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第5話
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陽の光が部屋に差し込み俺は起きた。
色んなことがありすぎたせいか、いつの間にか俺は眠っていたらしい。要さん、ベッドに連れてってくれてたんだ。
ん? 要さん、どこで寝たの?!
「おはよ、雪くん」
「おっ、おはようございます」
「ごめんごめん、驚かせたね」
「い、いえ。要さん、寝ましたか?」
要さんは既に起きていて、ベッドではなく椅子に座っていた。
「寝たよ」
どこで? とは聞けない。もし同じベッドでとかだったらなんて考えてる自分が恥ずかしい。
「こ、子どもたちはどうですか?」
「みんなまだ寝てるみたいだね」
「そうですか、俺、お腹空いちゃって......」
「ふふっ、何食べたい?」
「和食食べたいです」
「了解。.....はい、どうぞ」
「あ、ありがとうございます」
要さんは鮭の入った海苔おにぎりと味噌汁を朝食に出してくれた。
匂いに誘われたのか、子どもたちも起きて、結局みんなで朝食にすることにした。
「あの、要さん、これはなんという食べ物ですか?」
「この世界にはないのかな? 白米をにぎっただけのおにぎりっていうのと、ワカメと豆腐と玉ねぎを刻んだものに味噌を入れた味噌汁っていう食べ物だよ」
「ないですね。初めて見ました。それに要さんと雪さんが使ってる魔法も見たことないです」
この土地は見た感じヨーロッパにありそうな街並だけど、食べ物もパンで白米はないのかな? リムたちが獣人族だからか?
「俺たちの魔法は特殊としか言いようがないな。あとリム、さん付けなくて言いよって最初に言っただろ? 敬語も使わなくていいよ」
「そうだよ。リムもユイもシーナもユノも家族なんだから。雪くんも俺のこと呼び捨てにしていいし敬語使わなくていいよ」
「か、要さんは要さんなので」
「そう?」
俺があたふたしてると、子どもたちは嬉しそうにしていた。
「みんな、今日四季の土地に行こうと思うんだけど、何かここでしたいこととかあれば言ってね」
「か、要! お家が四季の土地にあるの?」
お? ユノが喋った。リム以外あまり話さなかったから警戒されてると思ってたけど、少しは馴染んでくれたのかな?
「お家は四季の土地で作るよ。みんなどんなお家がいいとかある?」
「僕、お花があるお家がいい!」
「ユノはお花が好きなの?」
「うん! お姉ちゃんもお花好きだよ」
「シーナも? じゃあお花がいっぱいのお家にしようか。他は何かある?」
「わ、私はふかふかのベッドがあるお家がいい!」
「ユイはふかふかのベッドか~。みんなもふかふかにしとこっか。リムとシーナは何かある?」
子どもたちはそれぞれに意見を出した。
「よし! じゃあ行こうか!」
俺たちは宿を出て街を出た。街から離れたところで、俺たちは交通手段が無いことに気づいた。
「要さん、俺たちだけなら瞬間移動でどうにかなったけど、どうしますか?」
「そうだな~、こういうとき車とかあればいいけど」
この世界で車といえば荷馬車。もしくは、ドラゴンとか? 召喚魔法を創造すればいけるか?
「要さん、ドラゴンでの移動はどうですか?」
「ドラゴン? どうやって?」
「召喚魔法で呼び出して、仲間にするんです」
「なるほど。雪くん。任せる」
「ははっ、了解です」
俺は召喚魔法をスキルで作り、実際に召喚してみた。
「私を呼んだのは貴様か? 人間」
おぉ。来た。ドラゴンなんて本当に存在したんだな。それにしても大きいし、かっこいい。
「はい。四季の土地まで連れて行って欲しくて」
「なに? この私を足替わりに呼び出すなど。人間、私を召喚できたことは褒めてやる。だが、その無礼な態度、万死に値する!」
急にドラゴンが攻撃を仕掛けてきたが、俺は〈威圧〉を使いドラゴンの動きを止めた。
「なんだ? それは。そんなオーラで私が人間ごときに震えおののくとでも?」
「じゃあこれだったら?」
俺はさらに〈威圧〉をかけた。
「ひっ! お、お前は何者なんだ! そのオーラ、まさか魔王か!?」
「違う違う、ただの人間ですよ」
「そうか、ならば後ろの人間と獣人族の子どもを守りながら戦えるか?」
ドラゴンは要さんたちがいる方へ攻撃を仕掛けるも、要さんも〈威圧〉を使い、ドラゴンの動きを止めた。
「お、お前ら、本当に何者なんだ。神か?」
「だから、違うって言ってますよね? ただの人間。それだけです」
ドラゴンはしばらく考えて口を開いた。
「わかった。人間。四季の土地まで連れて行ってやる。その代わり、食事と酒を用意しろ」
「食事か。肉とかでいいんですか?」
「あ、あぁ。できれば特上ので」
「わかった。要さん、俺、肉を作るので、タルいっぱいの酒をあとで作ってもらっていいですか?」
「いいよ」
「お願いします。そういえばドラゴンさん、名前を教えてもらってもいいですか?」
「私か? 私はルイだ。お前たちは?」
「俺は雪。要さんにリム、ユイにユノにシーナ。よろしく、ルイ」
「お前たちは不思議だな。なぜ四季の土地へ行く? あそこはどの種族も住まない土地だぞ? それに、今は雪が降ってとても住める場所ではない」
「今は冬なのか。いいですよ。それで、さっ、連れて行ってください」
「はぁ、わかった。では乗れ」
その後、ルイは俺たちを四季の土地まで連れて行ってくれた。さすがはドラゴンだ。速い。
俺はルイにこの世界について様々な話を教えてもらい、みんな少し仲良くなった。
「お前たちが言ってたのはここだが、本当にここでいいのか?」
「あぁ。そこに降りて」
「わかった」
俺たちは誰も踏んでいない雪の上に降り立った。子どもたちはブルブルと震えていた。
「ありがとう、ルイ」
「あぁ、そんなことより、早く肉と酒をよこせ」
「わかったわかった」
昼ご飯には少し早いが、俺たちは暖をとって食事をすることにした。
「おぉ。なんだこれは。美味いぞ! 酒も今までで1番美味だ!」
「それはよかった。それはそうとルイ、人間の姿になれるんだね」
ルイは思っていた以上に美形の男だった。
「あぁ。こっちの方が動きやすいし、人間の領地に入りやすいからな」
「はは、そうなんだ。なぁルイ、俺たちと一緒に生活しない?」
「ん~、飯をくれるのなら別にいいぞ」
「か、要さんはいいですか? リムたちも」
「いいよ!」
「俺も大丈夫だよ。そろそろ俺、家作ってくるね。ルイ、子どもたち見ててもらっていい? あと、雪くんはちょっと手伝ってくれる?」
「はい!」
「わかった。よし、雪遊びでもするかちびっこ共!」
「わーい!」「やった!」
子どもたちはルイに任せて、俺と要さんは家作りをすることにした。
「要さん、ここにしませんか?」
「そうだね、まず、どっちの向きに建てるかが問題なんだけど、どっちがいい?」
「んー、ユノとシーナが、花がある家って言ってたから、影にならないように、東に玄関を作りませんか?」
「いいね。でも、人族の土地とは反対方向になるけどいい? いっそ両側に作るのもいいけど」
「そうですね、そうしましょうか。想像してる家は大きいし、玄関までが遠いっていうのも面倒だしね」
「はい。じゃ、昨日話したような感じで作りましょうか。あと、俺たちの建築の知識じゃ地震とか怖いので、付与魔法を作って耐久力や防風などの対策もしましょ」
「おぉ、じゃあ、それは雪くんに任せてもいい?」
「はい。じゃ、作っていきましょうか」
要さんは集中しながら、玄関、リビング、倉庫、階段、寝室、子供部屋、風呂、庭、門、城壁など、次々と作っていった。俺は、魔法の付与を行いながら、要さんを手伝い、ようやく完成した。
全てが完成したのは、日が沈みかけた頃で、ルイもリムたちを連れて帰って行った。
「「おかえり」」
「おいおいおいおい! 何なんだ?
これは。さっきまで何もなかったろ!」
「要! 雪! すごいね! 僕、こんな大きな家初めて見た」
「私も! わぁ、何あれ? 見たことないものがある」
子どもたちは、キラキラした目で俺たちが作った家を見ていた。
「あ、ありがと、要、雪」
「ふふ、ユノ、気に入ってくれた?」
「うん!」
「それはよかった。お花はまだ咲かないけど、雪の時期が終わると咲くから、もう少し待ってね」
「うん!」
かわいい。めっちゃ喜んでる。ユノに関しては、俺と要さんの足にぎゅっとしがみついて!
「みんな、お家入ろっか。いっぱい遊んで疲れたでしょ」
そうだ。みんな雪の中で遊んでいたとはいえ、汗かいてるだろうし風邪ひくとダメだしね。
「「「「はーい!」」」」
ルイはキョロキョロしながら、家の中に入り、ポカーンとしていた。
ルイ、かっこいい顔してるのにその顔は、面白い。
「ここはリビングね。ご飯食べたりする場所ね。あっちは倉庫だけど、みんなはあんまり使わないかな」
「ここはお風呂、お外にお風呂あるけど、シャワーで体流してから入ってね」
「要、シャワーってなんだ? あと風呂も」
「ルイはドラゴン族だから知らないのかな? リムたちは知ってる?」
「ううん、お風呂は聞いたことあるけど、シャワーはないよ。それにお風呂は王宮にしかないってお母さんが言ってた」
シャワーもお風呂も、この世界では非常識? なのだろうか。
「シャワーはこの丸いところに手をかざすとお湯が出るよ。熱かったらここを捻って調節してね。あと、ここは男の子たちが入るお風呂で、向こうが女の子たちが入るお風呂ね。シーナとユイは向こうで入ってね。床滑りやすいから気をつけてね」
「次は2階、ここが子ども部屋、お勉強したり遊んだりする場所ね。寝室は1人1人作ってみたけど、1人で寝れなかったら俺か雪くんかルイの部屋においで。あ、あと、ちゃんとフワフワのベットにしたからね」
「3階は主にお客さんが来た時に使うようにするから、あまり汚さないようにね」
「最後! ここはお庭なんだけど、春になったらお花が咲いて、夏はプールで水遊び、あそこには遊具があるけど、冬は滑ったら危ないから気をつけて遊んでね。向こうの広いところは魔法や戦闘の訓練場ね」
みんなに全てを紹介し終え、夕食をとることにした。
「よし、じゃあご飯食べよっか」
「「「「はーい!」」」」「おう!」
色んなことがありすぎたせいか、いつの間にか俺は眠っていたらしい。要さん、ベッドに連れてってくれてたんだ。
ん? 要さん、どこで寝たの?!
「おはよ、雪くん」
「おっ、おはようございます」
「ごめんごめん、驚かせたね」
「い、いえ。要さん、寝ましたか?」
要さんは既に起きていて、ベッドではなく椅子に座っていた。
「寝たよ」
どこで? とは聞けない。もし同じベッドでとかだったらなんて考えてる自分が恥ずかしい。
「こ、子どもたちはどうですか?」
「みんなまだ寝てるみたいだね」
「そうですか、俺、お腹空いちゃって......」
「ふふっ、何食べたい?」
「和食食べたいです」
「了解。.....はい、どうぞ」
「あ、ありがとうございます」
要さんは鮭の入った海苔おにぎりと味噌汁を朝食に出してくれた。
匂いに誘われたのか、子どもたちも起きて、結局みんなで朝食にすることにした。
「あの、要さん、これはなんという食べ物ですか?」
「この世界にはないのかな? 白米をにぎっただけのおにぎりっていうのと、ワカメと豆腐と玉ねぎを刻んだものに味噌を入れた味噌汁っていう食べ物だよ」
「ないですね。初めて見ました。それに要さんと雪さんが使ってる魔法も見たことないです」
この土地は見た感じヨーロッパにありそうな街並だけど、食べ物もパンで白米はないのかな? リムたちが獣人族だからか?
「俺たちの魔法は特殊としか言いようがないな。あとリム、さん付けなくて言いよって最初に言っただろ? 敬語も使わなくていいよ」
「そうだよ。リムもユイもシーナもユノも家族なんだから。雪くんも俺のこと呼び捨てにしていいし敬語使わなくていいよ」
「か、要さんは要さんなので」
「そう?」
俺があたふたしてると、子どもたちは嬉しそうにしていた。
「みんな、今日四季の土地に行こうと思うんだけど、何かここでしたいこととかあれば言ってね」
「か、要! お家が四季の土地にあるの?」
お? ユノが喋った。リム以外あまり話さなかったから警戒されてると思ってたけど、少しは馴染んでくれたのかな?
「お家は四季の土地で作るよ。みんなどんなお家がいいとかある?」
「僕、お花があるお家がいい!」
「ユノはお花が好きなの?」
「うん! お姉ちゃんもお花好きだよ」
「シーナも? じゃあお花がいっぱいのお家にしようか。他は何かある?」
「わ、私はふかふかのベッドがあるお家がいい!」
「ユイはふかふかのベッドか~。みんなもふかふかにしとこっか。リムとシーナは何かある?」
子どもたちはそれぞれに意見を出した。
「よし! じゃあ行こうか!」
俺たちは宿を出て街を出た。街から離れたところで、俺たちは交通手段が無いことに気づいた。
「要さん、俺たちだけなら瞬間移動でどうにかなったけど、どうしますか?」
「そうだな~、こういうとき車とかあればいいけど」
この世界で車といえば荷馬車。もしくは、ドラゴンとか? 召喚魔法を創造すればいけるか?
「要さん、ドラゴンでの移動はどうですか?」
「ドラゴン? どうやって?」
「召喚魔法で呼び出して、仲間にするんです」
「なるほど。雪くん。任せる」
「ははっ、了解です」
俺は召喚魔法をスキルで作り、実際に召喚してみた。
「私を呼んだのは貴様か? 人間」
おぉ。来た。ドラゴンなんて本当に存在したんだな。それにしても大きいし、かっこいい。
「はい。四季の土地まで連れて行って欲しくて」
「なに? この私を足替わりに呼び出すなど。人間、私を召喚できたことは褒めてやる。だが、その無礼な態度、万死に値する!」
急にドラゴンが攻撃を仕掛けてきたが、俺は〈威圧〉を使いドラゴンの動きを止めた。
「なんだ? それは。そんなオーラで私が人間ごときに震えおののくとでも?」
「じゃあこれだったら?」
俺はさらに〈威圧〉をかけた。
「ひっ! お、お前は何者なんだ! そのオーラ、まさか魔王か!?」
「違う違う、ただの人間ですよ」
「そうか、ならば後ろの人間と獣人族の子どもを守りながら戦えるか?」
ドラゴンは要さんたちがいる方へ攻撃を仕掛けるも、要さんも〈威圧〉を使い、ドラゴンの動きを止めた。
「お、お前ら、本当に何者なんだ。神か?」
「だから、違うって言ってますよね? ただの人間。それだけです」
ドラゴンはしばらく考えて口を開いた。
「わかった。人間。四季の土地まで連れて行ってやる。その代わり、食事と酒を用意しろ」
「食事か。肉とかでいいんですか?」
「あ、あぁ。できれば特上ので」
「わかった。要さん、俺、肉を作るので、タルいっぱいの酒をあとで作ってもらっていいですか?」
「いいよ」
「お願いします。そういえばドラゴンさん、名前を教えてもらってもいいですか?」
「私か? 私はルイだ。お前たちは?」
「俺は雪。要さんにリム、ユイにユノにシーナ。よろしく、ルイ」
「お前たちは不思議だな。なぜ四季の土地へ行く? あそこはどの種族も住まない土地だぞ? それに、今は雪が降ってとても住める場所ではない」
「今は冬なのか。いいですよ。それで、さっ、連れて行ってください」
「はぁ、わかった。では乗れ」
その後、ルイは俺たちを四季の土地まで連れて行ってくれた。さすがはドラゴンだ。速い。
俺はルイにこの世界について様々な話を教えてもらい、みんな少し仲良くなった。
「お前たちが言ってたのはここだが、本当にここでいいのか?」
「あぁ。そこに降りて」
「わかった」
俺たちは誰も踏んでいない雪の上に降り立った。子どもたちはブルブルと震えていた。
「ありがとう、ルイ」
「あぁ、そんなことより、早く肉と酒をよこせ」
「わかったわかった」
昼ご飯には少し早いが、俺たちは暖をとって食事をすることにした。
「おぉ。なんだこれは。美味いぞ! 酒も今までで1番美味だ!」
「それはよかった。それはそうとルイ、人間の姿になれるんだね」
ルイは思っていた以上に美形の男だった。
「あぁ。こっちの方が動きやすいし、人間の領地に入りやすいからな」
「はは、そうなんだ。なぁルイ、俺たちと一緒に生活しない?」
「ん~、飯をくれるのなら別にいいぞ」
「か、要さんはいいですか? リムたちも」
「いいよ!」
「俺も大丈夫だよ。そろそろ俺、家作ってくるね。ルイ、子どもたち見ててもらっていい? あと、雪くんはちょっと手伝ってくれる?」
「はい!」
「わかった。よし、雪遊びでもするかちびっこ共!」
「わーい!」「やった!」
子どもたちはルイに任せて、俺と要さんは家作りをすることにした。
「要さん、ここにしませんか?」
「そうだね、まず、どっちの向きに建てるかが問題なんだけど、どっちがいい?」
「んー、ユノとシーナが、花がある家って言ってたから、影にならないように、東に玄関を作りませんか?」
「いいね。でも、人族の土地とは反対方向になるけどいい? いっそ両側に作るのもいいけど」
「そうですね、そうしましょうか。想像してる家は大きいし、玄関までが遠いっていうのも面倒だしね」
「はい。じゃ、昨日話したような感じで作りましょうか。あと、俺たちの建築の知識じゃ地震とか怖いので、付与魔法を作って耐久力や防風などの対策もしましょ」
「おぉ、じゃあ、それは雪くんに任せてもいい?」
「はい。じゃ、作っていきましょうか」
要さんは集中しながら、玄関、リビング、倉庫、階段、寝室、子供部屋、風呂、庭、門、城壁など、次々と作っていった。俺は、魔法の付与を行いながら、要さんを手伝い、ようやく完成した。
全てが完成したのは、日が沈みかけた頃で、ルイもリムたちを連れて帰って行った。
「「おかえり」」
「おいおいおいおい! 何なんだ?
これは。さっきまで何もなかったろ!」
「要! 雪! すごいね! 僕、こんな大きな家初めて見た」
「私も! わぁ、何あれ? 見たことないものがある」
子どもたちは、キラキラした目で俺たちが作った家を見ていた。
「あ、ありがと、要、雪」
「ふふ、ユノ、気に入ってくれた?」
「うん!」
「それはよかった。お花はまだ咲かないけど、雪の時期が終わると咲くから、もう少し待ってね」
「うん!」
かわいい。めっちゃ喜んでる。ユノに関しては、俺と要さんの足にぎゅっとしがみついて!
「みんな、お家入ろっか。いっぱい遊んで疲れたでしょ」
そうだ。みんな雪の中で遊んでいたとはいえ、汗かいてるだろうし風邪ひくとダメだしね。
「「「「はーい!」」」」
ルイはキョロキョロしながら、家の中に入り、ポカーンとしていた。
ルイ、かっこいい顔してるのにその顔は、面白い。
「ここはリビングね。ご飯食べたりする場所ね。あっちは倉庫だけど、みんなはあんまり使わないかな」
「ここはお風呂、お外にお風呂あるけど、シャワーで体流してから入ってね」
「要、シャワーってなんだ? あと風呂も」
「ルイはドラゴン族だから知らないのかな? リムたちは知ってる?」
「ううん、お風呂は聞いたことあるけど、シャワーはないよ。それにお風呂は王宮にしかないってお母さんが言ってた」
シャワーもお風呂も、この世界では非常識? なのだろうか。
「シャワーはこの丸いところに手をかざすとお湯が出るよ。熱かったらここを捻って調節してね。あと、ここは男の子たちが入るお風呂で、向こうが女の子たちが入るお風呂ね。シーナとユイは向こうで入ってね。床滑りやすいから気をつけてね」
「次は2階、ここが子ども部屋、お勉強したり遊んだりする場所ね。寝室は1人1人作ってみたけど、1人で寝れなかったら俺か雪くんかルイの部屋においで。あ、あと、ちゃんとフワフワのベットにしたからね」
「3階は主にお客さんが来た時に使うようにするから、あまり汚さないようにね」
「最後! ここはお庭なんだけど、春になったらお花が咲いて、夏はプールで水遊び、あそこには遊具があるけど、冬は滑ったら危ないから気をつけて遊んでね。向こうの広いところは魔法や戦闘の訓練場ね」
みんなに全てを紹介し終え、夕食をとることにした。
「よし、じゃあご飯食べよっか」
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