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第三章

消息不明の人とは

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 固唾を飲んでおじさんの顔をみつめる僕たちに、「ご飯よ」と声が掛かり、一瞬で張り詰めた空気は砕け散った。

 おじさんは立ち上がると、「ご飯食べようか。」と云って微笑む。
僕と美乃利さんは、静かに立ち上がるとおじさんに付いてリビングを出た。


 夕食は、おばさん自慢のハンバーグで、付け合わせのジャガイモにはバターがたっぷり乗っていた。
魚介類も美味しいが、ジャガイモのおいしさは抜群。東京では食べた事のないものだった。

「北海道って、食べ物がすごく美味しいですよね。おばさんの料理が上手なんでしょうけど。」

 僕はさっきまでの緊張も忘れて、口に入れたハンバーグを頬張るとそう云った。
母の料理も美味しかったが、食材が違う気がする。

「嬉しいわねぇ、こんなに褒めてもらうと。うちじゃあ誰も褒めてくれないから。」

 おばさんはチラリとおじさんの顔を覗き見るという。そして、美乃利さんには「誰かさんも料理の一つは出来る様にならないとね。」と釘をさした。

「うっ、.....なんか、痛い。.....私は料理の好きな人と結婚するから。」

 美乃利さんは、おばさんの言葉を受けてそう云った。
僕は、その会話には入らずに黙って食べるしかない。おじさんもまた、黙ってご飯を放り込む。

 夕飯が済むと、美乃利さんは洗い物を手伝うと云ってキッチンに行く。
僕とおじさんは、リビングに行くとソファーに腰を降ろした。
テーブルの上にはさっきの写真が置かれたまま。おじいさんの姉が映った写真は、かなり昔の物。
いま顔を合わせても気付かないとは思う。ただ、どことなく僕の母に面影が似ている様に感じた。

「親父から聞かされたのは、亡くなる少し前かな。ぼくも大学の時だから、あんまり真剣には訊いてなくて、もちろんその頃は姉さんも音信不通じゃなかったし、重要な事じゃないと思っていたんだ。」

「けど、両親が他界した後で姉さんも音信不通になって行方が分からなくなった。.....どうしてうちの家系は、って思ったよ。正直、偶然なのか疑った。」

 おじさんはそう云うと悲しそうな目をする。

「ただねぇ、こういう事はあんまり口外しない方がいいんじゃないかと思って黙ってたんだ。」

「..........そうですか。..........もしも、亡くなっていたとしたら何か連絡とか来るんでしょうかね。僕の母の場合も、どうなんでしょう。」

「そうだなぁ、子供とか居たらそこに連絡が来るかもしれないが、この方が居なくなったのは独身の時らしいから。どうなんだろうね?」

 おじさんも僕も考えを巡らせていたが、結局は分からないまま。



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