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問い詰める
しおりを挟む車の中で考え込む4人。これから菅沼に会うのにどんな顔をしたらいいのか。
「取り敢えずこのぬいぐるみとカメラは車に残したままで。ただ、肝心の探す物が無くなった訳ですが、…..どうしましょう」
祐二がみんなに答えを求める。すると佐伯が、あ、と息を吐くと「そうだ、さっき本村さんが話していて気になったんだけど」と言う。
「なんですか?」
「ほら、カーテンが派手過ぎて安眠出来ないって。あの部屋は確かグレーのカーテンだったよね。オレたちは、あの黒一色の部屋の印象が強くて色々見落としてるんじゃないかな」
佐伯は祐二たちに言うと、「あの部屋って本当に岬さんの部屋なんだろうか」と不可思議な事を呟いた。
「確かに。菅沼さんに案内されて、何の疑いもなく岬さんの部屋だと思ってました」
祐二がそう言うと、水野も美乃利も「確かにね」と頷く。
「あの部屋の印象で、岬さんの性格が変わった人なんだって思い込んだし、失踪の要因になってるとも思った」
水野は祐二たちに言った。
「とにかく、カーテンがあるのか探しましょう。ひょっとして、グレーのカーテンに掛け替えて派手なのは仕舞い込んでる可能性もありますからね」
「そうね、じゃあ、とりあえずは確かめてみましょう」
佐伯と水野に言われて、祐二も美乃利も頷くと、車を降りて寮の入り口に向かって歩き出した。
「こんばんは、遅くに押しかけてすみません」
菅沼が開けたドアから顔を覗かせた佐伯が言う。
「こんばんは。別にいいですけど…..何を探しているんですか?」
「ご家族から頼まれた物をいくつか。それを持って出ているのか気になったそうなんで」
もちろん、これは美乃利の嘘。探したかった物はすでにあり、今は派手色のカーテンがあるのかを調べたかった。
「どうぞ」と言って、再びあの部屋に通された祐二たち。
電気をつけて中に入れば、やはりなんとも言えない気分になる。あの華やかな岬志保がこんな暗い所を好むだろうかと。廃屋や廃墟巡りは別として、普段生活するなら自分の趣味に合ったインテリアに囲まれたいと思うものだろう。
クローゼットを開けてもう一度中の衣類を見てみた美乃利。
「あれ?…..この前はこんな服無かった気がするんですが」と言った。前回は一瞬だけしか中の服を見なかったが、殆どダークカラーというか、おとなしめの色合いが多かった。なのに、今目の前のクローゼットには、佐伯が飲み会の時に見たワンピースが目に付く場所に掛かっている。クローゼットの様子が以前とは違って見えた。
祐二は、佐伯たちの感じ取った違和感を共有すると、前回ベッドの上に畳まれた衣類があったのを思い出してベッドを見る。
綺麗に整えられていて、洗濯物は無くなっていた。というか、なぜかこの部屋には人の出入りがある気配がした。普通に使われている感じがする。
「この前はチラッと見られただけだったから、見落としてるんじゃないですか?一体何を探しているんですか?」
菅沼は美乃利の後ろで腕を組みながら訊ねる。前回、もの静かな言い方だった彼女が、今は少し大きめの声で威嚇しているようにも感じられる。その声を聞きながら、美乃利は「テディベアのぬいぐるみです」と言った。
祐二たちはハッとなったが、互いの顔を見合った後で菅沼に視線を送れば、さーっと青ざめていく菅沼の顔が目に入った。
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