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魔王。爆誕?
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何の力か知らないが、突然辺りに光が灯り。
俺は絶句した。
そこは、想像以上に広大な……いや。地下都市と例えても遜色無いくらいの場所だった。
そして俺達を囲む兵士の数は全く分からない。
何故なら密集していて、遠くなど見えない程の数の兵士がいるのだから。
そして、俺の正面。約十メートル程先にソレがいた。
悪魔だ――――
言葉で表現するとしたら、そう……悪魔だ。それ以上の言葉は無い。角があって羽が生えている。
何度見ても悪魔だ。
ベネットが思わず俺の腕にしがみついた。その身体が小さく震えている事が伝わった。
悪魔はとにかく、この数は不味い。自分を守れてもベネットは守れない。
(逃げるか?いや、どうやって?それよりルカは?)
色々な思考が脳内を巡る。
だが、良い結果など導き出せる筈がなかった。一振で千人を倒すくらいの俺TUEEEならば、解決も出来たかも知れない。
しかし、ある意味チート級の強さを持っている俺でも。複数を一度に処分出来る強さは無い。
魔法が使えないのが痛い。魔法でチート級ならば、きっと解決策などいくらでもあっただろう。
やはり無能。
ここにきて、それを再び思い知った。
全然考えの纏まらないうちに、悪魔が口を開く。
「ようこそ。ヴィルゼフ・ヨハネの迷宮へ。我が王よ!」
「え……?」
「何も言わなくて結構。あなたはまだ、精神が目覚めていないのです。しかし、それも時期に覚醒するでしょう」
何を言われているのか理解出来なかった。
とりあえず、ここまで案内して来た小柄な男が言っていた『魔王様』は、やはり俺に向けられた言葉だった事は分かった。
ベネットが俺にしがみ付きながらも、若干困惑した表情で俺を見ている。おそらく彼女も混乱しているのだ。
いや、いつだって冷静なベネットの事だ。既に心で葛藤しているのかもしれない。
俺が実は魔王なのか、どうかを。
周りに数多くいる兵士達は、一斉に俺に向かって敬礼の姿勢をとった。その完璧なまでに統一された動きに、逆に恐怖を覚える。
彼等が一斉にかかってきたら万事休すだ……と、弱気な俺が頭の中に訴えかけてくる。そこで、更に悪魔は言葉を紡ぐ。
「王よ。今宵は王の帰還を祝い宴を行いましょう。今こそ覚醒を成すのです」
「ちょっと待ってくれ。何故、俺が魔王だと?」
「それは、ベルが王に斬られた時です。あの時の気配を、共感覚にてワングが感じ取ったのです」
『ワング』その名前は聞き覚えがある。
確か、四魔将の二番手。そういえば四魔将トップであるベルシュートの弟という設定だった気はする。
共感覚という設定は無いと思うが、兄弟なら有り得ない話でもないかもしれない。
今更のように気付いた。俺達を案内してきた小柄な男。あれがワングだったのだ。
どのみち、俺は魔王では無い。
この世界には、ルシアン・ルーグとして生まれて来ている。魔王の名前は……決めていなかった。
だが、俺の筈が無いのだ。俺の前世はゲーマーなのだから。
(どうなってんだ?とにかく整理しろ!この状況を打破する方法を考えろ!)
必死で俺は考えた。
とにかくベネットを逃がす。ルカはここにいない……と、いうことは直ぐにどうにかなる事は無いだろう。
あくまで、俺を呼ぶ事が目的の誘拐だったと考えるべきだ。ルカを盾に俺に何かをさせる感じでは無い。
何とかベネットさえ一時的にどうにか出来れば、俺一人である程度の兵士を始末して。逃げ道を切り開く事は出来るかもしれないと考えた。
しかし複雑な表情の俺を見ながら悪魔が話を続けた。
「何も焦る必要はありません。覚醒すれば記憶も甦るはずです。
その為にも、先ずは血肉の宴を行うのが手っ取り早いでしょう。今宵は王の帰還を祝い、宴を用意しました」
悪魔が満面の笑みを浮かべた。
すると、悪魔の後ろの兵士達の列が綺麗に分かれ始める。それはまるでモーゼの十戒の様に。一つの道が出来た。
そして、俺は絶望したのだ――――
「この娘を王自らが血に染める事。それにより、王は全てを思い出し。直ぐにでも覚醒出来るでしょう」
それは、一糸纏わぬルカだった。
奴隷のように鎖に繋がれ、兵士の手によって引きずられて来た。これで完全に万策尽きたと思った。
ルカもベネットも助ける事は不可能。どちらかを犠牲にしても、助かる可能性は限りなく低い。
レイバン達、サラン王国は。少なくとも明日の夜まで、ここを攻撃して来る事も無いだろう。
つまり、どう考えても数で負けている時点で詰んでいる。
ルカはうっすらと瞳を開けて、俺を見た。
そして直ぐにその視線を反らす。
俺の中で怒りの感情が沸き上がって来ていた。今すぐに目の前の悪魔を殺したかった。
だが、それで周りの兵士達が収まるかは判断出来ない。まして、あの悪魔を一撃で殺せるかすら分からないのだ。
(まてよ……。アイツらの目的は魔王の復活か)
状況は最悪。魔王の覚醒とかも、いまいち不明。
だが、どういうわけか俺が魔王だと言う事だけは、奴等の中で揺るぎ無いようだった。
「フッ……フッハハハハハ!」
「王よ……どうかしましたか?」
「我の覚醒を待つだと?クソも面白くないわ!我は既に覚醒しておるのだからなぁ!フッハハハハハ」
一つ勉強になったのは、悪魔も驚くという事だ。
目の前の悪魔は開いた口が閉まらない様子。だが、直ぐに冷静に問いかけてきた。
「おぉ!我が王よ!誠なれば、その証拠を拝見したく」
俺は一瞬悩んだ。
だが、直ぐに剣を抜き。辺りの兵士を一気に斬り倒した。
一振千人とはいかないが、出せる力の全てを振り絞って出来るだけの数を減らしておく。
前世の統計では、魔王ならば味方など平気で殺す。悪者が力を見せ付けるといったらコレだ。俺流、悪の美学。
これが悪魔の求めた答えとは思っていない。だが、言い訳には出来るし、今のうち数を減らしておいて損はしない。
そして、驚いた事に、斬られた兵士達の顔が不気味なピエロの様なモノに変化した。
つまり、ガーゴイルへと姿を変えて絶命したのだ。人間の兵士の姿はカモフラージュか。
やはり魔王の軍勢は、ここに拠点を構えていたのだ。
(さぁ。芝居の開始だ!もう後戻りは出来ない。これが吉と出るか凶と出るかだ)
俺は絶句した。
そこは、想像以上に広大な……いや。地下都市と例えても遜色無いくらいの場所だった。
そして俺達を囲む兵士の数は全く分からない。
何故なら密集していて、遠くなど見えない程の数の兵士がいるのだから。
そして、俺の正面。約十メートル程先にソレがいた。
悪魔だ――――
言葉で表現するとしたら、そう……悪魔だ。それ以上の言葉は無い。角があって羽が生えている。
何度見ても悪魔だ。
ベネットが思わず俺の腕にしがみついた。その身体が小さく震えている事が伝わった。
悪魔はとにかく、この数は不味い。自分を守れてもベネットは守れない。
(逃げるか?いや、どうやって?それよりルカは?)
色々な思考が脳内を巡る。
だが、良い結果など導き出せる筈がなかった。一振で千人を倒すくらいの俺TUEEEならば、解決も出来たかも知れない。
しかし、ある意味チート級の強さを持っている俺でも。複数を一度に処分出来る強さは無い。
魔法が使えないのが痛い。魔法でチート級ならば、きっと解決策などいくらでもあっただろう。
やはり無能。
ここにきて、それを再び思い知った。
全然考えの纏まらないうちに、悪魔が口を開く。
「ようこそ。ヴィルゼフ・ヨハネの迷宮へ。我が王よ!」
「え……?」
「何も言わなくて結構。あなたはまだ、精神が目覚めていないのです。しかし、それも時期に覚醒するでしょう」
何を言われているのか理解出来なかった。
とりあえず、ここまで案内して来た小柄な男が言っていた『魔王様』は、やはり俺に向けられた言葉だった事は分かった。
ベネットが俺にしがみ付きながらも、若干困惑した表情で俺を見ている。おそらく彼女も混乱しているのだ。
いや、いつだって冷静なベネットの事だ。既に心で葛藤しているのかもしれない。
俺が実は魔王なのか、どうかを。
周りに数多くいる兵士達は、一斉に俺に向かって敬礼の姿勢をとった。その完璧なまでに統一された動きに、逆に恐怖を覚える。
彼等が一斉にかかってきたら万事休すだ……と、弱気な俺が頭の中に訴えかけてくる。そこで、更に悪魔は言葉を紡ぐ。
「王よ。今宵は王の帰還を祝い宴を行いましょう。今こそ覚醒を成すのです」
「ちょっと待ってくれ。何故、俺が魔王だと?」
「それは、ベルが王に斬られた時です。あの時の気配を、共感覚にてワングが感じ取ったのです」
『ワング』その名前は聞き覚えがある。
確か、四魔将の二番手。そういえば四魔将トップであるベルシュートの弟という設定だった気はする。
共感覚という設定は無いと思うが、兄弟なら有り得ない話でもないかもしれない。
今更のように気付いた。俺達を案内してきた小柄な男。あれがワングだったのだ。
どのみち、俺は魔王では無い。
この世界には、ルシアン・ルーグとして生まれて来ている。魔王の名前は……決めていなかった。
だが、俺の筈が無いのだ。俺の前世はゲーマーなのだから。
(どうなってんだ?とにかく整理しろ!この状況を打破する方法を考えろ!)
必死で俺は考えた。
とにかくベネットを逃がす。ルカはここにいない……と、いうことは直ぐにどうにかなる事は無いだろう。
あくまで、俺を呼ぶ事が目的の誘拐だったと考えるべきだ。ルカを盾に俺に何かをさせる感じでは無い。
何とかベネットさえ一時的にどうにか出来れば、俺一人である程度の兵士を始末して。逃げ道を切り開く事は出来るかもしれないと考えた。
しかし複雑な表情の俺を見ながら悪魔が話を続けた。
「何も焦る必要はありません。覚醒すれば記憶も甦るはずです。
その為にも、先ずは血肉の宴を行うのが手っ取り早いでしょう。今宵は王の帰還を祝い、宴を用意しました」
悪魔が満面の笑みを浮かべた。
すると、悪魔の後ろの兵士達の列が綺麗に分かれ始める。それはまるでモーゼの十戒の様に。一つの道が出来た。
そして、俺は絶望したのだ――――
「この娘を王自らが血に染める事。それにより、王は全てを思い出し。直ぐにでも覚醒出来るでしょう」
それは、一糸纏わぬルカだった。
奴隷のように鎖に繋がれ、兵士の手によって引きずられて来た。これで完全に万策尽きたと思った。
ルカもベネットも助ける事は不可能。どちらかを犠牲にしても、助かる可能性は限りなく低い。
レイバン達、サラン王国は。少なくとも明日の夜まで、ここを攻撃して来る事も無いだろう。
つまり、どう考えても数で負けている時点で詰んでいる。
ルカはうっすらと瞳を開けて、俺を見た。
そして直ぐにその視線を反らす。
俺の中で怒りの感情が沸き上がって来ていた。今すぐに目の前の悪魔を殺したかった。
だが、それで周りの兵士達が収まるかは判断出来ない。まして、あの悪魔を一撃で殺せるかすら分からないのだ。
(まてよ……。アイツらの目的は魔王の復活か)
状況は最悪。魔王の覚醒とかも、いまいち不明。
だが、どういうわけか俺が魔王だと言う事だけは、奴等の中で揺るぎ無いようだった。
「フッ……フッハハハハハ!」
「王よ……どうかしましたか?」
「我の覚醒を待つだと?クソも面白くないわ!我は既に覚醒しておるのだからなぁ!フッハハハハハ」
一つ勉強になったのは、悪魔も驚くという事だ。
目の前の悪魔は開いた口が閉まらない様子。だが、直ぐに冷静に問いかけてきた。
「おぉ!我が王よ!誠なれば、その証拠を拝見したく」
俺は一瞬悩んだ。
だが、直ぐに剣を抜き。辺りの兵士を一気に斬り倒した。
一振千人とはいかないが、出せる力の全てを振り絞って出来るだけの数を減らしておく。
前世の統計では、魔王ならば味方など平気で殺す。悪者が力を見せ付けるといったらコレだ。俺流、悪の美学。
これが悪魔の求めた答えとは思っていない。だが、言い訳には出来るし、今のうち数を減らしておいて損はしない。
そして、驚いた事に、斬られた兵士達の顔が不気味なピエロの様なモノに変化した。
つまり、ガーゴイルへと姿を変えて絶命したのだ。人間の兵士の姿はカモフラージュか。
やはり魔王の軍勢は、ここに拠点を構えていたのだ。
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