名前のない

sagiri

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5人の女

気掛かり

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その女が女性ばかりを狙うことに何故か違和感があった拓真。

頭をフル回転させ、思考をめぐらせる。



冷静に考えれば、恐らくその女より力の強い男性を狙う事はない。もし、ただの無差別ならば、女性よりも更に弱者を狙うはずだ。
しかしその女は、杖をついた老人や風船を持った子供に一瞥することなく、三人の女性を狙った。


律綺を含め、紫乃と亜子の三人は20代後半から30代前半に見えること以外、特に共通点はないように思えた。


「もしかして…」
拓真は呟く。


先程は立っていた紫乃と亜子にピントが合っていた筈だが、二人が視界から消えた後、拓真は再びその女に目をやった。

再び思考を巡らせる。


周りはその女の登場と同時に逃げた者、
三人の女性の惨劇を目の当たりにして動けなくなった者もいたが、それでもまだ十数人は周りに居た。


拓真は慌てて探す。


律綺達と同じような女性が居ないかどうか。


「あ。」

先程その女を取り押さえようと試みた時、
側にいたモデル体型の男性の隣に、
花柄のワンピースを着ている女性が居た事を思い出した。


その男性を探す。

…見当たらない。

「もう逃げたか。」

と安心したその時、
「奥さんきっと助かりますよ、声を掛け続けてあげて!」

と頭上から女性の声がした。

拓真が探していたワンピースの女だった。


「あなたも狙われる可能性がある、あの女はあなたぐらいの年齢の女性しか狙わない、早く逃げて!」

忠告する拓真。
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