべて燃えろ! インフェルノ!」

 凄まじい魔力の高まりを隣から感じる。
 空気自体が発火するように周囲の温度が高まる。
 生徒は「ヒィィィ!」と言いながら逃げ惑っているが地獄の業火は逃がさないようだ。

 生徒が先ほどまでいた場所は地面から炎が噴き出し、そこを中心に地面が割れる。
 割れた所からも炎が噴き出し、生徒の足を掠った片足か消し炭になる。

「がぁぁぁぁ! あついぃ──」

 その生徒は転送されていった。
 完全回復の回復薬か、最上位の回復魔法をかけるか。そうでなければ、あれは治らないだろう。
 
 それよりも、このカーラである。
 なんて恐い魔法を使うのだろうか。
 僕の身も震えた。

「ウチ……なんかやりすぎちゃった?」

「そうだね。うん。凄い魔法だったね。まだ火を噴いてるし、壁も壊したね」

「あっ! エリスちゃんは大丈夫かな!?」

 壁の方へと近づいていくカーラさん。
 壊れた壁から反対側の二人を確認しに行った。

 僕の魔力探知では大丈夫そうだったけどね。

 ゆっくりと歩いていくと、二人は談笑していた。
 よかった。やっぱり大丈夫だった。

「そっちから凄い音してたけど、大丈夫だった?」

「ちょっとね。カーラさんが怒って大規模魔法使っちゃって」

「あぁ。だからその有様なんだね?」

「そういうこと。燃えてるけど大丈夫かな?」

「いやいや、魔法で延焼しないように対応しよう」

 流石は、優等生のバアルくん。
 僕なんかは学院が用意したもりだから燃えてもいいかなんて思っちゃったよ。

 皆で燃えてる枝を切り落としたり、燃え移りそうな枝を伐採したりと延焼しないように対応した。
 さすがに生徒みんな焼死は笑えないか。

 カーラさん、火属性だったのね。

 今さらなんだけど、この世界には、火、水、地、風、雷、光、闇の属性があるんだ。
 固有属性として竜と木っていうのがあるんだけどね。

 大体、一人一属性を使える。

「よーしっ。いいかな? カーラさん、ここはジャングルだよ? ほどほどにしてね?」

 バアルくんは優等生らしくカーラさんへと注意している。

「うん。ごめん。ウチ、カッとなっちゃって……」

「いや、僕がすぐに対応しなかったからだよ。ごめん。魔法を撃たれる前に気が付いて対応できていればよかったんだ」

「ううん! 違うよ! ウチが悪い! リオンくんばっかり責任感じる事じゃないよ」

 そうなのかもしれないけど。
 壁の出現に驚いて反応が遅れたというのが悔しい。
 僕の落ち度だ。まだまだ精進が足りないな。

「じゃあ、二人で反省しよう。僕も反省すべきところはあるから」

「うん! そうしよ!」

 クシャッとした笑顔を見せるカーラさん。
 なんだかこの競技会で距離が縮まって、仲良くなれたような気がする。
 それが嬉しかった。

「むー! リオンくん! なんかカーラちゃんと近い!」

「そう? そんなことないよ?」

 僕がそう返事をするとエリスさんの顔を見てカーラさんはケラケラと笑った。

「エリスちゃん、ヤキモチ妬いてるの? かわいぃなぁ!」

「べ、べつにそんなんじゃないし!」

 口を尖らせて顔を背けるエリスさん。
 なにでヤキモチ妬いたんだろう?
 僕がカーラさんをとると思っているんだね?

「ごめんごめん。カーラさんはとらないから大丈夫だよ?」

 エリスさんは、目を見開いてキョトンとしている。
 カーラさんはお腹を抱えて笑っているし、どうしたんだろう?

「もぉぉぉ! クソ鈍感ヤロー!」

 エリスさん、口が悪いよ? バアルくんにいっているのかな?
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

はずれスキル念動力(ただしレベルMAX)で無双する~手をかざすだけです。詠唱とか必殺技とかいりません。念じるだけで倒せます~

さとう
ファンタジー
10歳になると、誰もがもらえるスキル。 キネーシス公爵家の長男、エルクがもらったスキルは『念動力』……ちょっとした物を引き寄せるだけの、はずれスキルだった。 弟のロシュオは『剣聖』、妹のサリッサは『魔聖』とレアなスキルをもらい、エルクの居場所は失われてしまう。そんなある日、後継者を決めるため、ロシュオと決闘をすることになったエルク。だが……その決闘は、エルクを除いた公爵家が仕組んだ『処刑』だった。 偶然の『事故』により、エルクは生死の境をさまよう。死にかけたエルクの魂が向かったのは『生と死の狭間』という不思議な空間で、そこにいた『神様』の気まぐれにより、エルクは自分を鍛えなおすことに。 二千年という長い時間、エルクは『念動力』を鍛えまくる。 現世に戻ったエルクは、十六歳になって目を覚ました。 はずれスキル『念動力』……ただしレベルMAXの力で無双する!!

【改稿版】休憩スキルで異世界無双!チートを得た俺は異世界で無双し、王女と魔女を嫁にする。

ゆう
ファンタジー
剣と魔法の異世界に転生したクリス・レガード。 剣聖を輩出したことのあるレガード家において剣術スキルは必要不可欠だが12歳の儀式で手に入れたスキルは【休憩】だった。 しかしこのスキル、想像していた以上にチートだ。 休憩を使いスキルを強化、更に新しいスキルを獲得できてしまう… そして強敵と相対する中、クリスは伝説のスキルである覇王を取得する。 ルミナス初代国王が有したスキルである覇王。 その覇王発現は王国の長い歴史の中で悲願だった。 それ以降、クリスを取り巻く環境は目まぐるしく変化していく…… ※アルファポリスに投稿した作品の改稿版です。 ホットランキング最高位2位でした。 カクヨムにも別シナリオで掲載。

レベルが上がらない【無駄骨】スキルのせいで両親に殺されかけたむっつりスケベがスキルを奪って世界を救う話。

玉ねぎサーモン
ファンタジー
絶望スキル× 害悪スキル=限界突破のユニークスキル…!? 成長できない主人公と存在するだけで周りを傷つける美少女が出会ったら、激レアユニークスキルに! 故郷を魔王に滅ぼされたむっつりスケベな主人公。 この世界ではおよそ1000人に1人がスキルを覚醒する。 持てるスキルは人によって決まっており、1つから最大5つまで。 主人公のロックは世界最高5つのスキルを持てるため将来を期待されたが、覚醒したのはハズレスキルばかり。レベルアップ時のステータス上昇値が半減する「成長抑制」を覚えたかと思えば、その次には経験値が一切入らなくなる「無駄骨」…。 期待を裏切ったため育ての親に殺されかける。 その後最高レア度のユニークスキル「スキルスナッチ」スキルを覚醒。 仲間と出会いさらに強力なユニークスキルを手に入れて世界最強へ…!? 美少女たちと冒険する主人公は、仇をとり、故郷を取り戻すことができるのか。 この作品はカクヨム・小説家になろう・Youtubeにも掲載しています。

うっかり女神さまからもらった『レベル9999』は使い切れないので、『譲渡』スキルで仲間を強化して最強パーティーを作ることにしました

akairo
ファンタジー
「ごめんなさい!貴方が死んだのは私のクシャミのせいなんです!」 帰宅途中に工事現場の足台が直撃して死んだ、早良 悠月(さわら ゆずき)が目覚めた目の前には女神さまが土下座待機をして待っていた。 謝る女神さまの手によって『ユズキ』として転生することになったが、その直後またもや女神さまの手違いによって、『レベル9999』と職業『譲渡士』という謎の職業を付与されてしまう。 しかし、女神さまの世界の最大レベルは99。 勇者や魔王よりも強いレベルのまま転生することになったユズキの、使い切ることもできないレベルの使い道は仲間に譲渡することだった──!? 転生先で出会ったエルフと魔族の少女。スローライフを掲げるユズキだったが、二人と共に世界を回ることで国を巻き込む争いへと巻き込まれていく。 ※9月16日  タイトル変更致しました。 前タイトルは『レベル9999は転生した世界で使い切れないので、仲間にあげることにしました』になります。 仲間を強くして無双していく話です。 『小説家になろう』様でも公開しています。

攻撃魔法を使えないヒーラーの俺が、回復魔法で最強でした。 -俺は何度でも救うとそう決めた-【[完]】

水無月いい人(minazuki)
ファンタジー
【HOTランキング一位獲得作品】 【一次選考通過作品】 ---  とある剣と魔法の世界で、  ある男女の間に赤ん坊が生まれた。  名をアスフィ・シーネット。  才能が無ければ魔法が使えない、そんな世界で彼は運良く魔法の才能を持って産まれた。  だが、使用できるのは攻撃魔法ではなく回復魔法のみだった。  攻撃魔法を一切使えない彼は、冒険者達からも距離を置かれていた。 彼は誓う、俺は回復魔法で最強になると。  --------- もし気に入っていただけたら、ブクマや評価、感想をいただけると大変励みになります! #ヒラ俺 この度ついに完結しました。 1年以上書き続けた作品です。 途中迷走してました……。 今までありがとうございました! --- 追記:2025/09/20 再編、あるいは続編を書くか迷ってます。 もし気になる方は、 コメント頂けるとするかもしれないです。

アルフレッドは平穏に過ごしたい 〜追放されたけど謎のスキル【合成】で生き抜く〜

芍薬甘草湯
ファンタジー
アルフレッドは貴族の令息であったが天から与えられたスキルと家風の違いで追放される。平民となり冒険者となったが、生活するために竜騎士隊でアルバイトをすることに。 ふとした事でスキルが発動。  使えないスキルではない事に気付いたアルフレッドは様々なものを合成しながら密かに活躍していく。 ⭐︎注意⭐︎ 女性が多く出てくるため、ハーレム要素がほんの少しあります。特に苦手な方はご遠慮ください。

外れギフト魔石抜き取りの奇跡!〜スライムからの黄金ルート!婚約破棄されましたのでもうお貴族様は嫌です〜

KeyBow
ファンタジー
 この世界では、数千年前に突如現れた魔物が人々の生活に脅威をもたらしている。中世を舞台にした典型的なファンタジー世界で、冒険者たちは剣と魔法を駆使してこれらの魔物と戦い、生計を立てている。  人々は15歳の誕生日に神々から加護を授かり、特別なギフトを受け取る。しかし、主人公ロイは【魔石操作】という、死んだ魔物から魔石を抜き取るという外れギフトを授かる。このギフトのために、彼は婚約者に見放され、父親に家を追放される。  運命に翻弄されながらも、ロイは冒険者ギルドの解体所部門で働き始める。そこで彼は、生きている魔物から魔石を抜き取る能力を発見し、これまでの外れギフトが実は隠された力を秘めていたことを知る。  ロイはこの新たな力を使い、自分の運命を切り開くことができるのか?外れギフトを当りギフトに変え、チートスキルを手に入れた彼の物語が始まる。

異世界へ行って帰って来た

バルサック
ファンタジー
ダンジョンの出現した日本で、じいさんの形見となった指輪で異世界へ行ってしまった。 そして帰って来た。2つの世界を往来できる力で様々な体験をする神須勇だった。

処理中です...