【第二章/皇国・慣らし五夜編】王太子に離縁されました?上等です。最強の皇帝陛下の【魔眼】と共に、世界攻略を致しますので!【R18・完結】

猫まんじゅう

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1. ルドアニア皇国、建国記

【皇国入国に際して注意書き】
1.超長編予定です。こちらは皇国の入国窓口になります。
2.皇国はR18設定を基盤としています。闇の国でありますので、苦痛を伴う描写、無理矢理等も多々あります。必ず前書きに注意書きは致しますが入国の際はご注意ください。
3.最後に、変態が多めとなっています。たまに出す閑話回はコミカルですが大半がシリアスで重めです。
では、ご準備が出来ました方から。七つの国からなる不本意な世界へいってらっしゃいませ!

******************************



 此処は初代皇帝レイ・ルドアニアが統べる国、ルドアニア皇国。

 全盛期は強靭な肉体とこの世界には類を見ない魔力量で手に入れられないものなどない。 とまで謳われた男だが、寝台に横たわり微動だにしない彼にはもうその気配すら感じられない。


 かつて、ルドアニア皇国がまだ国ではなかった頃。
 一人の少年、レイは小さな馬小屋で産声をあげた。


 両親とは全く異なる、漆黒の髪に黄金の瞳という見た目で生まれた彼。
 父親は母親の不貞を疑い、母親はレイを連れてひっそりと山奥に暮らすこととなった。
 その漆黒の黒髪はその当時の世界でもよくは思われなかったらしい。 闇を彷彿させ、薄気味悪く光るその黄金の瞳に周りは彼を蔑んだ。

 十四歳になった少年は自身の内に膨大な魔力を感じた。 そして、時を同じくして彼は自分が稀な闇魔法の使い手であることを知る。
 ただ、それ以上に、誰しも予想だにしなかったのは彼が『魔眼』持ちであることだった。


 『魔眼』は神から与えられし賜物であり祝福である。


 たが、彼の『魔眼』は『支配ドミネート』。
 対象を否応なしに支配するその眼は彼の感情が昂ぶると発現した。赤く光るその瞳は深紅。
 真っ赤な血を彷彿とさせる其れに、母親は気が触れてこの世を去った。

 その後、少年は魔法と『魔眼』と共に生きる事になる。
 最初は制御の難しかった『魔眼』も、慣れれば使い勝手が良い。『支配』は一人孤独だった彼に、優越感と充足感を与えた。


 この『魔眼』を以てして、彼は国を作ったのである。
 ルドアニア皇国という支配から成り立つ国を。


 だが、建国し即位してから順風満帆な人生を歩むかと思われた彼の人生は、三十歳半ばを過ぎたあたりから思うようにはいかなくなった。 さらに時が経つにつれ、思うように身体が動かなくなり、遂には魔法を自由に使うことすら出来なくなったのだ。

 教育のないまま乏しい知識で乱用した余りにも強力な『魔眼』と闇魔法により彼の身体は蝕まれていた。

 その名の通り、闇に呑まれていたのである。

 それまでに娶った妃三人に子供は出来ず、段々と病弱になり今では立っていられないほどに痩せ細った皇帝。 歳は疾うに四十を過ぎていた。


 ルドアニア皇国という国は建国したが、世継ぎもいない今もう彼には望みはなかったのだ。
 世継ぎが居なければ、この『魔眼』は引き継がれないのだから。


 レイは殆ど見えなくなったその黄金の瞳を閉じて自分の人生を回想する。


 自分は選ばれた存在だった。
 真に特別で、神にのみ愛された存在。
 やっとここまで来たのに。 自分を見下し、蔑む人間達を従えてここまで······神は、理不尽だ。


「・・・ここで終わりなのか。 不本意だ、」


 その時、寝室の扉が乱暴に開かれた。
 皇帝の部屋にこんな形で入ってくる者は宰相しかいるまい。 彼は瞳を閉じたまま無視をするに呈した。

 そして、彼の推測通り馴染みのある宰相の声が広い部屋に響き渡る。


「陛下に申し上げます!!! 神殿に稀代の大聖女が現れたそうです!!」

「煩い······ 「も、申し訳ございません!ですが、大聖女です! 神殿の詳細によると、昨晩神託があり、その少女は光魔法の使い手であり最高位の大治癒(ヒール)が使えると。 陛下の御身体も治せるやもしれません!」」


 それにしても何故いまなのだろうか?
 大治癒(ヒール)はほぼ全ての病や怪我を完全回復すると考えられている。 神託だとすれば、その少女も自分と同様に神に選ばれ、愛された者だ。


 瞳を閉じたまま微動だにせず、熟考する皇帝に、宰相は追い打ちをかけるように言葉を発した。


「陛下っ! その少女は、二十歳で未だ魔法は使えないようですが、直ぐに覚醒するかと思われます!」

「相分かった。 娶ろう、」

「はっ!! すぐに知らせを出します!」


 斯うして、ルドアニア皇国初代皇帝は四人目の妃を得た。


 この婚姻で神殿は大聖女を皇帝に差し出す代わりに、神殿の今後永続と発展を望んだ。
 その時に立てられた誓いが『』である。

 最上級の誓約魔法であり、皇帝ルドアニアと神殿長ダルグランテの二人で作った起源魔法。

 魔法が思うように使えなくなった皇帝が自分の命を代償として血を垂らし、誓約を交わしたと言われている。 そのため、破れば何方かが永久的に破滅する、危険極まりない誓約である。

 現代のルドアニア皇国で『』を使える者は神殿長と皇帝以外にいない。
 神殿と皇帝の間での誓約以外にも勿論使えるが、差し出す代償が大きく、気安く発動できない。
 そんな強大な誓約魔法。


 そして身体の動かせない皇帝と子を成すため、処女である大聖女の初夜のために作られたものが『慣らし五夜』と呼ばれる儀式だった。


 その名の通り、身体の動かない皇帝に代わり、皇帝の信頼厚い側近三人と医師、神殿監修のもと五日かけて身体を初夜に慣らす儀式である。


 一夜、快感を憶えるべし
 二夜、自慰を憶えるべし
 三夜、快楽に溺れるべし
 四夜、身体を順応すべし
 五夜、情欲を抑制すべし


 こうして、大聖女『サーシャ』は無事初夜を迎えた。 その後は五人の子宝に恵まれ、皇帝も彼女の治癒魔法により快方に向かったことでルドアニア皇国は今日まで繁栄の一途を辿った。


 こうして現代のルドアニア皇国で『慣らし五夜』は王侯貴族を中心に定着した初夜前の儀式となり、神殿は女神『サーシャ』を崇める事で国民の信仰を一身にうける存在となったのである。
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