シナリオを退場した悪役令嬢は、賢者様をハッピーエンドに導きたい!!

冬野 冷

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第二章 乙女ゲームの舞台、それはルミワ魔法学園!!

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 ね、眠い。早く終わってほしい・・・・・・。
 現在入学式進行中。睡魔と戦いながら校長先生の話を聞いています。何なんだろうね、何処の世界でも校長先生のお話は眠くなるものと決まっているのだろうか? 校長先生の話は長いっていうのはお約束なの? 席は自由だったからレイン様の隣に座ることができた。それはうれしいんだけど・・・・・・正直、早く終わってほしい・・・・・・。仕方がないので、私の隣の席に座っているレイン様のことを、千里眼で観察していることにした。
 ほぅ・・・・・・やっぱり、レイン様イケメン・・・・・・。髪を結んだことで凛々しさが増したレイン様はとってもかっこいい。
「エリシア、みんなどこに向かっているの?」
「え?」
 レイン様の声にハッとして周りを見ると、既に入学式は終わり、みんな移動し始めている最中だった。あ、危ない。レイン様に声をかけてもらわなかったら、一人取り残されてしまうところだった。
「えっとね、みんなは今から、自分が入りたいと思う学科の見学に行くんだよ」
「見学?」
「うん。ルミワはね、中等部までは基礎的な学問を治めることが中心なんだけど、高等部に入るとそれぞれが学びたいことを専門的に学べるようにそれぞれかが分かれているんだ」
「ああ、そういえば、そんなこと聞いたことがあるような・・・・・・」
「たしか、普通科、魔法科、魔法剣士科、錬金術科、聖魔法科、隠密科、従者科、図書科とかがあったはず」
「へぇ、いろいろあるんだね」
「でしょ? レイン様、続きは移動しながら説明するよ。先に移動したほうがいいかも」
「わかった」
 私が促すと、レイン様は私の手を取って扉へと向かって・・・・・・手、手ーーーーーー!! 自然すぎてそのままレイン様についていってたけど、私、手をつないじゃってるーーーーー!! 普段からこうだったし、登校中もこうだったけど・・・・・・さすがに、これは恥ずかしい。だって、登校中とは比べ物にならないくらいたくさん人がいるんだよ!? しかも、隠蔽の魔法もかけてないからみんなに見られている。視線が、視線がーーーーーー!! じわじわと顔が赤くなっていっているのを感じて、うつむく。
「あぅ・・・・・・」
「エリシア?」
 気づけば、私たちは会場から出ていた。それでもまだたくさんの人がいて、私たちに注目しているのがわかる。・・・・・・恥ずかしい。
「うぅ・・・・・・」
「・・・・・・」
 レイン様の声に何の返答もしない私に何を思ったのか、レイン様は足を進めて人通りの少ない中庭のほうに向かっていく。やがて、人の気配もしなくなったころにレイン様が立ち止まった。
「エリシア、どうしたの?」
風でも引いたのかな、とレイン様が私のおでこに手を当てた。
「ち、ちがっ」
「じゃあ、どうしたの?」
 いまだに顔をあげない私を、レイン様がじっと見ているのがわかる。いまだに顔の熱は下がらない。きっと、私の顔は真っ赤なのだろう。
「だって・・・・・・!!」
「っ!?」
 私は、勢いよく顔をあげてレイン様をにらむように見る。レイン様はいきなり大きな声を出した私に驚いたのか、驚いたかのような顔で私を見ていた。
「レイン様が、あんなにたくさん人がいたのに!!・・・・・・手をつないで!!」
「え? う、うん。手をつなぐの、嫌だったの?」
「いやじゃなかったけど、いやじゃなかったけど~!!」
「うん」
 レイン様は私の言葉を待つように、じっと私の眼を見ている。レイン様の紅い瞳に私が映っているのが、また恥ずかしく思えて、ドキドキして・・・・・・。
「はずかしかったの・・・・・・」
すっと目をそらして、小さな声でつぶやくように言葉を漏らした。
「え?」
「だ、だって、あんなにたくさん人がいて、すっごく見られていて・・・・・・でも、レイン様は全然気にしてないし・・・・・・」
ごにょごにょと言い訳をするように話していると・・・・・・突然、レイン様に抱きしめられた。
「ふぇ!?」
「あ~。エリシア、かわいい」
「ええ!?」
「かわいい・・・・・・」
そのまま、ぎゅうぎゅうと抱きしめられる。抱きしめられている私は、レイン様の突然の行動に驚きながらも、このチャンスは逃さんとばかりにレイン様を感じていた。レイン様って、全体的にすらっとしているし普段からローブばかり身にまとっているからもやし体型に見えるけど、実は結構筋肉もついていて・・・・・・・ああ、レイン様の甘い香りが・・・・・・とか、我ながら変態的なことを考えていると、レイン様が私を離した。そのことに少しだけさみしさを感じていると・・・・・・レイン様は私をお姫様抱っこして近くのベンチに座った。私を膝の上にのせて・・・・・・。
「れ、レイン様!?」
「うん、どうしたの? エリシア」
「え? ・・・・・・え?」
「ねえ、エリシア。それぞれの学科について、教えてくれるんでしょう?」
 すっと、私のおなかに手をまわしながら、レイン様がそういった。え? この状態で? 
「うん、そうだけど・・・・・・レイン様、今日はどうしたの?」
「ん?」
「今日のレイン様は、なんかスキンシップが激しい気が・・・・・・」
「ん~・・・・・・ひみつ」
 レイン様は、どこか妖艶に笑いながら私ぎゅっと抱きしめた。うあーーーーーーーーー!! レイン様が、レイン様が!! あの乙女ゲーレインみたいな笑い方を!! しかもそれなかなかゲットできなかったスチルの笑顔!! その色気にあてられて、もう、昇天しそう・・・・・・。
「ぅん・・・・・・」
「エリシア!?」

 私はそのまま気絶しました。


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