賢者タイムを知ってしまったことで。

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異性の親友(しょうたの場合)

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小松との仲は中1から。就職したいまも友人関係が続いている。

お笑いや音楽の趣味が似ているから、働き出しても半年に1回ぐらいのペースで飲みに行ってはバカ笑いをしている。

そんな俺にとって唯一の異性の親友、小松に紹介してもらった花音と、3か月近く付き合っている。裸の相性がよく、先週の土曜日は朝10時からサービスタイムを使い、ベッド、お風呂など所かまわず咥えてもらった。俺は俺で花音の陰唇を何度も舐めまわした。愛し合うというよりも快楽を貪る感じ。我を忘れ「もっと、もっと、もっと」と。

俺も花音も新入社員。ままならない自分へのストレスを性交で発散している部分が強い。知識や経験が不足しているため、先輩や上司の話していることを理解できないことがある。なのに、将来が有望な社員と思われたい気持ちが強いから、心のバランスが崩れる。イッた後、花音も俺の胸に頭を置き、「自己評価と他人から見た評価って違うんだよね。あー、このまま溶けたい」と独り言のようなトーンで不安を洩らしていた。

花音と永遠にいるイメージはわかない。花音も同じことを思っている。きっと、どちらかが、仕事面で少しでも自信がついたら自然消滅となるだろう。あと、俺に至っては、「結婚して浮気」は否定派なので、もう少しほかの女性とも関係を持ちたいという邪な気持ちもある。

社会人になって、小松との友人関係だって永遠じゃないことに気付いた。どちらかが結婚し子供が出来れば疎遠になってしまう。花音と付き合いだしてから、小松が俺に連絡することも減ったし。

自分にイライラして眠れない日は、小松のFカップに甘える妄想をするようにもなってしまった。これまで、おかずにしたことなんてなかったのに。

―――――――――――――――――

「ねえ、トイレで抜いてきたら?」
深夜0時。駅前の居酒屋チェーン店で、ハイボール片手に小松がぶっこんできた。

「な、なんでだよ」
「だって酔いだしてから私のおっぱいにばっかり目がいってるじゃん」
「あっう…」
図星すぎて言葉に詰まる。小松の恰好は、谷間など一ミリも見えないライブTシャツ。しかも、色はブラックでボディラインも出ない大きめのサイズ。なのに、酔いも手伝い、下半身が脳を支配しているせいで卑猥な想像ばかり。サブカル話にはキレがなく、分析もどこか的外れな感じだ。

今日は、花音も一緒に3人で飲む予定だったが、花音があした休日出勤することとなり、2人で飲むことに。連絡を受けた際、陰茎が少し固くなったのだから俺はどうしようもない。

「私が抜くのを手伝う世界線はないからね」
「……あ、あ、当たり前だよ」
「ツッコミの間が悪すぎ。どんだけ溜まってんだか」
俺を弄りながらニヤニヤしているが、目では、「マジで抜いてこないと殺す」と言っている。小松が冗談風に変な空気を変えようとしている時こそ本気。だからこそ男女の友情がこんなにも長く続いている。

「でも、居酒屋で抜くなんて前代未聞だと思うよ」
と、真面目なトーンで返す俺。なんの反論だ。
「じゃあ、お会計っていう手もあるよ」
「い、いや。…も、もう少しだけ喋りたい」
「キモっ!なら、行ってきなさいよ。ホラ」
「あー、あー、わかった。わかった。ちょっと行ってくる」
「行ってらっしゃい。あ、私で抜くのだけは辞めてね」
俺は何も答えず、スマホの入った小さめの肩掛け鞄を持ってトイレに向かった。

個室に入り、Bluetoothイヤホンを装着し動画を漁った。
ベッドの上で急いで脱ぐ二人。愛撫しあい、一緒に気持ちよくなろうとしているのが伝わってくる。高まっていたせいで、すぐ抜けた。精子が入ったティッシュをトイレに流しながら情けなさが押し寄せる。だって選んだ動画は小松のような巨乳の女性だったから。花音のようなおわん型のバストではない。

――――――――――

「なんで、下向いて歩いてるの?」
「店員さんと目が合うのが怖すぎて」
「あははっ。ウケる。誰かに言っちゃいそう」
「やめろ!墓場まで持ってけ!」
「それそれ。間が良くなった」
テーブルをたたきながら、お腹を抱えて豪快に笑う小松。軽く頭をひっぱたきたい。
「出し切って、虚しくなったでしょ?」
「虚しいを越えて死にたい」
「ははははっ!あーあ。笑いすぎてお腹イタい」
この話を辞めたい自分と、もう少し笑かしたい自分がいる。悔しいが、小松にウケるのは嬉しい。

「私のこと性的な目で見るの、高1以来だよ」
「え!?そんな時期あった?」
「あったよ。クラスで友達ができないのと、童貞が重なっていたとき。駒田緑さんと付き合うまで、私の豊満な胸を見る目マジでヤバかったから」
「元カノのフルネームは辞めろ。当時の彼女でいいだろ」
にしても、全く覚えてない。心身が弱ると、小松をおかずにするんだ。最低だぁ。

「金輪際、私とヤリたいと思うのだけは辞めてくれ」
「わかった。それは誓う」
「私たちは、この関係がいいんだよ。『抜いてこい』なんて言える、女友達、最高じゃない?」
「そうだな。ごめん」
「え、なんて?」
「二度と想像しません。すみませんでした。…だから、ニヤニヤすんなって」
「だって。面白いんだもん。ハイボールがすすむわー。あと、真面目な話、本当に好きだったら、シラフの時でも好き好きオーラが出るものだから。だから、抜いてわかることってあるよね」

本当にその通りだ。いまは、もう小松を抱きしめたいとすら思わない。

「あ、そうそう。私、彼氏出来た」
「えー、早く言えよ」
「いや、言うタイミングなかったから」
「だな」
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