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16.お爺さんからの招待
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「いやぁ! ホントに助かりました!」
ガントが頭を下げる。続いてフーマもモー二もイブも頭を下げる。
「「「ありがとうございました!」」」
「いやぁ。危なかったのぉ。……最近あの辺で悪質なMPKerが現れててのぉ。わしのクランでも犠牲者が出たもので、悪質プレイヤーを探しておったんじゃよ」
「そうだったんですね。俺も見ましたけど、フードを深く被っていて顔も見えませんでした。けど、レッドネームでした。一瞬だったので、名前までは覚えていません。……お力になれず、すみません」
「よいよ。あんな状況じゃったんじゃ。一瞬の出来事を覚えておくのは無理じゃろうて。それより、どんな状況で遭遇したのか、クランハウスでゆっくり聞かせてくれんかね?」
厳つい姿だったが、目を細めて笑うその顔は仏のようだった。
そのお爺さんは所属しているクランがあるらしい。
「はい。もちろんいいです。お爺さんはクランに所属してるんですね」
「そうじゃ。最近はちと落ち着かんがの。周りが騒がしくてのぉ」
「えっ!? ちょっと!? お爺さん! 名前!」
「ちょっと、失礼よ! お爺さんの名前が何したのよ。」
狼狽えるガントをモー二が宥めている。
お爺さんの名前? 頭の上を見ると緑色で
【トクラ】
とある。ん? なんか最近見たような名前だなぁ。どこで見たんだっけ?
「あっ! ランキング!」
俺が気付いて声を上げた。
そうだよ! この前見たばかりじゃないか。
「そうだよ! 1位のトクラさんだ!」
ガントが声を上げる。
「なるほど。妙に納得したわ」
モー二が感心したように呟いた。
「だから。強い」
イブも続いて感嘆の声を上げる。
すると、お爺さんは再び微笑みを浮かべた。
「ふぉっふぉっふぉっ。ちと他のものより闘いが得意なだけじゃよ。そこの、フーマと言ったか?」
「はいっ!」
「おぬし、なかなか見所があるのぉ。芯がしっかりしておるわい。相当鍛錬を積んでおるな」
髭を触りながら俺の事を凝視し、そう褒めてくれた。
だけど、俺なんてまだまだだ。
「とんでもないです。おれなんて、去年から一度も勝ててない」
「ふむ。思い悩んでおるようじゃのぉ。ま、ちと話しをしようではないか。街に戻るぞい」
トクラさんの先導のもと、ぞろぞろと街へ戻っていく。
道中は探るような視線、嫉妬の視線。槍で突くような視線に晒されて居心地が悪い。
めっちゃ見られてんだけど。そりゃそうか。一位の人と居たら注目されるよな。でも、そんなに見なくてもいいと思うんだけど。
俺たちって装備的にそんなに進んでないのが丸わかりだし、他の人から見たらアイツらなんなんだ? 状態なんだろうけどさ。
街の中へはいると、トクラが声を掛ける。
「それじゃぁ、行こうかの。招待するでの、承認するんじゃよ? そしたらクランハウスに行けるからのぉ。」
――――――――――――――――――――――
プレイヤーのトクラより、クランハウスへの招待が来ています。
承認する/拒否する
――――――――――――――――――――――
承認をタップする。
するとみんなが光の粒子になって行き、視界が暗転する。
目を開くととても大きな日本家屋が広がっていた。庭には池があり、周りには石造りの灯篭があったり松があったりとしっかりとした日本庭園が表現されている。
うわぁ。凄い綺麗な家だなぁ。
息を飲み、見惚れてしまった。
「自慢の家じゃ。中に行って話をしようかのぉ」
トクラさんが案内してくれたので、されるがままに俺たちはついて行った。
中へ入って行くと。
「じぃさん、誰を連れてきたんだ?」
そこには、赤い短髪の着物を着崩した女性がいた。その人からも何やら只者ではない雰囲気がヒシヒシと伝わってくる。
やはり、ランキング一位の人となるとこんな人達ばっかりのクランに居るんだろうか。
同じ目的を持った集団がクランだ。だとしたら、不思議なことではないのかもしれない。
「あぁ、テンカ、おったのか。ちと件《くだん》のMPKerを探している時に被害者を見つけてのぉ。助けたんじゃが色々話を聞こうと思って、連れてきたんじゃ。見所のある者がいたもので、興味が湧いたのじゃ」
「ほぅ。じいさんが気に入ったものか。珍しいな」
その女性は品定めをするようにこちらを眺めている。
綺麗な人だなぁ。
見惚れていると後ろから小声で小突かれた。
「ちょっと、何見惚れてるのよ!」
「えっ!!? いや、綺麗な人だと思って……」
モーニのツッコミに冷静に返す。
「ハッハッハッ。正直ものだな君は!」
その女性は豪快に笑い、俺の肩を叩きながら奥へと入っていった。
「ふぉっふぉっ。若いのぉ。まぁ、中に入りなさい」
トクラさんにも笑われながら中に案内され、ついて行くのであった。
女性が綺麗だったら綺麗って言って何が悪いんだろうか?
まぁ、気にしても仕方がないか。
中も日本家屋らしい床と天井、襖などがあり素晴らしい様相になっていた。
少し興奮しながら中へと入っていく。
ガントが頭を下げる。続いてフーマもモー二もイブも頭を下げる。
「「「ありがとうございました!」」」
「いやぁ。危なかったのぉ。……最近あの辺で悪質なMPKerが現れててのぉ。わしのクランでも犠牲者が出たもので、悪質プレイヤーを探しておったんじゃよ」
「そうだったんですね。俺も見ましたけど、フードを深く被っていて顔も見えませんでした。けど、レッドネームでした。一瞬だったので、名前までは覚えていません。……お力になれず、すみません」
「よいよ。あんな状況じゃったんじゃ。一瞬の出来事を覚えておくのは無理じゃろうて。それより、どんな状況で遭遇したのか、クランハウスでゆっくり聞かせてくれんかね?」
厳つい姿だったが、目を細めて笑うその顔は仏のようだった。
そのお爺さんは所属しているクランがあるらしい。
「はい。もちろんいいです。お爺さんはクランに所属してるんですね」
「そうじゃ。最近はちと落ち着かんがの。周りが騒がしくてのぉ」
「えっ!? ちょっと!? お爺さん! 名前!」
「ちょっと、失礼よ! お爺さんの名前が何したのよ。」
狼狽えるガントをモー二が宥めている。
お爺さんの名前? 頭の上を見ると緑色で
【トクラ】
とある。ん? なんか最近見たような名前だなぁ。どこで見たんだっけ?
「あっ! ランキング!」
俺が気付いて声を上げた。
そうだよ! この前見たばかりじゃないか。
「そうだよ! 1位のトクラさんだ!」
ガントが声を上げる。
「なるほど。妙に納得したわ」
モー二が感心したように呟いた。
「だから。強い」
イブも続いて感嘆の声を上げる。
すると、お爺さんは再び微笑みを浮かべた。
「ふぉっふぉっふぉっ。ちと他のものより闘いが得意なだけじゃよ。そこの、フーマと言ったか?」
「はいっ!」
「おぬし、なかなか見所があるのぉ。芯がしっかりしておるわい。相当鍛錬を積んでおるな」
髭を触りながら俺の事を凝視し、そう褒めてくれた。
だけど、俺なんてまだまだだ。
「とんでもないです。おれなんて、去年から一度も勝ててない」
「ふむ。思い悩んでおるようじゃのぉ。ま、ちと話しをしようではないか。街に戻るぞい」
トクラさんの先導のもと、ぞろぞろと街へ戻っていく。
道中は探るような視線、嫉妬の視線。槍で突くような視線に晒されて居心地が悪い。
めっちゃ見られてんだけど。そりゃそうか。一位の人と居たら注目されるよな。でも、そんなに見なくてもいいと思うんだけど。
俺たちって装備的にそんなに進んでないのが丸わかりだし、他の人から見たらアイツらなんなんだ? 状態なんだろうけどさ。
街の中へはいると、トクラが声を掛ける。
「それじゃぁ、行こうかの。招待するでの、承認するんじゃよ? そしたらクランハウスに行けるからのぉ。」
――――――――――――――――――――――
プレイヤーのトクラより、クランハウスへの招待が来ています。
承認する/拒否する
――――――――――――――――――――――
承認をタップする。
するとみんなが光の粒子になって行き、視界が暗転する。
目を開くととても大きな日本家屋が広がっていた。庭には池があり、周りには石造りの灯篭があったり松があったりとしっかりとした日本庭園が表現されている。
うわぁ。凄い綺麗な家だなぁ。
息を飲み、見惚れてしまった。
「自慢の家じゃ。中に行って話をしようかのぉ」
トクラさんが案内してくれたので、されるがままに俺たちはついて行った。
中へ入って行くと。
「じぃさん、誰を連れてきたんだ?」
そこには、赤い短髪の着物を着崩した女性がいた。その人からも何やら只者ではない雰囲気がヒシヒシと伝わってくる。
やはり、ランキング一位の人となるとこんな人達ばっかりのクランに居るんだろうか。
同じ目的を持った集団がクランだ。だとしたら、不思議なことではないのかもしれない。
「あぁ、テンカ、おったのか。ちと件《くだん》のMPKerを探している時に被害者を見つけてのぉ。助けたんじゃが色々話を聞こうと思って、連れてきたんじゃ。見所のある者がいたもので、興味が湧いたのじゃ」
「ほぅ。じいさんが気に入ったものか。珍しいな」
その女性は品定めをするようにこちらを眺めている。
綺麗な人だなぁ。
見惚れていると後ろから小声で小突かれた。
「ちょっと、何見惚れてるのよ!」
「えっ!!? いや、綺麗な人だと思って……」
モーニのツッコミに冷静に返す。
「ハッハッハッ。正直ものだな君は!」
その女性は豪快に笑い、俺の肩を叩きながら奥へと入っていった。
「ふぉっふぉっ。若いのぉ。まぁ、中に入りなさい」
トクラさんにも笑われながら中に案内され、ついて行くのであった。
女性が綺麗だったら綺麗って言って何が悪いんだろうか?
まぁ、気にしても仕方がないか。
中も日本家屋らしい床と天井、襖などがあり素晴らしい様相になっていた。
少し興奮しながら中へと入っていく。
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