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【第3章:王都編】 エピローグ「火は消えず、魂は鍛え続ける」
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王都・武器屋《プロメテア》
午前の陽が差し込み、炉の中にゆらめく炎が美しく反射していた。
隼人は革のエプロンを付け直し、今日も槌を握る。
「ほらよ、クロード。この前のリクエスト通り、“剣と槍の中間”みてぇなヤツ、作ってみたぜ」
「おお……っ、こいつは“刃先が槍のように細く、それでいてバランスが両手剣級”……! マジで作っちまったのかよ、ハヤト……!」
クロードが感激している傍らで、リリィは店頭の客とやりとりをしていた。
最近では、《プロメテア》に王都中の冒険者や騎士が訪れるようになっていた。
隼人が打つ武器には、“魂が籠もっている”と噂が広がったのだ。
その日、王国騎士団から正式な勲章が届けられた。
「王都防衛の功績により、“名誉戦匠”の称号を授与する」と書かれた書状とともに。
「……俺はただ、守りたいもん守っただけなんだけどな」
と、隼人は肩を竦める。
その夜、ゲオルグが密かに店を訪れた。
「……ヴァロアは幽閉された。だが、“灰の楽園”の残党が国外に散っている。
とくに東方の独立都市《ゼィレア》では、“灰の市場”と呼ばれる裏競売が続いているらしい」
「また厄介なもんが残ってんな」
「加えて――“武術世界大会”が、来月ゼィレアで開かれる」
「大会?」
「そうだ。各国の武人や魔導士、傭兵団までが一堂に会する競技会。
“武器職人部門”も存在し、“使用者と武器のシンクロ率”を競う特別ルールがある」
隼人の目が光った。
「……武器の性能を、“使う者との絆”で評価するってんなら、こっちは負ける気がしねぇな」
ゲオルグが微笑む。
「それを聞いて安心した。出場申請は、もう通してある」
「……おい、勝手にやるな!」
「隼人、お前が“次に鍛えるべきもの”は、技術じゃない。“伝説”だ」
その言葉に、隼人は少しだけ照れたように笑った。
夜のプロメテア
隼人は、ひとり工房に残っていた。
あの戦い以来、ずっと傍にある《魂継ぎの刃》。
静かに刀身を撫でながら、彼は呟いた。
「これからも、守ってくれよな。俺も……命かけて打つからよ」
その刹那、刃が淡く共鳴した。
――まるで、“了解した”とでも言うように。
こうして、隼人たちは次なる舞台――東方の都市国家《ゼィレア》へと旅立つ。
魂と武の頂点を目指し、そして、“灰の残党”の影を追って――
鍛冶師・隼人の新たな戦いが、再び始まろうとしていた。
午前の陽が差し込み、炉の中にゆらめく炎が美しく反射していた。
隼人は革のエプロンを付け直し、今日も槌を握る。
「ほらよ、クロード。この前のリクエスト通り、“剣と槍の中間”みてぇなヤツ、作ってみたぜ」
「おお……っ、こいつは“刃先が槍のように細く、それでいてバランスが両手剣級”……! マジで作っちまったのかよ、ハヤト……!」
クロードが感激している傍らで、リリィは店頭の客とやりとりをしていた。
最近では、《プロメテア》に王都中の冒険者や騎士が訪れるようになっていた。
隼人が打つ武器には、“魂が籠もっている”と噂が広がったのだ。
その日、王国騎士団から正式な勲章が届けられた。
「王都防衛の功績により、“名誉戦匠”の称号を授与する」と書かれた書状とともに。
「……俺はただ、守りたいもん守っただけなんだけどな」
と、隼人は肩を竦める。
その夜、ゲオルグが密かに店を訪れた。
「……ヴァロアは幽閉された。だが、“灰の楽園”の残党が国外に散っている。
とくに東方の独立都市《ゼィレア》では、“灰の市場”と呼ばれる裏競売が続いているらしい」
「また厄介なもんが残ってんな」
「加えて――“武術世界大会”が、来月ゼィレアで開かれる」
「大会?」
「そうだ。各国の武人や魔導士、傭兵団までが一堂に会する競技会。
“武器職人部門”も存在し、“使用者と武器のシンクロ率”を競う特別ルールがある」
隼人の目が光った。
「……武器の性能を、“使う者との絆”で評価するってんなら、こっちは負ける気がしねぇな」
ゲオルグが微笑む。
「それを聞いて安心した。出場申請は、もう通してある」
「……おい、勝手にやるな!」
「隼人、お前が“次に鍛えるべきもの”は、技術じゃない。“伝説”だ」
その言葉に、隼人は少しだけ照れたように笑った。
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静かに刀身を撫でながら、彼は呟いた。
「これからも、守ってくれよな。俺も……命かけて打つからよ」
その刹那、刃が淡く共鳴した。
――まるで、“了解した”とでも言うように。
こうして、隼人たちは次なる舞台――東方の都市国家《ゼィレア》へと旅立つ。
魂と武の頂点を目指し、そして、“灰の残党”の影を追って――
鍛冶師・隼人の新たな戦いが、再び始まろうとしていた。
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