夜の獣と人と

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村で

新たなる日々を願いて

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僕達は二日かけ国境を渡り更に三日かけ目的地のヴィブル村に着いた。ヴィブル村についてだが、ヴィブル村はヒリアにある村で人口は200人程と比較的小さい。僕は出る前に移住の事を紙に名前を書いて郵便で運ばせた。因みに郵便とは魔法の鳥であり、銀貨5枚で利用できるすぐに物を送ることができるものだ。なので移住については送られているはずなので村長に会いその旨伝えて村民表的な物に名前を書いてはれて移住完了である。僕達は村に向かって足を進める。
「後少しだね、ヴィレン」
「そうだな」
「後少しで、私とヴィレンの愛の巣(家)が出来るんだね」
「不穏な単語があったけど無視して、家がたつんじゃなくてあの村に住む権利が僕達に与えられるの」
「私とヴィレンの愛の巣(家)は?」
「建てるか買うかのどっちかだよ」
「よし、古葉白狼族の家を建てよう」
「前から気になってたんだけど、古葉って何?白狼は分かるけど」
「古葉白狼族の始まりが古葉天狗だって言う事で古葉白狼族らしい」
「古葉天狗ってなに?」
「私もあんまり知らないけど私の背中から翼が生えた様な感じだったらしいよ」
「ふむふむ」
フィリアに翼を生やした感じ、可愛いな。今度生えないか聞いてみよっか。
「ちょっと、今不穏な事考えたでしょ?」
「そそそそんな事ないよ」
やばいなんで分かったの?
「動揺しすぎ。其れよりも、私は翼生やせないからね」
「なっ、何故僕の考えてる事が分かったの!?」
「ヴィレンって結構顔に出るタイプだよ」
「マジ?」
「うん。だから結構分かりやすい。私の心眼を使わなくてもね」
そう言いながらフィリアはどう言う理屈かは知らないけど右眼に碧い炎を纏わせた。
「なに其れ?」
「心眼。私の能力の一つで気の流れや相手の心を読む事が出来る目だよ」
そしてフィリアは炎を消す。
「まああんまり使わないけどね」
「何で?」
「ヴィレンはそうじゃ無いけど人間って心の中は結構どす黒いんだよ。其れをあんまり見たくないの」
「僕はないの?」
「うん。遠目で見たことあったけど綺麗だったよ。さっき見た時もね」
「へー」
「それにしてもヴィレン」
「なぁに?」
「私とあんな事やこんな事(自主規制)をしたいと」
「何でバレた!?」
「ふふっ、古葉白狼族以外の使う心眼は相手の精神浅層と相手の許した範囲しか見れないけど古葉白狼族はそういう目を使ったりする能力と相性が良いからね。相手の精神の最深層以外は無条件に見れるよ」
「フィリア」
「なぁに?」
「あんまり僕の心は見ないでくれ」
「そもそも心眼を使う時自体があんまり無いからね。強いて言うならヴィレンが浮気した時とかだね」
「フィリア以上に可愛い子なんて居ないから大丈夫」
フィリアは顔を赤らめながら言う。
「そうだよね。ヴィレンが浮気したら、同界転生の法を使って私とヴィレンを殺すから」
「同界転生の法って何?」
「其れを使って殺した二人を同じ世界に幼馴染として生まれ変わらせる術」
「つまりは?」
「ヴィレンが浮気したらこの世界に別れを告げて他の世界でヴィレンの転生体と結ばれる」
「性別が変わる事は?」
「無いらしい」
「らしい?」
「他の世界に行くから観測方法があんまり無くて有るのはなんとなくだからよくわかんない」
「うおい!」
「あっ、安心してね。友達夫婦を送って成功って観測できたから」
「ならまあ良いけど」
「まあ、使わせないでね、ヴィレン」
「うん」
「なら良いよ」
「其れは其れとして、着いたね。村長の家」
「うん」
コンコン。
僕は村長の家のドアを叩く。
「はい何でしょう?」
出て来たのは熊耳を持つ人間で言う三十後半位のオッサンだった
「すいません。移住を希望していた
ヴィレン・アトフィクタと」
「妻のフィリア・アトフィクタです」
「ふむ、聞いていた通りだね。中に入りたまえ。住民表と村民表を書いてくれ」
「わかりました。失礼します」
「失礼します」
「君達は礼儀が良いね。最近の若者は礼儀のなってない者が多いが君達は違う様だ」
「ありがとうございます」
「私は最近まで山に引きこもってたから
ヴィレンの真似をしただけだよ」
「はは!確かに君は魔物だからね。其れにしても、何故君の様な強大な力を持つ魔物が人の妻になっているんだい?」
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