三尺刀使いの仮想現実戦記

椛

椛の思い出part１０体育祭・３

『只今よりプログラムプログラム１３番
二年生によるクラス対抗選抜リレーです。選手の方々は入場してください』
ダッダッダッ。
さあ始まりだ！クラス対抗選抜リレー。
『さあ始まります。クラス対抗選抜リレーが！位置について、よーい、ドンッ』
ドンッ。
始まりを告げる音が聞こえた瞬間から体は動き出した。
風を切り裂いてトラックを走る。そして最後の直線にかかる。
この直線でバトンを渡さないといけない。
「進め！」
「了～」
「パス」
「受け取ったよ。あんたのバトンあんたに届けるからね」
次の走者にバトンを一位で渡してトラックの中の列に並んでアンカーの出番を待つ。
二番走者は今回のリレー走者の中でかなり遅い部類らしい。
私がトップ早々差をつけ彼女に走らせると言う作戦らしい。
でも見ててかなり遅い。最初の１００mでつけた差は２０m程だがもう５０m通過地点で１０m程まで縮められていた。やばくない？抜かれるよ、これ。
次の走者で抜かれるでしょ。
「頑張れー」
そう言いながら応援する。
あと少し頑張って。
残り２０mのところに着いた時には二位との差は５mも無かった。来る！来る！来る！
抜かれた！バトンを渡す．数秒の間に抜かれた！やばい。
何がやばいかって？これからの走者は殆ど同じスピードで走るのだが、一位と二位のやる気の差は少なからずある。
その差で負ける可能性がかなりあるため最悪私が最後の二週（２００m）で５０mくらい距離を縮めろとか言われる可能性が無いと断言できないのだ。
「負けんな！」
そう応援した。私の耳に入ってきたのは『頑張れ！椛の負担を減らせ！』そう言う青の声だった。