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死を呼ぶ少女とやらは、性格に難ありなのですが
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俺は子供の時からバカにされていた。
俺の無能っぷりが世界の何処まで拡がっているのか知らないが、まさか他国までは無いだろう……なんて考えていた。
だが、冒険に出れば俺を知ってる奴だっている。世間は狭いとはよく言ったものだ。本当に嫌気がさす。
俺は実質こいつらより遥かに年上なのに。(精神的に)
「いや。農業も考えたんですけどね。一応冒険者になりました」
「ブッハハハハ!!冒険者って面かよ!」
先輩がバカ笑いする。
他の三人も同じく笑っているが、少なくとも二人は知らない奴だ。そいつらにまで笑われるなんて連鎖反応とは怖い。
「いやぁ……まぁいいじゃないですか先輩。それよりどうしたんですか?」
「丁度いい!お前がこの女、連れてってやれよ。お似合いだぞ!お前よりは役に立つかもしれんしな。ブハハハ」
チラリと斜め下を見ると、背の低い女の子が捨てられた仔犬のような顔で此方を伺っていた。こんな子があんな奴等に逆ナンしてたとは思えない。
「どうかしたの?」
女の子に声をかけたのはルカだ。
ルカは俺より十センチ程低いが、それよりさらに十センチ以上は低い女の子なので、年齢的に年下だろうと予想する。
「冒険者さんですか?ひょっとして魔力の泉に行きますか?」
「えぇ。そのつもりで冒険してるの」
「なら、私を一緒に連れてってくれませんか!?」
訓練生が学院のクエストとして魔力の泉に挑みたがるように。一人では厳しいクエストを、誰かと共に行きたがる傾向はどこの世界でも変わらない。
ゲームでもメンバー募集をする者は尽きないわけだし。
「ほら、連れてってやれよ。無能には逆に救世主だろ!じゃあ俺達は先を急ぐから。子守りは任せたぞ~。アッハッハ」
バカにしながら去っていく男達の後ろ姿を、ルカは睨み付けながら興奮したようにその矛先を俺に向ける。
「何なの、アイツら!」
「いや、俺の先輩。ってかルカも多分見た事あるんじゃない?」
「知らないわ!ねぇルシアン。この子連れてくわよ!」
まるで女の子を拉致するみたいな言い方だ。
だが女の子にしたら願ったり叶ったりだったろう。表情がパアッと明るくなった。
「あ、ありがとうございます!」
女の子の向日葵のような笑顔が今までの苦労を物語る。よほど今まで多くの人に断られたのかもしれない。
自分と比べてはいけないが、俺はある種の親近感を抱いた。
――――――――――
女の子の名前は、ベネディクトリーヌ・アミルダ。名前の長さからベネットと呼ぶ事にした。
年齢は十四歳と意外とそこまで年齢の差はなかった。
小さなこの村で生まれ、二年前に母を病気で無くし、昨年には父を魔物に殺されるという荒波の様な人生を乗り越えて生きている。
それまでは家の手伝いをして過ごす普通の女の子だった。父を亡くし独りになってからは、自分で育てた野菜を売って生活していたのだという。
その彼女の家に今日は泊めてもらえる事になった。とりあえず部屋も別々にあるし、先程までのルカとの気まずい空気も吹き飛んだようでとりあえず安心する。
そんな彼女の手料理をご馳走になりながら、俺達は彼女の身の上話を聞いていた。
「野菜を育ててって事は、君はひょっとして……」
「はい。私の職業は平民です――――ガッカリしましたか?」
「全然。だって俺も平民だからね」
不思議な親近感を感じたのは、このせいだったのかもしれない。まぁ、俺の平民とは違って彼女は水の適正を持っているようだが。
「ルシアン様も平民なのですか?そのぉ……失礼ですが、魔力の泉には『ガルラ』という強い魔物が出るのですが。大丈夫ですか?」
何となく同じ『平民』である事に喜んでくれる気がしていたが。容赦なく不安がられてしまったようだ。
(おいおい。自分の事を棚に上げるタイプか?)
「ルシアンなら大丈夫よ。ドラゴンを倒した実績もあるの」
「ドラゴン!?それは失礼しました!」
ルカが俺を立ててくれた事が今は嬉しい。
ベネットは申し訳なさそうに言い訳を……いや、悩みを打ち明けた。
「実は私、今まで何度か挑戦してるんです。でも、その度に一緒に行った人が――――――死んでしまうのです」
「ふぐぇ!?」
野菜スープを口にしていた俺は思わず変な声を出した。すかさず横からルカがハンカチを差し出してきた。
(気が利くな。ルカが俺の女房だったらなぁ)
等と横で俺が思っていると。その妄想女房はベネットに『詳しく聞かせて』と優しく声をかけ身を乗り出していた。
彼女なりにベネットに気を遣わせまいとの配慮が伺える。
ベネットの話はなんて事ない。
仲間が次々死んでしまう呪いとかあるのかと一瞬考えたが、単純に連れていく仲間が初心者ばかりなのだろう。
彼女のせいで死ぬわけでもないし、彼女が回復に専念している間に勝手に突っ込んで行って、自爆しているようにしか思えない話だった。
只、毎回彼女だけが無事に帰って来るので。知ってる者は気持ち悪くて彼女との冒険には行きたがらない。
回復が出来るのだから逃げ切れ易い。不思議な事ではなかった。
「だから私はカプリコ村の『死を呼ぶ少女』とか呼ばれてます……それでも連れて行ってくれますか?まぁ。こんなにご馳走してしまって。宿まで提供されては。断わり難いとは思うのですが。本当に私でも――――いいですか?」
少女は捨てられた仔犬の様な顔をする。
何というかその性格。わざとなの?
「うん、いいよ!私達はそんなの気にしないから大丈夫!」
ルカはギュッとベネットの手を握り。熱く誓った。
(ルカって鈍感なのか?ベネットのあざとさも天然?)
一抹の不安を抱えながらも俺達は明日、第二の魔力の泉へと向かう事になった。
俺の無能っぷりが世界の何処まで拡がっているのか知らないが、まさか他国までは無いだろう……なんて考えていた。
だが、冒険に出れば俺を知ってる奴だっている。世間は狭いとはよく言ったものだ。本当に嫌気がさす。
俺は実質こいつらより遥かに年上なのに。(精神的に)
「いや。農業も考えたんですけどね。一応冒険者になりました」
「ブッハハハハ!!冒険者って面かよ!」
先輩がバカ笑いする。
他の三人も同じく笑っているが、少なくとも二人は知らない奴だ。そいつらにまで笑われるなんて連鎖反応とは怖い。
「いやぁ……まぁいいじゃないですか先輩。それよりどうしたんですか?」
「丁度いい!お前がこの女、連れてってやれよ。お似合いだぞ!お前よりは役に立つかもしれんしな。ブハハハ」
チラリと斜め下を見ると、背の低い女の子が捨てられた仔犬のような顔で此方を伺っていた。こんな子があんな奴等に逆ナンしてたとは思えない。
「どうかしたの?」
女の子に声をかけたのはルカだ。
ルカは俺より十センチ程低いが、それよりさらに十センチ以上は低い女の子なので、年齢的に年下だろうと予想する。
「冒険者さんですか?ひょっとして魔力の泉に行きますか?」
「えぇ。そのつもりで冒険してるの」
「なら、私を一緒に連れてってくれませんか!?」
訓練生が学院のクエストとして魔力の泉に挑みたがるように。一人では厳しいクエストを、誰かと共に行きたがる傾向はどこの世界でも変わらない。
ゲームでもメンバー募集をする者は尽きないわけだし。
「ほら、連れてってやれよ。無能には逆に救世主だろ!じゃあ俺達は先を急ぐから。子守りは任せたぞ~。アッハッハ」
バカにしながら去っていく男達の後ろ姿を、ルカは睨み付けながら興奮したようにその矛先を俺に向ける。
「何なの、アイツら!」
「いや、俺の先輩。ってかルカも多分見た事あるんじゃない?」
「知らないわ!ねぇルシアン。この子連れてくわよ!」
まるで女の子を拉致するみたいな言い方だ。
だが女の子にしたら願ったり叶ったりだったろう。表情がパアッと明るくなった。
「あ、ありがとうございます!」
女の子の向日葵のような笑顔が今までの苦労を物語る。よほど今まで多くの人に断られたのかもしれない。
自分と比べてはいけないが、俺はある種の親近感を抱いた。
――――――――――
女の子の名前は、ベネディクトリーヌ・アミルダ。名前の長さからベネットと呼ぶ事にした。
年齢は十四歳と意外とそこまで年齢の差はなかった。
小さなこの村で生まれ、二年前に母を病気で無くし、昨年には父を魔物に殺されるという荒波の様な人生を乗り越えて生きている。
それまでは家の手伝いをして過ごす普通の女の子だった。父を亡くし独りになってからは、自分で育てた野菜を売って生活していたのだという。
その彼女の家に今日は泊めてもらえる事になった。とりあえず部屋も別々にあるし、先程までのルカとの気まずい空気も吹き飛んだようでとりあえず安心する。
そんな彼女の手料理をご馳走になりながら、俺達は彼女の身の上話を聞いていた。
「野菜を育ててって事は、君はひょっとして……」
「はい。私の職業は平民です――――ガッカリしましたか?」
「全然。だって俺も平民だからね」
不思議な親近感を感じたのは、このせいだったのかもしれない。まぁ、俺の平民とは違って彼女は水の適正を持っているようだが。
「ルシアン様も平民なのですか?そのぉ……失礼ですが、魔力の泉には『ガルラ』という強い魔物が出るのですが。大丈夫ですか?」
何となく同じ『平民』である事に喜んでくれる気がしていたが。容赦なく不安がられてしまったようだ。
(おいおい。自分の事を棚に上げるタイプか?)
「ルシアンなら大丈夫よ。ドラゴンを倒した実績もあるの」
「ドラゴン!?それは失礼しました!」
ルカが俺を立ててくれた事が今は嬉しい。
ベネットは申し訳なさそうに言い訳を……いや、悩みを打ち明けた。
「実は私、今まで何度か挑戦してるんです。でも、その度に一緒に行った人が――――――死んでしまうのです」
「ふぐぇ!?」
野菜スープを口にしていた俺は思わず変な声を出した。すかさず横からルカがハンカチを差し出してきた。
(気が利くな。ルカが俺の女房だったらなぁ)
等と横で俺が思っていると。その妄想女房はベネットに『詳しく聞かせて』と優しく声をかけ身を乗り出していた。
彼女なりにベネットに気を遣わせまいとの配慮が伺える。
ベネットの話はなんて事ない。
仲間が次々死んでしまう呪いとかあるのかと一瞬考えたが、単純に連れていく仲間が初心者ばかりなのだろう。
彼女のせいで死ぬわけでもないし、彼女が回復に専念している間に勝手に突っ込んで行って、自爆しているようにしか思えない話だった。
只、毎回彼女だけが無事に帰って来るので。知ってる者は気持ち悪くて彼女との冒険には行きたがらない。
回復が出来るのだから逃げ切れ易い。不思議な事ではなかった。
「だから私はカプリコ村の『死を呼ぶ少女』とか呼ばれてます……それでも連れて行ってくれますか?まぁ。こんなにご馳走してしまって。宿まで提供されては。断わり難いとは思うのですが。本当に私でも――――いいですか?」
少女は捨てられた仔犬の様な顔をする。
何というかその性格。わざとなの?
「うん、いいよ!私達はそんなの気にしないから大丈夫!」
ルカはギュッとベネットの手を握り。熱く誓った。
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