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19. 王立学園、社交界演習
シェリルは部屋の中に置かれた箱の山を見て脚を止めた。
綺麗に梱包された箱には一つ一つ、宛名【シェリル・バルモント嬢】と書いてあるが、誰からか名前は書いていない。
そんなシェリルに、寮母が後ろから声をかけた。
「シェ―リールーちゃん!!」
「ッ、ひゃああ!び、びっくり致しましたよ!」
「ふふっ、ごめんごめん、いやいや、本当に凄い量が届いていてねえ。運ぶのが一苦労だったよ」
寮母さんがその贈り物の山を見ながら苦笑する。
「ありがとうございます。でも、こ、これは······?なんなのですか?」
「ん?これは、贈り物だよ。好意を持っている相手に社交界や舞踏会では僕の贈った服や宝石を身に着けて下さいって······そうゆうことさねえ」
「なるほど······でも、名前が書いておりませんで······どなたに御礼を言っていいか分かりかねます」
途方にくれたようなシェリルを見て、寮母は吹き出す。
「っふははは!それは、あれだよ、バレたくないんだろう?シェリルちゃんには一応婚約者がいるんだからねえ。けど、まあ、その婚約者は贈り物をしていないんだから······困ったものだねえ」
確かに、とシェリルは納得する。
一応だが、シェリルの婚約者はアロライン王太子殿下なのだ。
けれど、今日もヴァレンティ―ナは教室でアロラインから贈られたドレスについて話(自慢)をしていた。
それに、宝石は確かラルク様から貰ったものを身につけるとか······。
シェリルはその箱の山の中でも一際異彩を放つ箱を開けた。
「まあ、美しいわ······こんなものを頂いていいのかしら······?」
箱の中には美しい白と薄緑色のドレスが入っていて、シェリルは目を見開く。
「頂いた物に罪はないもんねえ、御貴族様はそういう贈り物のマナーには煩いと言うけど······まあ良いんじゃないかい?贈るべき人が贈らなかったんだろう?」
この国の王太子でもその歯に衣着せない言い方をする寮母を見て、シェリルは微笑んだ。
「ふふっ、本当に、そうですね。ドレスに罪はありません······この中から好きな物を選んで着させて頂きます。他の物も大切に閉まっておいて次の機会に着る事に致します」
「次は次でまた大量に届きそうだけどねえ。じゃあ、要らない箱は置いて置いてねえ。後で片づけるから」
ヒラヒラと手を振って歩いていった寮母の後ろ姿を見送って、シェリルは部屋に入るとその箱の山を見渡す。
それにしても、この差出人の【白き精霊のしもべの会】とか【白き天使の守護者】とか書いてあるのはなんなのでしょうか······?
◆
そして遂に迎えた、第一回目の社交界演習。
2、3日前から、『婚約者と行く!』『婚約者がドレスを贈ってくれた!』等、周りが盛り上がるのを聞きながら、会場に入ったシェリルは緊張感を強める。
今日までの2ヵ月間、シェリルは悪役令嬢として男子生徒達を”篭絡”するべく色んな人と関わりを持ってきた。
ヴァレンティ―ナが男性に囲まれていればそれを邪魔し、誰かと二人でいるのを見つけたらすぐに駆けつける。
そして、今日、周りの生徒達に睨まれる予定、なのだが······。
「シェリル様、お美しいですね!」
「流石天下のバルモント公爵令嬢ですわ!」
「そのドレスはどちらの仕立て屋の物なのです?!」
会場に入室するや否や、女生徒達に取り囲まれ、シェリルはぎこちなく笑った。
「ええと、これは、頂き物でして······仕立て屋などは分からないのです。ごめんなさいね」
「いえいえ!謝らないで下さいませ!そうですわよね、シェリル様には最近”ファンクラブ”なるものができているそうですし?」
「あ、それ私も聞きました!いえ、私の婚約者でもシェリル様なら仕方ないですわ!」
「それに、アレ······本当に、シェリル様の場所を奪うなんてヒドイですわね」
シェリルが”アレ”と言われた方を向けば、アロラインがヴァレンティ―ナと共に現れた所だった。
「っ······」
私の試練は、始まったのですね。気を引き締めないと······。
「皆様、では、私は一旦失礼致しますね」
にっこりと周りを取り囲んでいた令嬢達に微笑めば、彼女達は小さくキャアキャアと声を上げた。
「シェリル様!いっけー!」
「貴女、そんな事言っては不敬よ?」
「それにしても、あの緑······どなたの贈り物なのでしょうね?本当に美しいわ」
「確かに~!!シェリル様の為に作られた様なドレスね!」
令嬢達に力を貰いながら、シェリルはまっすぐアロラインとヴァレンティ―ナの元に進んでいく。
彼女に気付いた二人はピタリと立ち止まった。
「あら、シェリルさま!って······え、何そのドレス······」
「ヴァレンティ―ナさん、ごきげんよう。それにしても何度言ったら分かるのかしら。公の場での貴女からの挨拶はいくら”世渡り人”といえど、不敬ですよ?」
「ちっ、······決まっている言葉だとしてもなーんかイラッとするのよねえ」
「ヴァレンティ―ナ?」
心の中の呟きが声に出ていて、ヴァレンティ―ナは咄嗟に口に手をあてる。
「······あ、いえ、なんでもないですっ······シェリルさん、やっぱり怒ってますね?いつもの、嫉妬、でしょうか?」
「あぁ、本当に困ったものだな······」
「ヴァレンティ―ナ、今日はオレもいるから守ってやれる!」
横からオレンジの短髪を靡かせて入って来たラルクを見て、ヴァレンティ―ナは彼の腕にしがみ付いた。
「わあ!ラルク、頼りになるっ!」
「ていうか本当、ヴァレンティ―ナ、今日は一段と綺麗だな!殿下の色を身に着けているのが······まあ······悲しいけど、仕方ないよな」
「ラルク、彼女に私がドレスを贈るのは当たり前だろう。彼女の世話全般を叔父上から任されているんだ」
アロラインが胸を張ってそう言い、その隣にいたヴァレンティ―ナはシェリルのドレスを舐める様に見つめた。
「っていうかシェリル様の······ドレスや装飾品······アロライン様は贈ってないですよね?でも、なんか凄いレベル高くない?」
「確かに俺は贈っていない······。それに、その緑······あの男の瞳を彷彿と······」
シェリルはドレスの裾を掴み軽く持ち上げた。
そして会場中を見渡すと、じっと固唾を飲んで見守っている生徒達に向かって微笑む。
「学園の皆様が匿名で贈って下さったドレスや装飾品を身に付けさせて頂いているのです。本当に心の籠った贈り物で······私、胸がいっぱいでございます······」
その言葉に会場がどよめき、恥ずかしそうにはにかむシェリルを見て、ヴァレンティ―ナは拳を握りしめる。
やっている事は悪役令嬢として与えた役のままなのに、どうしてシェリルはこんなに愛されるのか。どうして······。と灰黒い感情になったヴァレンティ―ナの肩をラルクがゆっくりと擦った。
「大丈夫だよ、俺らの女王サマ。たかがドレスだろ」
「そうよね······」
そうだ。たかがドレス。
自分はこの国の国王になる予定の王太子殿下、アロラインとその専属騎士ラルクはもう手中に収めている。
流石に王族であるアロラインは貞操の概念が固いから簡単に一線は越えられないけれど、ラルクならもうほぼ篭絡したも同然。
心だけでなく出来る限りで身体を使って虜にしてしまえばいいのだから。
だからヴァレンティ―ナはその社交界演習が終盤に差し掛かった頃、ラルクにしな垂れかかった。
「ねえラルク、ちょっと疲れたから······そろそろ二人で休憩しない?」
********************************
※AI画を挿し込みます。
苦手な方はここで回避して下さい。
********************************
明日の更新分は念のため変態注意報※を発動しておきます!
・エヴァン
・シェリル・バルモント
キャラ作成が難しく、目とかかなり雑になりましたが(遠目でみればなんとなく雰囲気が掴める程度仕様です・・・笑)執筆イメージに使ったものです。参考程度にお願い致します・・・。
・アロラインの護衛騎士、ラルク
・ヴァレンティ―ナ・ロザリア
綺麗に梱包された箱には一つ一つ、宛名【シェリル・バルモント嬢】と書いてあるが、誰からか名前は書いていない。
そんなシェリルに、寮母が後ろから声をかけた。
「シェ―リールーちゃん!!」
「ッ、ひゃああ!び、びっくり致しましたよ!」
「ふふっ、ごめんごめん、いやいや、本当に凄い量が届いていてねえ。運ぶのが一苦労だったよ」
寮母さんがその贈り物の山を見ながら苦笑する。
「ありがとうございます。でも、こ、これは······?なんなのですか?」
「ん?これは、贈り物だよ。好意を持っている相手に社交界や舞踏会では僕の贈った服や宝石を身に着けて下さいって······そうゆうことさねえ」
「なるほど······でも、名前が書いておりませんで······どなたに御礼を言っていいか分かりかねます」
途方にくれたようなシェリルを見て、寮母は吹き出す。
「っふははは!それは、あれだよ、バレたくないんだろう?シェリルちゃんには一応婚約者がいるんだからねえ。けど、まあ、その婚約者は贈り物をしていないんだから······困ったものだねえ」
確かに、とシェリルは納得する。
一応だが、シェリルの婚約者はアロライン王太子殿下なのだ。
けれど、今日もヴァレンティ―ナは教室でアロラインから贈られたドレスについて話(自慢)をしていた。
それに、宝石は確かラルク様から貰ったものを身につけるとか······。
シェリルはその箱の山の中でも一際異彩を放つ箱を開けた。
「まあ、美しいわ······こんなものを頂いていいのかしら······?」
箱の中には美しい白と薄緑色のドレスが入っていて、シェリルは目を見開く。
「頂いた物に罪はないもんねえ、御貴族様はそういう贈り物のマナーには煩いと言うけど······まあ良いんじゃないかい?贈るべき人が贈らなかったんだろう?」
この国の王太子でもその歯に衣着せない言い方をする寮母を見て、シェリルは微笑んだ。
「ふふっ、本当に、そうですね。ドレスに罪はありません······この中から好きな物を選んで着させて頂きます。他の物も大切に閉まっておいて次の機会に着る事に致します」
「次は次でまた大量に届きそうだけどねえ。じゃあ、要らない箱は置いて置いてねえ。後で片づけるから」
ヒラヒラと手を振って歩いていった寮母の後ろ姿を見送って、シェリルは部屋に入るとその箱の山を見渡す。
それにしても、この差出人の【白き精霊のしもべの会】とか【白き天使の守護者】とか書いてあるのはなんなのでしょうか······?
◆
そして遂に迎えた、第一回目の社交界演習。
2、3日前から、『婚約者と行く!』『婚約者がドレスを贈ってくれた!』等、周りが盛り上がるのを聞きながら、会場に入ったシェリルは緊張感を強める。
今日までの2ヵ月間、シェリルは悪役令嬢として男子生徒達を”篭絡”するべく色んな人と関わりを持ってきた。
ヴァレンティ―ナが男性に囲まれていればそれを邪魔し、誰かと二人でいるのを見つけたらすぐに駆けつける。
そして、今日、周りの生徒達に睨まれる予定、なのだが······。
「シェリル様、お美しいですね!」
「流石天下のバルモント公爵令嬢ですわ!」
「そのドレスはどちらの仕立て屋の物なのです?!」
会場に入室するや否や、女生徒達に取り囲まれ、シェリルはぎこちなく笑った。
「ええと、これは、頂き物でして······仕立て屋などは分からないのです。ごめんなさいね」
「いえいえ!謝らないで下さいませ!そうですわよね、シェリル様には最近”ファンクラブ”なるものができているそうですし?」
「あ、それ私も聞きました!いえ、私の婚約者でもシェリル様なら仕方ないですわ!」
「それに、アレ······本当に、シェリル様の場所を奪うなんてヒドイですわね」
シェリルが”アレ”と言われた方を向けば、アロラインがヴァレンティ―ナと共に現れた所だった。
「っ······」
私の試練は、始まったのですね。気を引き締めないと······。
「皆様、では、私は一旦失礼致しますね」
にっこりと周りを取り囲んでいた令嬢達に微笑めば、彼女達は小さくキャアキャアと声を上げた。
「シェリル様!いっけー!」
「貴女、そんな事言っては不敬よ?」
「それにしても、あの緑······どなたの贈り物なのでしょうね?本当に美しいわ」
「確かに~!!シェリル様の為に作られた様なドレスね!」
令嬢達に力を貰いながら、シェリルはまっすぐアロラインとヴァレンティ―ナの元に進んでいく。
彼女に気付いた二人はピタリと立ち止まった。
「あら、シェリルさま!って······え、何そのドレス······」
「ヴァレンティ―ナさん、ごきげんよう。それにしても何度言ったら分かるのかしら。公の場での貴女からの挨拶はいくら”世渡り人”といえど、不敬ですよ?」
「ちっ、······決まっている言葉だとしてもなーんかイラッとするのよねえ」
「ヴァレンティ―ナ?」
心の中の呟きが声に出ていて、ヴァレンティ―ナは咄嗟に口に手をあてる。
「······あ、いえ、なんでもないですっ······シェリルさん、やっぱり怒ってますね?いつもの、嫉妬、でしょうか?」
「あぁ、本当に困ったものだな······」
「ヴァレンティ―ナ、今日はオレもいるから守ってやれる!」
横からオレンジの短髪を靡かせて入って来たラルクを見て、ヴァレンティ―ナは彼の腕にしがみ付いた。
「わあ!ラルク、頼りになるっ!」
「ていうか本当、ヴァレンティ―ナ、今日は一段と綺麗だな!殿下の色を身に着けているのが······まあ······悲しいけど、仕方ないよな」
「ラルク、彼女に私がドレスを贈るのは当たり前だろう。彼女の世話全般を叔父上から任されているんだ」
アロラインが胸を張ってそう言い、その隣にいたヴァレンティ―ナはシェリルのドレスを舐める様に見つめた。
「っていうかシェリル様の······ドレスや装飾品······アロライン様は贈ってないですよね?でも、なんか凄いレベル高くない?」
「確かに俺は贈っていない······。それに、その緑······あの男の瞳を彷彿と······」
シェリルはドレスの裾を掴み軽く持ち上げた。
そして会場中を見渡すと、じっと固唾を飲んで見守っている生徒達に向かって微笑む。
「学園の皆様が匿名で贈って下さったドレスや装飾品を身に付けさせて頂いているのです。本当に心の籠った贈り物で······私、胸がいっぱいでございます······」
その言葉に会場がどよめき、恥ずかしそうにはにかむシェリルを見て、ヴァレンティ―ナは拳を握りしめる。
やっている事は悪役令嬢として与えた役のままなのに、どうしてシェリルはこんなに愛されるのか。どうして······。と灰黒い感情になったヴァレンティ―ナの肩をラルクがゆっくりと擦った。
「大丈夫だよ、俺らの女王サマ。たかがドレスだろ」
「そうよね······」
そうだ。たかがドレス。
自分はこの国の国王になる予定の王太子殿下、アロラインとその専属騎士ラルクはもう手中に収めている。
流石に王族であるアロラインは貞操の概念が固いから簡単に一線は越えられないけれど、ラルクならもうほぼ篭絡したも同然。
心だけでなく出来る限りで身体を使って虜にしてしまえばいいのだから。
だからヴァレンティ―ナはその社交界演習が終盤に差し掛かった頃、ラルクにしな垂れかかった。
「ねえラルク、ちょっと疲れたから······そろそろ二人で休憩しない?」
********************************
※AI画を挿し込みます。
苦手な方はここで回避して下さい。
********************************
明日の更新分は念のため変態注意報※を発動しておきます!
・エヴァン
・シェリル・バルモント
キャラ作成が難しく、目とかかなり雑になりましたが(遠目でみればなんとなく雰囲気が掴める程度仕様です・・・笑)執筆イメージに使ったものです。参考程度にお願い致します・・・。
・アロラインの護衛騎士、ラルク
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