濃紺の火花

怖いよ、妹よ

「さて、現在Shima-Fabrikでは我が領土となる予定のフエゴ島に向けて帆を上げた。次に俺がしなければならないのはフエゴ島に建設を予定する造船所の設計だ」
候補は三つ。
第一案に呉海軍工廠。
※呉海軍工廠ってなんぞ？呉海軍工廠はその名の通り日本の広島県呉市にあった海軍工廠。現在はジャパンマリンユナイテッド呉工場と名前を変えて改装や埋め立てなどを得て現存している。作られた艦で有名なのが多すぎるので惜しいが五隻だけ紹介する。世界で初めて主砲口径が４０cmを超えた長門。ミッドウェーで沈んだ多分大日本帝國で一番有名な正規空母赤城（巡洋戦艦として建造されていた時から）。当時は世界最大の潜水艦？だった潜水空母伊四〇〇型潜水艦の伊四〇〇。大日本帝國で最も有名であろう戦艦大和。
第二案に横須賀海軍工廠。
横須賀海軍工廠ってなんぞ？神奈川県横須賀市幕末に建設された横須賀製鉄所を源流とする海軍工廠。現在は在日米軍の横須賀海軍施設（通称横須賀基地）となっている。建造された代表的な軍艦は大和型戦艦三番艦改め信濃型航空母艦信濃。幸運の航空母艦と有名な瑞鶴の姉翔鶴。金剛型二番艦比叡。
そして第三案に・・・俺自ら設計する。
呉海軍工廠はドックが四。修理用の乾船渠（かんせんきょ）と建造用どちらでも使う。
横須賀海軍工廠は造船用ドックが三＋潜水艦用一。修理用の乾船渠は六。呉海軍工廠よりも汎用性に優れる反面建設に膨大な時間がかかる。
・・・そして俺自ら設計する場合は造船用ドック六＋潜水艦用ニ。乾船渠は四で設計するな。横須賀海軍工廠の拡張verとして設計する。
どうしようかね？呉は小さいが・・・横須賀にするか。
そうまとめて図面を描こうと髪とペンを出したその時、
バァァァン！
けたたましい音が部屋の入り口から聞こえてきた。
そして俺は部屋の入り口を見る。するとそこには・・・仁王立ちで立ち構えている妹、玲が居た。
「兄上、兄上今何処居んの？」
俺は玲の言った事が良く理解出来なかった。
「ドユコト？」
俺がそう聞き返すと玲は改めて俺に聞いてきた。
「兄上はShima-Fabrikで何処に居んのって聞いてんの」
あぁ、そういうことか。ならば答えは一つ。
「洋上だよ。フィジーまでの航路の途中のね」
「は？兄上チュートリアル受けずに出航したの？」
「チュートリアル？あうゆうのは手探りでなんぼだろ？」
そう言うと玲は顔を手で覆った。
「馬鹿なの？」
そう、冷たく言った。