物言わぬ家

itti(イッチ)

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 菅沼は、佐伯たちが自分の方を見て驚いている事に気付くと、気を取り直してコホン、とひとつ咳払いをした。
「そんな物あるんですか?」と美乃利に訊ねる菅沼。どうやら部屋で見た事は無かったようだ。
 
 水野はクローゼットを覗きながら、一応派手なカーテンがあるかと見てみたが、目につく場所には無かった。
もっと探してみようと、衣装ケースを引き出そうとした時に「ちょっと、そこは」と、慌てた様子の菅沼。
「そんな所にぬいぐるみなんか入らないでしょ、それにそこは下着とか、、、が入ってるかも、、、」
 そう言うと、視線を落とす。

「あ、すみません、、、」
 水野はそう言うと菅沼に頭を下げた。なんだか菅沼の物を勝手に見ている様で気が引ける。それと同時に、佐伯の言った言葉が確信をついていたのでは、と思った。
「普通は、ぬいぐるみって目に付く所に置きますよね。ベッドとか、チェストの上とか。でも、ひょっとして恥ずかしくて隠しているのかも、って思ったんです。だって、この部屋のインテリアには似合わないから」
 美乃利は菅沼の顔を見て言った。すると、菅沼は険しい顔になり「岬さんがテディベアなんかに興味を持つって、信じられませんけど」と言い腕組みをするとドアを開けて部屋を出て行く。
菅沼の様子はやはりおかしいと思う。しかし部屋を出て行ったという事は調べられても良いという事か?美乃利は首を傾げると衣装ケースに手を伸ばした。
「ここ、ホントに下着入れでしたね」と、引き出した中身を前にポツリと言った。
「カーテンは無いね。あと、パソコンも」
 水野がそう言いながら祐二の方を見る。

「佐伯さんが言うように、どうもこの部屋が岬さんの部屋とは思えませんね。どうしますか?」
「菅沼さんに確認するしかなさそうね。さっきの様子じゃ話をしてくれるか分からないけど」
祐二と水野の会話を聞いて、美乃利は「私が聞いてみます」と言い出す。クローゼットを閉めると、祐二たちの前を横切ってドアを開けた。
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