物言わぬ家

itti(イッチ)

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家宅捜索

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 佐伯から新しい話を聞いて、さらに混乱しそうな頭を冷やそうと、祐二はもらった水を全て飲み干した。
「岬さんの遺体が発見されたというニュースが出るのも時間の問題です。社内で知っているのは、今のところオレと総務部長、それから営業部長だけです。あ、社長も知っているかもですが、岬さんは既に退職した事になってましたし、うちの会社名は出ないと思います」
 佐伯は少し頭を抱えながら、それでも祐二の目を真っ直ぐ見ると言った。

「僕は佐伯さんの事を疑ったりしませんよ。岬さんの事は最悪の結果となってしまって残念ですが、今度は犯人が早く見つかる事を願うだけです」
「……ありがとう、奥村さん。オレも犯人が見つかる事を願ってますよ。でないと、警察に呼ばれるたびに社員の視線が痛くて」
「でも、菅沼さんの供述があって、あの家の辺りを調べた結果、遺体も発見されたんでしょ。そこは警察に感謝ですね」
「そりゃそうですけど、オレに疑いの目を向けられたら、たまったもんじゃない」
「今は警察に任せるしかないですね。佐伯さんは普通にしてればいい。何かあれば僕に連絡下さい」
  そう言うと、祐二は頭を下げて玄関に向かった。


  佐伯を心配しながらも、自宅に戻ると、カップラーメンを食べる。が、昼に水野と話した事を思い出す。
  山里の所にあるテディベアを菅沼に返さなくては。
早速、山里に電話を入れた祐二。すると、呼び出したまま山里が電話に出ることは無かった。

  その後も何度か掛けてみたが、山里は電話口に出ない。仕方なくその晩は眠る事にした。

  翌朝、佐伯から聞いた話を水野にすれば、水野の表情がパッと変わった。仕事に忙殺されて、淀んでいた瞳は光を取り戻す。
祐二が、山里と連絡が取れない事も伝えると、水野は今夜直接家に行こうと言った。

「直接行っても、山里さん居なかったらどうします?」
「その時は家族の人に言って待たせて貰う」
「えっ」
    相変わらずの水野の強引さ。ああ、そうだった、この人はこういう性格。祐二は再認識すると、分かりました、と言って仕事を続けた。


  二人が山里の家に向かうと、ガレージの前には何処かの車が2台も停車していた。
「お客さんでも来てるんですかね」
  横を歩く水野に言えば、うーん、と首を捻る。家の外にも人が居て、なんというか、尋常ではない物々しさを感じた。

「どうします?このまま家に行きますか?それとも日を改めて」と、祐二が聞くが、水野はズンズンと歩いて行く。そして門扉の前で立ち止まると、近くに居たスーツの男に「こちらのお宅に御用ですか?」と聞かれた。

「はい、こちらの息子さんの知り合いですが、電話が繋がらなくて、直接来たんですけど」
  水野が丁寧に言うと、スーツの男は少し考えて「今はちょっと会えません。家宅捜索中ですので」と言った。

「は?!」
  水野も驚いたが、同じ様に祐二も驚きのあまり声をあげた。
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