三尺刀使いの仮想現実戦記

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第一陣ヤドカリ

再誕と出撃

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「始めての殲滅戦だゼェ!」
「炎!焦るな。落ち着いてお前は遊撃が得意だ。それを存分に活かせ!」
「ちょっ!大声出さないで下さい」
「了解だ!」
「私は?」
「椛はカウンター主体だ。多数対多数の殲滅戦で最も重要な要素は拠点だ。敵の陣地の中で拠点を作りそこから遊撃隊が侵攻し殲滅が理想のムーブだ。それに必須なのは不動の拠点だ。木の葉、お前はその拠点の核となれ。隙があれば攻撃もしろ」
「わかったわ」
「「「我々は?」」」
「貴方達ですか。足の早い者は遊撃隊となり遊撃し、拠点で休むと言う流れを取りなさい!その他は拠点の防衛となれ。遊撃隊が休まる場所を守る肉壁となれ。攻撃と防御を合わせなさい!無理な攻撃は御法度です!」
「「「了解です」」」
「浄水、貴方は曲射で最低限火力支援は出来ますよね?」
「一応出来なくはないです。ですが曲射にはスキルポイント振ってませんし私自身下手です」
「出来る出来ないで答えなさい」
「出来ます」
「やりなさい」
「フレンドリーファイアは?」
「奥の遺骸を狙いなさい。味方が居ない何処には幾ら撃ってもフレンドリーファイアにはならないわ」
「やるだけやってみますわ。・・・と言うか大将、口調戻ったんですね」
「ええ」
「では、前線の皆さん。当たらないで下さい」
浄水は私の指示通りリーズンカラーベトの死骸に向かって矢を放つ。
「凄いですね」
「弾き絞りを強くしないとだからDPSは落ちます」
「仕方ありません。それに、遠いから火力の減衰もあるでしょう。気持ち程度の支援ですあっ、落胆する事は無いですよ。無かったら面倒臭いでしょうし」
「そろそろ行けますか?大将」
「ええ。もういけます」
「分かりました。準備します」
「私はいつでもいけますよ」
「了解です。準備でき次第連絡します」
「宜しい。そうお願いします」
「・・・大将、なんで大将はそんなに強いのですか?」
「強い?私が?」
「そうですよ!大将は強いです!」
「フフフッ、私が強い?面白い冗談ですね。強いのは私ではなく大海流と寒天一流が強いだけだよ。さて、無駄話は良いですが、準備は終わりました?」
「はい。終わりました」
「よろしい。では浄水」
話の途中に私は浄水の前に立ち、屈む。
「乗りなさい」
「ふぇ?」
「ふぇ?じゃ無いですよ。私の背中に乗りなさい」
「な、何の冗談でしょうか?」
「何の冗談でも無いですから、早く私におぶられなさい」
「わっ、わかりました」
そう言うと浄水は私の背中に乗ってきた
「では行きますよ。準備は良いですか?ちゃんと捕まってないと殺しますから」
「はっ、はいーっ!」
浄水がかなりキツく締めてくる。
「では、不肖激流、参ります!」
「浄水参ります!」
そう言うと私は抜刀し腰を少し下ろす。
「た、大将!何故抜刀を?」
「見てなさい・・・いえ、感じなさい。これから起こることを」
「なっ、何をするのですか?」
「大海流神伝神技」
バキバキバキ。
地面にヒビが入る。
「なっ、何をしようとしているのですか?大将」
「アナーヒター速の型」
バキンッ!
地面が割れる。
「そんな技ありましたっ!?」
「行きますよ。喋らないで下さいね」
「あっはい!」
ぽん。
余りの轟音に世界から音が消えた。残っているのは静粛だけだった。
「早駆ケノ水流」
「大将!何ですか!?これは!?」
「走りながら話す」
浄水が何だ?と言ったのも無理も無い。後ろを見ると分かるのだが、先程までいた所から蟹共の群がるエリアの奥まで刹那の間に移動したのだ。しかも蟹やリーズンカラーベトの死骸は死んでいるのに仲間たちは生きている。理解しろと言われても無理だ。なんなら初回で理解されたら自信無くすから。
「では教えて下さい」
「大海流の奥義はなんだか覚えてる?浄水」
「波爆ですよね師匠」
「よろしい。確かに大海流奥義は波爆だね。今したのは大海流の奥義の奥にある物、大海流の神伝神技と私が名付けた技群の一つだよ」
「えっ、つまりは、大海流は通常技と奥義と神伝神技の3つに分かれていると言うことでしょうか?」
「もう少し分類は有るけど大まかに分ける場合はそうだよ。神伝神技の技名は神の名前を使っている」
「今のもですか?」
「そうだよ。今のはアナーヒターという技はペルシア神話に登場する川や水を司る女神の名前だよ。アナーヒターという技の伍分岐技として剛の型、力の型、柔の型、柔の型そしてさっき使った速の型の五つだよ。全ての神伝神技に言えるけど長い溜めがいるのが欠点だね。後神伝神技は大体が通常技の魔改造技だよ。アナーヒター速の型早駆ケノ水流は水竜・胴の魔改造技だよ」
「えっ、つまりは!水面の神伝神技バージョンもあると言う事ですよね!?」
「ええ。技としては大海流神伝神技クトゥルフ滅の型秩序ト反映ヲ消シ去ル混沌ノ大海にあるたね」
「次の亀で使ってください!」
「あんまり頻繁に出せる物じゃ無いんだ。神伝神技は。ごめんね」
「なん、ですと!」
「亀では無理でも多分木馬は行けるよ」
「ありがとうございます!師匠!」
「そろそろ着くね」
「もう終わって居ますかね?後ろの蟹」
「もうちょいかかるんじゃ無い?」
「師匠がやりすぎましたからね」
「やり過ぎいうな」
「着きましたよ」
「了解」

リーズンカラーベト編終了
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