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独身男性のひとり飯
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祐二たち三人は、喫茶店を出ると近くの和食の店に入って行った。
「ここの豚カツ、凄く美味しいから」と、佐伯がにこやかに言ったのは、時々この店を利用しているから。彼の勧めでここに来たが、祐二は入るのは初めてだった。
「佐伯さんは和食が好きなんですか?」
美乃利は四人テーブルの向かいに座る佐伯に訊ねた。
「うん、どちらかといえば和食派。ご飯と味噌汁が好きだからね。奥村さんもここに来ますか?」と訊かれ、祐二はちょっと気まずそうな顔をすると「いや、初めてです。あるのは知ってたけど、ひとりで入るのはちょっと……」と言った。
「私も和食のお店ってひとりでは入り辛い。ひとりでご飯食べる時はカフェに行っちゃう」と、美乃利が言うと、祐二も「だよね。僕もひとり飯はラーメン屋か牛丼だな」と言った。
元々、祐二は母が居る間は外食をすることも少なく、仕事で遅くなっても帰れば何かしら食べる物は残されていた。
母を亡くしてこの2年の間、夕飯はひとりでラーメン屋に行く事が多かった。健康に悪いと、先輩の水野に言われ、時折一緒に定食屋に行く事はあったが、ひとりならコンビニ弁当が手軽だ。
「ひとりで来辛いなら、オレと一緒に来ましょうよ。」
「え?」
「せっかく近くに住んでるのが分かったんだし、此処なら日替わりの定食もあるから。健康にはいいですよ」
佐伯に誘われて、祐二は少し戸惑うが、笑みを返すと「ありがとうございます」と言った。特に断る理由もないし、今後そんなに接点がないだろうと思っていたので、当たり障りのない返事を返しただけ。
注文した豚カツが運ばれてくると、一斉に目を輝かせてサクサクの感触を味わいながら堪能する。
「豚カツに付いてくるキャベツの千切りって、どうしてこんなに美味しいんだろう」
佐伯は箸で掬うと嬉しそうに頬張った。
「確かに。家ではこんなに綺麗に切れない。特別なスライスする機械でもあるのかしらね」
美乃利がそう言うので、祐二も佐伯も笑ってしまった。
食べながら、美乃利は凛華との様子を佐伯に話し、その間は岬志保の件から頭が離れていたが、一時間ぐらい経った頃、祐二の携帯に電話が入る。相手は水野だった。
「あ、水野さん。すみません、こちらから掛けるって言っておいて」
祐二は美乃利を泊めてもらうのに、連絡が遅くなってしまい悪い事をしたと思った。
「いいんだけど、何時ごろに来るのか聞きたかっただけ」と水野は言う。
時刻を見ると、もう9時近くて、流石に遅くなってしまった事を詫びる。
「これから送って行くんで、あと30分ぐらいしたら着くと思います。えっと、水野さんの家の場所を教えてもらえますか?」
「じゃあ、ラインしておくから。」
そういうと電話は切れた。
「ごめんなさい、約束があったんですね。ゆっくりし過ぎちゃったな」
佐伯が祐二に謝る。
「いえ、僕が忘れてたんで。…美乃利さんを泊めてくれる先輩の所に行くので、今日のところはこれで」
祐二が言うと、美乃利も「ごめんなさい。ありがとうございました。また明日電話させてもらいます」と佐伯に頭を下げた。
三人は店の前で別れると、祐二たちは一旦部屋に戻ってから、美乃利の荷物を持ってタクシーで水野の家まで向かった。
「ここの豚カツ、凄く美味しいから」と、佐伯がにこやかに言ったのは、時々この店を利用しているから。彼の勧めでここに来たが、祐二は入るのは初めてだった。
「佐伯さんは和食が好きなんですか?」
美乃利は四人テーブルの向かいに座る佐伯に訊ねた。
「うん、どちらかといえば和食派。ご飯と味噌汁が好きだからね。奥村さんもここに来ますか?」と訊かれ、祐二はちょっと気まずそうな顔をすると「いや、初めてです。あるのは知ってたけど、ひとりで入るのはちょっと……」と言った。
「私も和食のお店ってひとりでは入り辛い。ひとりでご飯食べる時はカフェに行っちゃう」と、美乃利が言うと、祐二も「だよね。僕もひとり飯はラーメン屋か牛丼だな」と言った。
元々、祐二は母が居る間は外食をすることも少なく、仕事で遅くなっても帰れば何かしら食べる物は残されていた。
母を亡くしてこの2年の間、夕飯はひとりでラーメン屋に行く事が多かった。健康に悪いと、先輩の水野に言われ、時折一緒に定食屋に行く事はあったが、ひとりならコンビニ弁当が手軽だ。
「ひとりで来辛いなら、オレと一緒に来ましょうよ。」
「え?」
「せっかく近くに住んでるのが分かったんだし、此処なら日替わりの定食もあるから。健康にはいいですよ」
佐伯に誘われて、祐二は少し戸惑うが、笑みを返すと「ありがとうございます」と言った。特に断る理由もないし、今後そんなに接点がないだろうと思っていたので、当たり障りのない返事を返しただけ。
注文した豚カツが運ばれてくると、一斉に目を輝かせてサクサクの感触を味わいながら堪能する。
「豚カツに付いてくるキャベツの千切りって、どうしてこんなに美味しいんだろう」
佐伯は箸で掬うと嬉しそうに頬張った。
「確かに。家ではこんなに綺麗に切れない。特別なスライスする機械でもあるのかしらね」
美乃利がそう言うので、祐二も佐伯も笑ってしまった。
食べながら、美乃利は凛華との様子を佐伯に話し、その間は岬志保の件から頭が離れていたが、一時間ぐらい経った頃、祐二の携帯に電話が入る。相手は水野だった。
「あ、水野さん。すみません、こちらから掛けるって言っておいて」
祐二は美乃利を泊めてもらうのに、連絡が遅くなってしまい悪い事をしたと思った。
「いいんだけど、何時ごろに来るのか聞きたかっただけ」と水野は言う。
時刻を見ると、もう9時近くて、流石に遅くなってしまった事を詫びる。
「これから送って行くんで、あと30分ぐらいしたら着くと思います。えっと、水野さんの家の場所を教えてもらえますか?」
「じゃあ、ラインしておくから。」
そういうと電話は切れた。
「ごめんなさい、約束があったんですね。ゆっくりし過ぎちゃったな」
佐伯が祐二に謝る。
「いえ、僕が忘れてたんで。…美乃利さんを泊めてくれる先輩の所に行くので、今日のところはこれで」
祐二が言うと、美乃利も「ごめんなさい。ありがとうございました。また明日電話させてもらいます」と佐伯に頭を下げた。
三人は店の前で別れると、祐二たちは一旦部屋に戻ってから、美乃利の荷物を持ってタクシーで水野の家まで向かった。
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