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【第3章:王都編】 第7話「決戦前夜――魂を継ぐ刃」
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夜の《プロメテア》
鍛造炉が、深紅の火を噴き上げていた。
その光は、まるで炎の竜が天を駆けるように激しく、そして神聖だった。
隼人は黙々と打ち続けていた。
「……この刃は、俺自身の“罪”を断つためのものだ。
魂を削る兵器じゃねぇ。“魂を守る刃”だ」
素材は、クロードたちが命懸けで採ってきた“竜骨鉱”の中でも最も純度の高い《深層竜脈核》。
さらにリリィが封じた“命喰い炉”の魔核から抽出した、“還元魔素結晶”。
それを組み合わせて、隼人が打つのは――
《魂継ぎの刃(ソウル=インヘリット)》
形状は細身の片刃刀。
刀身には、魂を宿すかのような脈動する文様が浮かんでいる。
その刃は、持ち主の魔力に同調し、守るべき者の“意志”をそのまま強化する特性を持っていた。
攻撃力よりも、防御・共鳴に特化した武器。
「こいつはな、“守り”のための刃だ。力じゃねぇ、“心”で振るうもんだ」
完成した刃を手に、隼人はクロードたちと向き合う。
「……すまん。お前らにずっと頼ってばかりだったな」
クロードが笑う。
「今さら何言ってんだよ。俺たちは“武器を作るために生きてる”んじゃなくて、“お前の武器を信じて生きてる”んだぜ?」
リリィも頷いた。
「隼人さん。あなたの刃は、命を削らなくても、“魂を支える”ことができる。
それを証明して――王都で、“一番汚い戦い”に勝ってください」
翌朝、王都・審問議事堂前。
ヴァロア・エスカロットが、優雅に馬車から降り立った。
だが、その顔にあったのは自信ではなく、“焦り”だった。
「……まさか、あの鍛冶師の小僧がここまで動くとは」
ヴァロアの手の中には、灰色に染まった封印書が握られている。
その書には、“もう一つの灰の楽園”の名が記されていた。
《灰の契約者》――王国の地下に眠る、かつての王家が封じた“意志のない兵器群”。
「奴が刃を振るうなら……こちらも、王国の影で育てた牙を放つまでだ」
そのとき、遠くから鉄の音が鳴り響いた。
「――あいつが来たな」
ゲオルグが、議事堂の上階からその姿を見つける。
人混みをかき分けるようにして歩く隼人の背中には、赤く脈打つ刀が一本、静かに揺れていた。
その姿に、騎士たちは口をつぐんだ。
誰もが感じていた――**「これは、ただの鍛冶師の戦いではない」**と。
これは、“魂を証明する者”の戦いだと。
隼人はヴァロアを真正面から睨んだ。
「お前の造った刃は、誰の魂も守れねぇ。
なら、この俺が見せてやるよ――“魂継ぎの刃”が何のためにあるかってな」
ヴァロアは笑う。
「ははは、面白い。ならば証明してみろ。お前の“正義”が、俺の“力”より価値があるというならな」
次の瞬間、議事堂上空に巨大な“灰の兵器”が姿を現した。
「出たか――灰の契約者!」
隼人は刀を抜き、静かに呟いた。
「……こいつは、最初から“お前と戦うため”に打ったんだ。魂よ――俺に、宿れ!」
鍛造炉が、深紅の火を噴き上げていた。
その光は、まるで炎の竜が天を駆けるように激しく、そして神聖だった。
隼人は黙々と打ち続けていた。
「……この刃は、俺自身の“罪”を断つためのものだ。
魂を削る兵器じゃねぇ。“魂を守る刃”だ」
素材は、クロードたちが命懸けで採ってきた“竜骨鉱”の中でも最も純度の高い《深層竜脈核》。
さらにリリィが封じた“命喰い炉”の魔核から抽出した、“還元魔素結晶”。
それを組み合わせて、隼人が打つのは――
《魂継ぎの刃(ソウル=インヘリット)》
形状は細身の片刃刀。
刀身には、魂を宿すかのような脈動する文様が浮かんでいる。
その刃は、持ち主の魔力に同調し、守るべき者の“意志”をそのまま強化する特性を持っていた。
攻撃力よりも、防御・共鳴に特化した武器。
「こいつはな、“守り”のための刃だ。力じゃねぇ、“心”で振るうもんだ」
完成した刃を手に、隼人はクロードたちと向き合う。
「……すまん。お前らにずっと頼ってばかりだったな」
クロードが笑う。
「今さら何言ってんだよ。俺たちは“武器を作るために生きてる”んじゃなくて、“お前の武器を信じて生きてる”んだぜ?」
リリィも頷いた。
「隼人さん。あなたの刃は、命を削らなくても、“魂を支える”ことができる。
それを証明して――王都で、“一番汚い戦い”に勝ってください」
翌朝、王都・審問議事堂前。
ヴァロア・エスカロットが、優雅に馬車から降り立った。
だが、その顔にあったのは自信ではなく、“焦り”だった。
「……まさか、あの鍛冶師の小僧がここまで動くとは」
ヴァロアの手の中には、灰色に染まった封印書が握られている。
その書には、“もう一つの灰の楽園”の名が記されていた。
《灰の契約者》――王国の地下に眠る、かつての王家が封じた“意志のない兵器群”。
「奴が刃を振るうなら……こちらも、王国の影で育てた牙を放つまでだ」
そのとき、遠くから鉄の音が鳴り響いた。
「――あいつが来たな」
ゲオルグが、議事堂の上階からその姿を見つける。
人混みをかき分けるようにして歩く隼人の背中には、赤く脈打つ刀が一本、静かに揺れていた。
その姿に、騎士たちは口をつぐんだ。
誰もが感じていた――**「これは、ただの鍛冶師の戦いではない」**と。
これは、“魂を証明する者”の戦いだと。
隼人はヴァロアを真正面から睨んだ。
「お前の造った刃は、誰の魂も守れねぇ。
なら、この俺が見せてやるよ――“魂継ぎの刃”が何のためにあるかってな」
ヴァロアは笑う。
「ははは、面白い。ならば証明してみろ。お前の“正義”が、俺の“力”より価値があるというならな」
次の瞬間、議事堂上空に巨大な“灰の兵器”が姿を現した。
「出たか――灰の契約者!」
隼人は刀を抜き、静かに呟いた。
「……こいつは、最初から“お前と戦うため”に打ったんだ。魂よ――俺に、宿れ!」
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