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40.決戦前の襲撃
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「おまえらぁ、二年の奴らに喧嘩売ったらしいなぁ? そこの担任が生意気な一年生だと言って、二年の奴らと一緒に必死こいてお前たちを打ちのめすステージ作ってたぞ」
僕たちが喧嘩を売られて買った後、担任に言われた言葉がそれだった。
なんか思ってたんと違う。
あれ? なんかちゃんと事情を話してくれると思ってたらそうじゃないんだ。
これはやられたかもしれない。
自分達に良いように担任に行って悪くないテイにしたんだ。
今回のことは僕たちが全面的に悪いかのように言われているみたい。
ふーん。そういう狡猾さで二年のトップに立ったんだね。
いいんじゃないかな。その狡猾さでもないと僕たちの敵になりえないからね。
「先生には言っておきますけど、僕たちが喧嘩売られたんですよ。だから、個別に襲撃とかされるまえに買ってやったんです」
「ふむ。まぁ、そんなこったろうと思ってたぜぇ。奴らはまともじゃねぇからなぁ。それに、特別強いわけでもねぇ。気を付けろよぉ? 奴らは勝つためならなんでもするぜぇ?」
その言葉通り、僕たちは自分たちの考えが甘かったことを実感することとなる。
今日が金曜日なため、クラス対抗の決闘は月曜からとなった。
それまで土日の間休養をしようという雰囲気だった。
だけど、金曜の夜そのムードは一変した。
部屋で過ごしていたときのことだった。
端末が鳴った。
「はい。リオン」
『リオンくん、ヤバい奴らに襲われてる。家へと帰ろうとしてたら……がぁ!』
「大丈夫!?」
それ以来、繋がらなくなった。
宣戦布告したにも関わらず仕掛けてくるなんて。
奴らは思った以上に常識がないらしい。
「リオンくん、どうしたの?」
「今、家帰宅組から連絡があった。襲撃されたみたい」
「えっ!? 大丈夫なの!?」
「わからない。他の子にも連絡してみる」
家へと帰宅する別のクラスメイトに連絡してみる。
繋がらない。
これは完全に油断していたなぁ。
寮で生活している人が多いとはいえ。
王都に家がある人は家から通っている。
そこを狙われたみたいだ。
重症者とかがいなければいいんだけど。
家を知っている人は確認しようかな。
「僕、ちょっと行ってくる」
「オレも行くよ」
バアルくんも表情が硬い。
もしかしたら、重症者がでるかもしれない。
奴らは放っておいてはダメだったんだ。
寮を出ると一番近い人の家へと向かう経路を走る。
人だかりができていた。
「すみません! ちょっと通してください!」
人をかき分けると。
目に飛び込んできたのは痛々しそうに腫れた顔だった。
これは、リンチされたんだ。
「大丈夫!?」
「……うっ。リオンくんか……ごめん。やられた……奴らは十人くらいで行動してる」
「家まで送るよ。家に治療できる人はいる?」
「母が……治療魔法を……使える」
体が痛むのだろう。
時折、腕や足を抑えながら僕の質問に答えてくれていた。
お姫様抱っこで抱え上げて運んでいく。
家へと送り届けると、事情を説明して謝罪した。その上で治療をお願いして家へとお返しした。
自分の考えが甘かったことに腹が立った。
宣戦布告すれば、正々堂々と戦ってくれると、勝手に思っていたんだから。
こういう闇討ちを警戒するべきだったのに。
僕のせいでけが人を出してしまった。
「リオンくん。自分を責めないで。君だけが悪いんじゃないよ。手、血が出てるよ」
そういわれて手を広げると爪が食い込んで掌から血が出ていた。
悔しい。クラスメイトをこんなに傷つけられて。
僕は反撃をすることもできない。
奴らの居場所がわからない以上、なにもできない。
他の家帰宅組の方も探すと倒れているクラスメイトを発見した。
謝りながら家まで運ぶ。
幸いなことにみんな家の人が治癒魔法を使えたから助かった。
今回のことでわかった。
僕たちと正面から戦う気がないということを。
家帰宅組はみんなやられていた。
クラスの割合で言うと三割。
これは手痛い犠牲だ。
「どうする? こっちも闇討ちでもする?」
バアルくんがそう提案してくれた。
さっきまでそうしようかと思ってたんだ。
僕たちの恐さをわからせてやろうって。
でも、それって結局あいつらと同じ土俵に上がるってことで。狡猾、極悪、卑劣、奴らにはそんな言葉がお似合いだろう。そして、そう呼ばれることを何とも思っていないことだろう。
逆に褒め言葉として受け取っているかもしれない。そんな奴らと同じことをしたとして、奴らに敗北感を味あわせることができるか。同じことをやったんだから負けても仕方ない。そう思うんじゃないかな。
だったら、やられたクラスメイトの分、圧倒的に勝ってみせよう。
そんなに甘い勝負ではないと思う。
でも、ストレートで勝とう。
「いや、僕たちはそんなことをしなくても強い。今回のことを鼻で笑って叩きのめしてあげよう」
「リオンくん。今回はいつになくやる気だね」
「あのね。僕たち竜人族っていうのは、仲間意識が強いんだよ?」
僕は初めて、高まる闘志で身震いした。決闘が楽しみじゃないか。二年がなんだ。こんなことをしないと勝負できないような奴らに、僕たちは負けない。
待ってろよ。圧倒的敗北を味あわせてやる。二年ゴールドクラス。
僕たちが喧嘩を売られて買った後、担任に言われた言葉がそれだった。
なんか思ってたんと違う。
あれ? なんかちゃんと事情を話してくれると思ってたらそうじゃないんだ。
これはやられたかもしれない。
自分達に良いように担任に行って悪くないテイにしたんだ。
今回のことは僕たちが全面的に悪いかのように言われているみたい。
ふーん。そういう狡猾さで二年のトップに立ったんだね。
いいんじゃないかな。その狡猾さでもないと僕たちの敵になりえないからね。
「先生には言っておきますけど、僕たちが喧嘩売られたんですよ。だから、個別に襲撃とかされるまえに買ってやったんです」
「ふむ。まぁ、そんなこったろうと思ってたぜぇ。奴らはまともじゃねぇからなぁ。それに、特別強いわけでもねぇ。気を付けろよぉ? 奴らは勝つためならなんでもするぜぇ?」
その言葉通り、僕たちは自分たちの考えが甘かったことを実感することとなる。
今日が金曜日なため、クラス対抗の決闘は月曜からとなった。
それまで土日の間休養をしようという雰囲気だった。
だけど、金曜の夜そのムードは一変した。
部屋で過ごしていたときのことだった。
端末が鳴った。
「はい。リオン」
『リオンくん、ヤバい奴らに襲われてる。家へと帰ろうとしてたら……がぁ!』
「大丈夫!?」
それ以来、繋がらなくなった。
宣戦布告したにも関わらず仕掛けてくるなんて。
奴らは思った以上に常識がないらしい。
「リオンくん、どうしたの?」
「今、家帰宅組から連絡があった。襲撃されたみたい」
「えっ!? 大丈夫なの!?」
「わからない。他の子にも連絡してみる」
家へと帰宅する別のクラスメイトに連絡してみる。
繋がらない。
これは完全に油断していたなぁ。
寮で生活している人が多いとはいえ。
王都に家がある人は家から通っている。
そこを狙われたみたいだ。
重症者とかがいなければいいんだけど。
家を知っている人は確認しようかな。
「僕、ちょっと行ってくる」
「オレも行くよ」
バアルくんも表情が硬い。
もしかしたら、重症者がでるかもしれない。
奴らは放っておいてはダメだったんだ。
寮を出ると一番近い人の家へと向かう経路を走る。
人だかりができていた。
「すみません! ちょっと通してください!」
人をかき分けると。
目に飛び込んできたのは痛々しそうに腫れた顔だった。
これは、リンチされたんだ。
「大丈夫!?」
「……うっ。リオンくんか……ごめん。やられた……奴らは十人くらいで行動してる」
「家まで送るよ。家に治療できる人はいる?」
「母が……治療魔法を……使える」
体が痛むのだろう。
時折、腕や足を抑えながら僕の質問に答えてくれていた。
お姫様抱っこで抱え上げて運んでいく。
家へと送り届けると、事情を説明して謝罪した。その上で治療をお願いして家へとお返しした。
自分の考えが甘かったことに腹が立った。
宣戦布告すれば、正々堂々と戦ってくれると、勝手に思っていたんだから。
こういう闇討ちを警戒するべきだったのに。
僕のせいでけが人を出してしまった。
「リオンくん。自分を責めないで。君だけが悪いんじゃないよ。手、血が出てるよ」
そういわれて手を広げると爪が食い込んで掌から血が出ていた。
悔しい。クラスメイトをこんなに傷つけられて。
僕は反撃をすることもできない。
奴らの居場所がわからない以上、なにもできない。
他の家帰宅組の方も探すと倒れているクラスメイトを発見した。
謝りながら家まで運ぶ。
幸いなことにみんな家の人が治癒魔法を使えたから助かった。
今回のことでわかった。
僕たちと正面から戦う気がないということを。
家帰宅組はみんなやられていた。
クラスの割合で言うと三割。
これは手痛い犠牲だ。
「どうする? こっちも闇討ちでもする?」
バアルくんがそう提案してくれた。
さっきまでそうしようかと思ってたんだ。
僕たちの恐さをわからせてやろうって。
でも、それって結局あいつらと同じ土俵に上がるってことで。狡猾、極悪、卑劣、奴らにはそんな言葉がお似合いだろう。そして、そう呼ばれることを何とも思っていないことだろう。
逆に褒め言葉として受け取っているかもしれない。そんな奴らと同じことをしたとして、奴らに敗北感を味あわせることができるか。同じことをやったんだから負けても仕方ない。そう思うんじゃないかな。
だったら、やられたクラスメイトの分、圧倒的に勝ってみせよう。
そんなに甘い勝負ではないと思う。
でも、ストレートで勝とう。
「いや、僕たちはそんなことをしなくても強い。今回のことを鼻で笑って叩きのめしてあげよう」
「リオンくん。今回はいつになくやる気だね」
「あのね。僕たち竜人族っていうのは、仲間意識が強いんだよ?」
僕は初めて、高まる闘志で身震いした。決闘が楽しみじゃないか。二年がなんだ。こんなことをしないと勝負できないような奴らに、僕たちは負けない。
待ってろよ。圧倒的敗北を味あわせてやる。二年ゴールドクラス。
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